ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2015/05/23〜24) C
【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。
昨年同時期の蚕玉岳山頂付近 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2014/05/24〜25) C ↓ |
昨年同時期3週間後の蚕玉岳山頂付近 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2014/06/14〜15) E ↓ |
今週の蚕玉岳山頂付近 昨年より3週間早い雪解け |
蚕玉岳山頂付近の様子。左上は昨年同時期の画像。そして、右上は今週と同じ積雪状態の昨年6月中旬の画像。そして、下段は今週の画像です。昨年と比べて1〜2メートルほど積雪が少なく、3週間ほど雪解けが早いことがわかります。
稜線12℃、風もなく穏やか |
遠景を眺めながらのんびりお昼休み |
今日の稜線の気温は12℃、風もなく穏やかな状況で、お昼休みをのんびりと過ごす様子が見られれます。主峰剣ヶ峰の山頂はゴツゴツとした岩場でそれほど広くないため、のんびりと過ごすことはできませんが、蚕玉岳山頂付近はなだらかな形をしていて、ノリクラらしい山容ともいえます。
「一人でバスに乗れたモン、山頂に行けたモン」 | 左の常連、「大変よくできました!!」と呆れ顔 |
さて、こちらでものんびりと...「今日はね〜、一人でバスに乗れて、一人で山頂に行けたんだから!」と、達成感120%のご様子。
いつもは誰かと一緒に登っていたノリクラですが、今日は初めて全行程を単独踏破できました。しかし、それを傍らで聞く常連の方はいささか呆れ気味...確かに内容だけを聞くと、小さな子供さんがバスに初めて乗って、おじいちゃんの家に行けたというレベルに過ぎないでしょう。
...と、ここで話が終わってしまうと、単なる笑い話で終わってしまいます。
でも、ツアーに参加して登った山なのに、単独で入山したら迷ってしまったという経験はないでしょうか?連れて行ってもらったルートは、知っているつもりでも実際の記憶はあやふやな部分があって、確実に自分のモノにするには、自分の目利きで歩かなければならない場合もあるかと思います。
2ページ目の【肩の小屋へ】のコーナーでは、アイゼンの予習についておつたえしましたが、こちらはその逆で、しっかりと「復習」した結果と言えます。
稜線直下で一部雪解け − 昨年より2週間早い雪解け |
バーンはかなり広く、横幅130メートル以上あって、どこでターンしても問題ありません。ただ、一部で雪解け箇所が見られ、積雪量はかなり少なくなっています。おそらく、次週末には、雪解け箇所がかなり広がっているはずです。昨年と比べて、2週間ほど早い雪解けです、
昨年同時期の位ヶ原 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) C ↓ |
昨年同時期3週間後の位ヶ原 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2014/06/14〜15) E ↓ |
今週の位ヶ原 昨年より3週間早い雪解け |
稜線付近からの位ヶ原。左上が昨年同時期の画像。右上が今週と同じ積雪状態の昨年6月中旬の画像。そして、下段は今週の画像です。昨年より3週間早い雪解けです。雪解けスピードは先週とほぼ同じです。
⇔ | ||
昨年同時期の剣ヶ峰直下の岩 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) C |
今週の剣ヶ峰直下の岩 昨年より3週間早い雪解け |
剣ヶ峰直下の岩付近も昨年の6月中旬並みの状況です。雪解けスピードは先週とほぼ同じです。
3分の1地点 岩の頭 − 昨年より1ヶ月以上早い雪解け |
稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ。先週からバーン中央に岩の頭が出現しました。例年、6月中旬から下旬ごろになって表れるもので、今年は1ヶ月も早く出現しました。また、しばらくするとこの箇所でバーンが上下に分断されてしまいます。ちなみに、昨年はこの岩が出現したのは6月20日ごろで、その前に上端部分の雪がなくなり滑走できなくなりました。
岩の頭があちらこちらで |
この付近はご覧のように岩の頭があちらこちらで見られるようになっていて、おそらく次週末は、岩の面積よりも雪の面積のほうが小さくなっている可能性が高いと推測されます。
唯一こちらのバーンは縦溝はなく滑りやすい |
他のエリアでは縦溝が若干見られるものの、こちらのバーンでは縦溝は全くなく、かなり滑りやすい状況です。
県道乗鞍岳線 |
そして、稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。
切り通しは2メートル 過去最低の積雪量 |
切り通しの高さは2メートル、2014年は3.9メートル。2013年はまだ除雪がされてなく、2012年は4.4メートル、2011年は3メートル、2010年は3〜4メートルでした。さらにさかのぼると2003年に2.5メートルという記録がありますが、それを更新する少なさです。
