ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2014/10/04〜05) @
ノリクラの紅葉は、先週、全エリアで見頃・ピークを迎えて、近年まれに見る当たり年となりました。ただ、もう少し見頃の時期が続くかと思われたものの、大雪渓・位ヶ原の上部エリアのピークは1〜2日程度しか持たず、これほどまで短命だった紅葉も、近年まれに見る状況となってしまいました。
10月4日(土)は、朝一番は綺麗な青空が広がりました。10月に入って、県道乗鞍岳線の開門時間が1時間遅くなり、それにあわせてシャトルバスの始発便も7時となり、ご来光バスの運行もなくなりました。そのため、7時の始発便が一番最初のバスということもあり、今日はチケットを購入される方の列と、チケット購入後に並ぶバス乗り場の列が交差して入り乱れる状況。やはり、紅葉が見頃を迎えたという情報もあってお越しになった方々も増えたものと考えられます。朝一番の青空も次第に山麓から湧き上がる雲に包まれ、午後になると完全に曇り空。しかし、上部の大雪渓から望む山麓方面は位ヶ原付近まで重厚な雲海に包まれ、近くの鉢盛山の頂がかろうじて確認できるほどの分厚い見事なもので、遠くは八ヶ岳や南アルプスが雲海にぽっかり浮かぶ様子が見られました。また、今日も沿道を歩いて散策する方々が多く、秋の深まりを十二分に楽しみながらゆっくり歩む様子が夕方近くまでありました。
10月5日(日)は、6時前から雨が降り始めました。観光センター周辺では周りの山をも飲み込むほどの低い雲が垂れ込めています。ただ、畳平では視界が良好で、どうやら上部は雲海の上の模様。台風18号が接近中ということもあって、今日は人出がかなりまばらな状況。低く垂れ込めている雲は、三本滝ゲート付近から雲海の中に入り込み、位ヶ原山荘より上部は雲の上に到達します。森林限界を超えた先では、台風の影響からか、いつもと異なる南風が流れ込み、約20km離れた御嶽山の噴煙の匂いが感じられました。午後になると、天候はさらに悪化して、14時頃からはまとまった雨脚となり、大雪渓付近はほぼ完全に濃霧に包まれて、台風の影響が徐々に強まりながら今日一日が終わりました。
台風18号は10月6日(月)の朝に静岡県付近に上陸し、その後、台風が過ぎ去ったあと、夕方近くから冷たい空気が流れ込み、10月7日(火)早朝には、乗鞍岳の初雪が観測されました。昨年より10日早い観測で、一昨年と同日でした。観測時の畳平の天候は晴れ、気温マイナス7℃と冷え込み、1センチ程度の積雪が確認されました。また、道路の凍結も見られ、乗鞍スカイラインは昨日から続く雨量規制に加え、桔梗ヶ原付近の凍結により、13時20分まで通行止め。そして、長野県側の県道乗鞍岳線も大雪渓付近で凍結がみられて、三本滝〜県境までが通行止めとなり、10時30分に解除されました。
紅葉の状況は、先週の見事な紅葉は1〜2日程度で落葉が始まり、この週末は上部エリアではほぼ終了。中腹の摩利支天付近に見頃エリアが残っている程度です。山麓の乗鞍高原も紅葉が始まりましたが見頃といえるレベルではないため、今週は紅葉の端境期となってしまいました。次週末には乗鞍高原の紅葉も始まると考えられますので、それに期待したところ。一の瀬大カエデでも色付きが始まり、ほぼ例年並の進捗度合いです。
【10月4日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは朝6時30分の観光センター前駐車場。いつもは6時の様子をお伝えしておりますが、10月に入って日の出が遅くなり、6時になってようやく明るくなる状況です。また、それに関連して、県道乗鞍岳線の三本滝ゲートの開門時間が10月より1時間遅くなって7時に変更されました。そして、いつもの観光センター前駐車場の画像ではありますが、いつもと違った光景が見られます。
乗車券を買い求める方々の列 | シャトルバスを待つ方々の列 |
左の画像はシャトルバスの乗車券を買い求める方々の列。そして乗車券を購入した方は、シャトルバス始発便を待つ列へと並びなおします。どちらも長蛇の列となっています。
