ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2015/05/15〜17) @
毎年5月15日は、岐阜県側の乗鞍スカイライン開通日。終点の標高2702メートルの畳平は国内自動車道の最高標高地点で、除雪された道路以外は一面銀世界が広がる山岳地帯でありながら、バス・タクシーで気軽に訪れることができる観光地でもあります。
毎年、乗鞍スカイライン開通初日は、登山バス出発式、および、乗鞍山開き祭が開催されますが、このような行事を一つ一つ執り行うことで、ノリクラの本格的な登山シーズンに向けて動き始めるものと感じられます。2003年のマイカー規制が始まってから今年で13年目を迎えます。規制前と比べると来場者数は激減していますが、来場者の適正数は各方面によって異なると思います。観光面から考えると「激減」でしょうし、環境面から考えると「適正」なのかもしれません。ただ、ノリクラの自然環境があってこその観光であることは忘れてはならないと思います。
今回は15日の乗鞍スカイライン初日の様子とそれに続く週末と合わせた3日間の様子をお伝えします。
5月15日(金)は、早朝は雲間に青空がのぞく状態でしたが、森林限界を超えたあたりから濃霧に包まれ、乗鞍岳山開き祭が行われる畳平は視界50メートル以下の濃霧。神事は乗鞍本宮、樽開きは畳平バスターミナルで行われました。濃霧はほぼ終日続き、夕方になってようやく抜けました。
5月16日(土)は、朝からあいにくの雨、早朝はまとまった降り方を見せたものの、お昼前には雨は収まります。ただ、山頂方面は濃霧と強風が続き、バーンは固くシールの効きにくい状態。やはり今日も夕方近くになって視界が回復する状態でした。
5月17日(日)は、前2日間を取り戻すような快晴の朝を迎えます。晴れあがった朝は冷え込みも強く、畳平ではマイナス4℃まで低下しました。乗鞍スカイラインは通行止めとはならなかったものの、長野県側県道乗鞍岳線(現在冬季閉鎖中)は夜間凍結がみられ、乗鞍岳春山バスは始発便が運休し、2便目からの運行となりました。一日中、きれいな青空に恵まれ、爽やかな空気に包まれて、稜線付近も穏やかな春スキー日和の一日でした。
それでは3日間の様子をご覧ください。なお、ツアーコースでの下山滑走は困難な状態となっていますので、下山は乗鞍岳春山バスをご利用ください。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【5月15日(金)、乗鞍スカイラインシャトルバス運行開始】
ほおのき平駐車場 |
早朝6時のほおのき平駐車場。岐阜県側のシャトルバス乗り換え駐車場です。かつては平湯温泉のアカンダナ駐車場も乗り換え駐車場として利用されていましたが、アカンダナ駐車場から平湯温泉バスターミナルへの連絡バスがなくなったため、乗鞍スカイラインシャトルバスの乗り換え駐車場は、ほおのき平駐車場が唯一の存在です。
雲間に青空がのぞく天候 | 猫岳方面は雲の中 |
今日は5月15日。毎年この日は乗鞍スカイラインの開通日。ご覧のとおり、雲間に青空がのぞく天候です。夫婦松方面ははっきりと確認できるものの、その奥にある猫岳方面は雲にすぽりと包まれています。乗鞍スカイラインのパトロールの方の話では、上部は濃霧で視界がかなり悪いとのこと...
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昨年同時期の桜 − 若干葉桜 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2014/05/15・17・18) @ |
今週の桜 − 完全に見頃は終わっている |
こちらは、ほおのき平駐車場にある桜の木。昨年は少し葉桜になった程度でまだ花を楽しむことができましたしたが、今年はすでに終了していて、散った花びらすら見られません。
ほおのきバスターミナル | 毎年5月15日はノリクラに |
今日は平日ですが、この日のためにわざわざやってきたという方も多いようでした。こちらの方もその例にもれず、昨年に引き続き、5月15日にお越しになりました。いつもは自転車でヒルクライムですが、今日はバスに乗って登山に向かうとのこと...
畳平の天候 | 今日はAダイヤ |
ほおのきバスターミナル正面には、6時時点の畳平の状況が毎朝掲示されます。ご覧のとおり、濃霧視界不良のようです。そのため、自転車は天候が回復するまで一時見合わせとなりました。また、今日は通常時のAダイヤ。基本的には1時間に1便で、右画像のダイヤ表にある黒字の部分(毎時55分)がそれに該当しますが、休日は黒字に加えて、赤字(毎時25分)が入ります。
「畳平は濃霧になっています」 | 始発便が到着 |
そして、定刻の数分前に平湯温泉からやってきたシャトルバスが到着。係の方が畳平の天候を説明されています。日によってはほおのき平駐車場と畳平では10℃も気温差があることがあって、バスに乗るときは暑さを感じる状況でも、上ではアウターが必要という事もあります。どんなに天候のよい日でもアウター・レインウェアを持参してください。
18名が乗車 − 今シーズン最初のシャトルバス |
今日はほおのき平駐車場からは18名の方が乗車して、今シーズン最初のシャトルバスが出発しました。
ヒルクライム − 山開き祭に間に合うように出発! | 今日は大会の練習も兼ねて |
さて、駐車場の片隅では、自転車の整備をされている方々の様子がありました。乗鞍スカイラインオープンを狙って、わざわざ休みを取ってお越しになったとのこと。「10時の山開き祭に間に合うように乗鞍スカイラインをヒルクライムします。今年は7月に開催される乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムに出るんですよ。だから、今日はその練習も兼ねて...」
濃霧のため自転車通行は一時見合わせ中 =だめならランニングで畳平へ向かう予定= |
濃霧で自転車通行が一時見合わせになっていることをお伝えすると、「とりあえず、平湯峠まで行ってみて、だめだったら引き返してランニングシューズに履き替えて、今度はランニングで畳平に向かいます。」とのこと...何が何でも自力で畳平を目指すようです。
【乗鞍登山バス出発式】
出発式の準備 |
さて、始発便を見送ったのち、出発式の準備が始まりました。テープカットを行う赤い絨毯や来賓の受付窓口を設置します。
来賓用バスに花輪をつける |
乗鞍スカイラインのシャトルバスは、高山市の濃飛乗合自動車と、松本市のアルピコ交通の2社が共同運行しています。両社のバスには花輪が取り付けられ、出発式が終わったのち、来賓を乗せて畳平へと向かう手筈になっています。
来賓は関係団体や地元の関係者、報道関係者が名を連ねています。
乗鞍岳山開き祭実行委員会 岐阜・長野 両県の観光協会を中心に運営 |
乗鞍岳山開き祭は、昨年までは高山市が実施していましたが、今年から実行委員会形式になり、岐阜県側の構成団体は、飛騨乗鞍観光協会、飛騨高山コンベンション協会、奥飛騨温泉郷観光協会、乗鞍観光協議会で、長野県側の構成団体は、松本市アルプス観光協会、のりくら観光協会が名を連ね、両県の各団体が一緒になって山開き祭を開催することになりました。
また、これを機会に、乗鞍に関する様々な取り組みを両県で一緒に行いたいという意図があるとのことでした。
報道各社のテープカットの前でスタンバイ完了です。
テープカット |
ラッピングバスをバックにテープカットが行われます。後方のラッピングバスは中部山岳国立公園80周年を迎えた昨年に作成されたものと同じもので、乗鞍から見た穂高方面の山々が描かれています。
畳平に向けて出発 |
出発式の終了後、畳平で行われる山開き祭に向けて、ラッピングバスを含めた3台のバスがほおのき平から出発します。
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