【県道乗鞍岳線の除雪 − 大雪渓まで完了】
大雪渓まで除雪完了 |
県道乗鞍岳線は、5月22日(金)に大雪渓まで除雪が完了しました。
4月1日から始まった県道乗鞍岳線の除雪ですが、冷泉小屋から位ヶ原山荘までの積雪量が多かったため除雪が遅れて、4月25日(土)運行開始予定だった乗鞍岳春山バスは、4月29日(水)にずれ込んでしまいました。しかし、最終的に大雪渓の除雪完了は例年通りとなりました。
4号カーブ |
こちらは大雪渓手前の4号カーブ、最も雪の壁が深いカーブです。
雪壁 − 高さ6.8〜10メートル | 6.8メートルの上が斜めになって最大10メートル |
垂直に切り立った部分で6.8メートル、その上の部分まで含めると最大10メートルの積雪があり、ほぼ昨年並みの状況。
雪の回廊と穂高の山並み =5月27日より春山バス大雪渓延長運行開始= |
雪の回廊に挟まれるように穂高の山並みがくっきりと浮かび上がります。現在、位ヶ原山荘どまりの乗鞍岳春山バスは、除雪完了後は大雪渓まで延長運行されるます。
なお、すでに当WebSiteのトップページ、及び、ツイッター(@norikura_org)にてお知らせしておりますが、5月26日(火)に試運転が実施され、5月27日(水)の始発便から大雪渓延長運行が開始されることが決まりました。
【大雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2014/05/24〜25) C ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2015/05/15〜16) C ↓ |
今週の大雪渓入口 昨年より2週間早い雪解け |
こちらは大雪渓入口付近の様子。左上が昨年、右上先週の様子で、下が今週の画像。先週よりも30センチ少なく、昨年より1メートル少ない状態で、昨年より2週間ほど早い雪解けです。雪解けスピードは先週と同じです。
大雪渓入口の看板が見え始める | ガードロープが見え始める |
左の画像では、大雪渓入口右側にある「高山植物などの採取は禁止...」の看板が出現し、右の画像では、ガードロープが出始めている様子がうかがえます。
昨年同時期の2週間後の大雪渓入口付近(看板・ガードロープ) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2014/05/31〜06/01) A |
こちらの2枚は昨年同時期の2週間後で、今週とほぼ同じ状態が確認できますので、昨年より2週間早い雪解けであることがわかります。
大雪渓駐車場付近 − 大雪渓から先の道路は進入禁止の措置が取られます |
道路の除雪は大雪渓までで、重機が留め置かれています。なお、大雪渓から先の除雪作業は今後も継続され、また、富士見沢付近を中心に落石が多いため、大雪渓より先の道路は進入禁止の措置が取られますので、立ち入らないようお願いいたします。例年であれば、6月中旬頃には県境まで除雪が進みます。
トイレ小屋(冬季閉鎖中)− 5月27日から利用可能 |
さて、トイレと避難小屋ですが現在冬季閉鎖中ですが、5月27日から春山バスの大雪渓延長運行に合わせて利用可能になります。
⇔ | ||
昨年同時期の2週間後のトイレ付近 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2014/06/07〜08) A |
今週のトイレ付近 |
車道の反対側は、雪面が道路よりも1メートル以上低くなっています。左の画像は昨年同時期の2週間後の様子、右の画像が今週のもので、昨年よりも2週間早い雪解けです。
モーグルコースの岩 −大雪渓で最も早く現れる岩 |
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
昨年のモーグルコースの岩 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) C ↓ |
先週のモーグルコースの岩 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) C ↓ |
今週のモーグルコースの岩 ここだけ昨年より雪解けが1週間遅い |
先週から姿を現しましたが、1週間で50センチほどの雪解けがあり、昨年より1週間ほど遅い雪解けです。他のエリアが軒並み1ヶ月近く早い雪解けを示す中、昨年よりも積雪量が多いのはこの箇所だけです。
例年、このモーグルコースの岩は厳冬期の3月(年によっては4月)に埋まりますが、昨年は一度も姿を消すことなく、今年は逆に例年より早く2月中に埋まってしまいました。そのため、昨年と今年では比較することに少し無理があるかもしれません。また、さらにさかのぼって出現時期をみると、2012・2011年は今年より1週間遅く、2010年は6月に入ってから岩の頭が見られ、2009年・2008年は今年より2週間ほど遅い雪解け状況を示し、他のエリアでは1ヶ月近く雪解けが早い状況の中、モーグルコースの岩周辺の積雪量は、例年との積雪量の違いが少ない傾向が見られます。
Next>> Page5 【5月24日(日)、観光センター前駐車場】 ■
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|