シャトルバス始発便 − 10月から7時便が始発 |
そして、シャトルバス始発便が到着します。先ほど、三本滝ゲートの開門時間が10月より7時に変更されたことをお伝えしましたが、それに伴い、シャトルバスの始発便も10月より、6時10分発の便は運行されず、その次の7時便が始発便になります。
バスはどんどん配車されても... | 乗車待ちの列(左)も乗車券購入の列(右)も一向に短くならず |
シャトルバスは2台から3台へと次々に配車されます。右の画像では乗車券を買い求める右側の列と、バスを待つ左側の列が交互する様子が見られますが、バスへの乗車が始まってもその列は一向に短くなりません。
最終的に6台運行となりました |
そして、最終的には6台で運行されることに...左の運転手さんが持っているのは連行札。先頭車両のフロントガラス表示して、対向車に運行台数を表示するものです。出発直前に車掌さんが何号車に何人乗っているかを再度確認しています。先頭車両に乗車する車掌が把握すべき重要事項ですから、あわてて手のひらに書いてますよ!
この先、休暇村や三本滝などの停留所から乗車する方もいらっしゃり、どのバスにどれだけの空席があるのかを把握した上で発車しないと、乗車に手間取ったり、場合によっては乗車できなかったりすることもあります。また、バスの車種によっては補助席があったりなかったりと様々で、細かな仕様の違いが泣かせどころです。
タクシー乗り場 | 何組ものグループが乗車 |
さて、シャトルバスがこの状況ですからタクシーも同じ...7時前に三本滝ゲートに並んで、開門同時にいち早く登りたいというお客様もいらっしゃり、今日もシャトルバス始発便が出発する前には何組ものグループがタクシーで出発されて行きました。やはり、この時期はカメラマンの方々の利用が多いようで、途中で停止しながら撮影を繰り返すにはタクシーの利用が良いでしょう。
あっというまに全車出発 |
そのため、30分もしないうちにタクシー乗り場はもぬけの殻となりました。都会のタクシーのように何十台も回っていることはありませんから、この状態になると、登ったタクシーが戻ってくるまで、タクシーを利用することはできません。
観光センター前駐車場 − 8時前には満車 |
さて、観光センター前駐車場は6時の段階で72台でしたが、7時には143台まで増えて、8時前には満車になりました。次の週末は体育の日と土日からなる三連休ですから、混雑が見込まれます。天候に大きく左右されますが、好天に恵まれれば、お盆以上の賑わいになることが予測されます。体育の日の三連休に訪れる方は、時間に余裕をもってお越しください。
【観光センターから大雪渓へT(乗鞍高原周辺、沿道の風景)】
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先週の鈴蘭バス停のカエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2014/09/27〜28) @ |
今週の鈴蘭バス停のカエデ 全身ほぼ赤くに染まる |
それでは大雪渓に向かう沿道の様子をご覧ください。こちらは鈴蘭バス停のカエデの紅葉。赤い部分がさらに増えて全身がほぼ真っ赤になってきました。しかし、ピークの色取りになるまで数週間かかると思います。
乗鞍高原の紅葉で最も有名な「一の瀬の大カエデ」は7ページ目の紅葉情報にてお伝えします。
青空はなくなり山頂に雲がかかる |
そして、こちらは善五郎の滝 入口付近。早朝の青空は徐々に姿を消して、周期的に山頂方面に雲がかかります。ただ、これは大雪渓より上部では、雲海として確認され、上部と山麓では天候に違いがあることがわかります。
善五郎の滝 遊歩道 | 落ち葉が目立つようになる |
そして、善五郎の滝への遊歩道の入口に入ります。シラカバとミズナラの2種類の木が主な構成です。地面を見るとすでにたくさんの落ち葉が見られます。善五郎の滝遊歩道に限らず、全エリアで、今週にはいって落ち葉が多くなってきました。その落ち葉を見てみると...
