ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.4(2016/04/09) C
【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】
入口急斜面を登りきると、その後は、比較的なだらかなルートが続きます。
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先週の1番標識手前の切り株 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C |
今回の1番標識手前の切り株 先週より30センチ程度雪解け |
先週もお伝えした1番標識手前にある切り株。先週より30センチ程度雪解けしています。
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一昨年の1番標識手前の切り株(4月下旬) 2014ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C |
昨年の1番標識手前の切り株(4月下旬) 2015ノリクラ雪渓カレンダー |
こちらは一昨年・昨年における同じ切り株で、厳冬期には一旦埋まり、雪解けとともに顔を出した時の模様です。どちらも4月下旬になって姿をあらわしました。今年は一度も姿が隠れることなく、今後は減少の一途をたどるものと考えられます。現在の積雪量は例年の4月下旬よりも少ないことがわかり、1ヶ月程度早い雪解けです。
ほかの切り株も数多く |
その周辺ではほかの切り株も数多く姿を現すようになってきました。おそらく、次週末には滑走部分がやや制限されるのではと推測します。
1番標識付近 − 高天ヶ原(左) 剣ヶ峰(右) | 他の場所は雪がなくてもう滑られませんよ |
さらに進んで1番標識付近から望む高天ヶ原(左)と剣ヶ峰(右)。お勧めのビューポイントです。他のバックカントリーエリアでは雪不足のため、アプローチ部分でクマザサが出てきて、滑走できるエリアにたどり着く前に登行不能になっているようです。それを回避するために、高い山でのバックカントリーが選択され、ノリクラが候補に挙がることが多いようです。
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昨年の1番標識付近 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B |
今回の1番標識付近 昨年より65センチ少なく、 2週間早い雪解け |
昨年はこの週に積雪量が急速に減少してしまいました。そのため、これまでは昨年との積雪量の差が1メートル以上あったものの、今週は65センチまで縮小し、昨年より2週間早い雪解け状況です。
今日も6時30分スタート | 「ちょっと早すぎた!もう少したてばバーンが緩んできたのに」 =バーン状況を読むのは難しい= |
お昼前の時間帯ですから、まだ下山滑走されるスキーヤーはほとんどいません。そんな中、お越しになったは、今日も6時30分から休暇村を登り始めた常連スキーヤーの方。「すべり台から降りてきたんですが、今ならちょうどバーンが緩み始めてオススメですよ。自分が登り始めた時はバーンが堅く、もう少し緩むのを待ってから滑り始めれば良かったがちょっと後悔...」 なかなか、バーン状況を読みながら時間を計算するのは、常連といえども難しいようです。
昨年の3番標識 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B ↓ |
先週の3番標識 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C ↓ |
今回の3番標識 先週より25センチ減少 昨年より15センチ少ない |
こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より25センチ減少して、昨年より15センチ少なく、1週間早い雪解けです。今年はここ数年の中では最も積雪量が少ない状況となっています。
今日も位ヶ原山荘で一泊です |
数年前、位ヶ原山荘でお会いしたガイドさん。今日も位ヶ原山荘で一泊のご予定。今日は山荘に到着するだけの予定ですからゆっくりと登ります。
足の遅い人がいれば、それに合わせて途中で休憩...集団行動の場合は一緒になって動くのが当たり前で、遅い人を焦らせないように気配りすることが大事で、体調不良・怪我の原因になります。
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昨年の高天ヶ原 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2015/04/04) B ↓ |
先週の高天ヶ原 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C ↓ |
今週の高天ヶ原 山麓では昨年より少ないが、山頂方面は昨年より多い |
ツアーコースから望む高天ヶ原。ゲレンデやツアーコースでは昨年よりも積雪量が少ない状況ですが、山頂方面は昨年よりも明らかに雪付きが良い状況がみられます。森林限界より上部では、ゴールデンウィーク位まで積雪量が増加します。
昨年の5番標識 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B ↓ |
先週の5番標識 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C ↓ |
今回の3番標識 先週より25センチ減少 昨年より90センチ少ない |
こちらはツアーコース上部付近の5番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より25センチ減少して、昨年より90センチ少なく、1ヶ月早い雪解けです。先ほどの3番標識と同様に、ここ数年で最も少ない状況が続いています。
ツアーコース隣で雪を掘る |
ツアーコース脇の林の中で、雪を掘っている方がいらっしゃいます。
林の中でテント設営 =森林限界より上は天候急変で設営に不向き= |
一番重たかった荷物は「今晩のアルコール燃料!」 |
今日はここでテント泊とのこと。「位ヶ原とか肩の小屋など森林限界より上だと風が強いし、一夜明けて濃霧でホワイトアウトだと、帰るに帰られない状況になってしまうので、ツアーコースの林の中を選びました。」とのこと...「今回は一人なので、荷物を分担することができず大変でした。でも、一番重たかったのは『今晩のアルコール燃料!』でしたけどね...(笑)」 一夜明れば、下山時にはザックがかなり軽くなることと推測いたします。
話がそれますが、この方とは別の方で、同じ日に位ヶ原でテント設営のために、同じように地ならしされている所に出くわしました。夕方近くになって風が強くなり、雪のブロックを積み上げられていましたが、天候悪化時で撤退したくてもホワイトアウトになると困難になるため、場所の変更をお勧めしました。
さらに進むと、ご覧のような谷があります。
昨年の6番標識手前の谷 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B ↓ |
先週6番標識手前の谷 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C ↓ |
今週の6番標識手前の谷 例年の1〜2月の積雪量しかない − 下山滑走転倒注意 |
5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左上の昨年同時期の画像ではほとんどウェーブがなくなっています。例年、2月以降になるとウェーブが埋まり始め、どの年も左上の昨年画像程度まで埋まりますが、今年は例年の1月〜2月ごろの積雪量しかありません。今後、まとまった降雪がない限り、例年並みに埋まることはまずないと思いますので、下山滑走では転倒に十分注意してください。
今年もこの付近の下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が発生しております。特に曇ったときなど影のできにくい状況では、地形の状況が不明瞭になり、ウェーブの存在に気づかず、減速しないまま突っ込んでしまう場合があります。
そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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