ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.4(2016/04/09) B
【かもしかゲレンデ】
かもしかゲレンデ(下部) |
それでは三本滝レストハウスを後にして、かもしかゲレンデを登ります。画像に写るかもしかゲレンデ下部は右側部分で雪解けが進んでいますが、登行・下山滑走には問題ありません。この先のゲレンデ上部は滑走エリアが制限される状態です。
県道乗鞍岳線(除雪箇所 切り通し) |
かもしかゲレンデには県道乗鞍岳線が横切っていて、ご覧のように除雪の切り通しができています。
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昨年の切り通し箇所(高さ2.7メートル) 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) A |
今回の切り通し箇所(高さ1.6メートル) |
雪の壁は1.6メートルほどで、昨年の2.7メートルよりも大幅に少ない状況ですが、例年は4メートル近くあり、垂直に切り立った壁にさえぎられて、上のゲレンデにのぼることができません。今年は劇的に少なく、昨年より1ヶ月ほど早い雪解けです。
「うわ〜、少ないなぁ...」 | 雪の壁が低く、登りやすい |
ゲレンデ登ってきた登山者の方、切り通しの雪の壁を見て「うわ〜、少ないなぁ...」 と、上のゲレンデへと登ります。先ほど申し上げたように、例年なら、高い壁に阻まれて、上にのぼることができません。また、今日は雪が固く、多くの登山者は休暇村をスタートする時点でアイゼンを装着されていました。
道路を歩いて上部ゲレンデへ |
例年は高い壁に阻まれて上にのぼることが困難なため、車道からヘアピンカーブを回った先にある上部ゲレンデと向かいます。
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昨年のヘアピンカーブ(35号カーブ) 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) A |
今回のヘアピンカーブ(35号カーブ) |
こちらがヘアピンカーブ(35号カーブ)。昨年との差は一目瞭然...
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昨年のかもしかゲレンデ上部付近(高さ2メートルほど) 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) A |
昨年のかもしかゲレンデ上部付近(高さ1メートルほど) |
ヘアピンカーブを回って、こちらは上部のゲレンデへの登り口です。積雪量が少なく、スキー板を垂直に立てることができていませんが、高さは1メートルほど、昨年の半分程度の積雪量しかありません。
かもしかゲレンデ(上部) ツアーコースまで積雪有り |
かもしかゲレンデ上部は下部よりも積雪量が少ないものの、現時点ではツアーコースまで積雪がつながっています。
かもしかゲレンデ最上部 |
かもしかゲレンデ最上部はクマザサが目立つようになってきました。
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今回のかもしかゲレンデ最上部 =かもしかゲレンデの下山滑走は あと1〜2週間程度= |
今回と同じ雪解け状況の昨年の様子(昨年4月29日) 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.7(2015/04/28〜29) E |
左は今回のかもしかゲレンデ最上部の画像で、右は今回とほぼ同じ雪解け状況時の昨年の画像で撮影日は4月29日です。つまり、昨年よりも20日程度早い雪解け状況で、かもしかゲレンデは全体的に3週間〜1ヶ月早い雪解けとなっています。
この状況から、かもしかゲレンデの下山滑走は、1〜2週間程度がタイムリミットと考えられます。
【ツアーコースT − 入口急斜面】
こちらがツアーコースがスタートします。ツアーコースは標高2000メートルの入口から、標高2500メートルの位ヶ原までの約2kmの樹林帯を切りとおして作られたバックカントリーコースです。ツアーコースの全容は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。
また、この先はスキー場の管理区域外になります。そのため、「自己責任」のもとでの行動が求められ、もし、万一、救助を求める場合は、山岳救助隊(警察110番)へ連絡することになります。また、多額な救助費用が必要な場合がありますので、山岳保険への加入をお勧めします。
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岐阜県に引き続き、長野県も登山届の提出を義務づける登山安全条例が昨年12月に可決しました(施行は今年7月)。三本滝レストハウス入口に登山届のポストがあるのをご存知でしょうか?近年はインターネットでの登山届ができるようになりましたので、事前に届けることも可能です。
なお、ポストには用紙が備え付けてありませんので、ご自身で事前に用意する必要があります。
切り株があちこちで頭を出す | バーンは固め =この時期は天候・時間で大きく変化= |
ご覧のとおり、切り株があちこちで頭を出してきました。現時点では滑走に影響を及ぼす状況ではありませんが、視界不良時は衝突転倒に注意が必要です。また、4月になれば、日が当たるとすぐに緩むことも珍しくありません。しかし、今日は時刻はすでに10時を回っているものの、バーン表面は固い状態が続いています。この時期はバーン状態が天候・時間によって大きく変化します。
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先週のツアーコース入口急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) B |
今回のツアーコース入口急斜面 ブッシュが大きく成長している |
こちらは入口急斜面の全景です。いつもは昨年画像も提示するところですが、昨年は濃霧で撮影不能でしたので今回は先週画像との比較のみです。手前にあるブッシュが先週と比べて急速に「成長」している様子がわかります。かなり雪解けが進んだかのように感じますが、ブッシュは雪の中で横たわっていますので、少しの雪解けで一気に出現します。
こちらはほぼ同じ雪解け状況時の昨年の画像で、撮影日は4月29日です。昨年は5月中旬で入口急斜面は滑走不能になりましたので、今年はあと2〜3週間ほどで滑走不能となる可能性が高い状況です。
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先週のツアーコース入口急斜面−切り株の頭(右下) ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) B |
今回のツアーコース入口急斜面−切り株の頭(右下) 先週より30センチの雪解け |
入口急斜面からこの先の1番標識付近まで比較的大きな切り株が点在しています。ただ、例年なら厳冬期には完全に埋まってしまい、切り株を見つけることがありませんが、今年は切り株が隠れることなく冬を終えてしまいました。先週と比べて30センチ程度の雪解けです。
日差しで表面が柔らかくなりシールのグリップがよい =これ以上緩むと滑りやすい、春の雪は難しい= |
時間帯の早い朝だと、おそらくシールで登ることがかなり困難なバーン状態ですが、それと比べると、表面は柔らかさがあって、シールのグリップが程よく効く状態です。これ以上緩んでグサグサになると、また滑りやすくなります。春の雪はなかなか難しいんです。
ツアーコースの下山滑走は例年5月中旬までですが、 今年はあと2〜3週間程度で滑走不能の可能性が高い (積雪情報は当WebSiteで随時発信) |
さて、ツアーコースの滑走可能時期は、例年5月中旬頃までですが、先ほど申し上げたように、現在の積雪状況から、あと2〜3週間程度で滑走不能となる可能性が高い状況です。
ツアーコースの中で、雪解けが最も早いのはこちらの画像の入口急斜面ですが、雪解けが進むと雪の下に横たわっていたブッシュが起き上がり、人の背丈以上の密林状態になってしまします。とても歩いて下山できる状態ではありません。そうかといって、ここから再び登り返すわけにも行きません。
そのため、当WebSiteでは、今後もツアーコースやその下部のかもしかゲレンデの積雪状況をお伝えしますので、入山時にご覧くだされば参考になるかと思います。なお、ツアーコースでの下山滑走ができなくなった後は、位ヶ原山荘より乗鞍岳春山バス下り便に乗車して下山してください。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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