シラカバの落葉(左)とミズナラの落葉(右) − 圧倒的にシラカバの落葉が多い |
左はシラカバの落ち葉、右はミズナラの落ち葉です。この2つの画像だけでは、わかりませんが、圧倒的にシラカバの落ち葉のほうが多い状況です。シラカバは紅葉が始まると同時に落葉も多くなり、イチョウのように全身黄色に染まったシラカバを見つけることは容易ではありません。
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先週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.21(2014/09/27〜28) @ |
今週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 ミズナラは全体的に黄色が濃くなる |
そのミズナラもご覧のように全体的に黄色が濃くなってきました。上部エリアの紅葉とは異なり、徐々に進んでいることがわかります。
鈴蘭橋からの紅葉 − 次週末には見頃へ |
乗鞍高原の中でも紅葉ビューポイントとしてはよく知られているす鈴蘭橋からの眺め。少しずつ色付いている様子が確認でき、次週末には乗鞍高原の紅葉がはっきりわかる程度まで進むことが期待されます。
沿道の紅葉を楽しみながら | ゆっくりとヒルクライム − まるで学校帰りの学生のように... |
沿道はほぼ見頃に近い色合いを放つ木々もあって、そんな中をゆっくりとヒルクライムする様子は絵になるというもの...まるで、学校帰りの学生が友達とおしゃべりしながらゆっくりと帰宅するかのような雰囲気です。
ノリクラ雪渓カレンダーでは、毎回、ヒルクライマーの方々へ安全走行のためのお願いを掲載させていただいております。秋になって、熱中症の心配は少なくなって来ましたが、防寒対策には万全を期してお越し下さい。
【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、自転車の点検整備、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】
本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェア・フルフィンガーのグローブなどの装備は必ず持参して下さい。特に9月以降は登りでも寒さを感じるほどです。
走行前は必ず自転車の点検をお願いします。ブレーキとタイヤの傷・ヒビ・異物・空気圧のチェックは走行前には毎回チェックして下さい。また、パンク修理のためのキットと携帯ポンプは必ず持参して下さい。
8月から9月にかけて、熊の出没が頻繁になる時期を迎えます。熊は森林の中だけでなく、道路上にも出没します。そのため、自動車のような走行音のしないヒルクライムは鉢合わせする危険性がありますので、熊鈴を鳴らしながら走行することをオススメします。
熊だけでなく、野生の猿も確認されています。
気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。
場所(観光センターからの距離、標高) |
飲料水 |
売店(スポーツドリンクなど) |
トイレ |
三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) | ○ | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) |
大雪渓(18km地点、標高2600m) | △ (沢水) | × | ○ (公衆トイレ) |
終点畳平(20km地点、標高2702m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。
めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)
<前を良く見て走行してください。(特に登り走行時)>
ヒルクライムで、下を向いたままべダルをこぐ様子が良く見られます。その場合、対向車の存在に気付くことが遅れて、正面衝突する危険性があります。必ず前を見て走行してください。
<並走禁止(横並び走行)>
横に並んだ並走走行は道路交通法でも規制されています。友人同士でおしゃべりしながら並んで走行するのは楽しいものですが、県道乗鞍岳線は狭小区間が多く、後ろから来た自動車が追い抜くことができません。また、対向する車両との接触の危険性もありますので、絶対に並走しないようお願いたします。
<下山時はスピードを落として、カーブミラーもしっかりと確認>
スピードを乗せたダウンヒルは楽しいものですが、大会などでコース規制がされた状態ではありませんので、すぐに止まれるスピードで走行してください。また、カーブミラーでヘアピンカーブの先の状況もよく確認してください。カーブミラーの確認をすると姿勢が不安定になるという方もいらっしゃるかと思いますが、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。しっかりとカーブミラーが確認できる速度までスピードダウンしてください。
<防衛運転に徹すること>
他の車両との事故の場合、過失の問題が生じますが、いずれにしても、ダメージが大きいのは自転車の方です。必ず防衛運転に徹するようお願いいたします。
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