ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.4(2016/04/09) @
Mt乗鞍スキー場の営業が先週で終了したことから、今回は休暇村ゲレンデから全山登行しなければなりません。この状況は毎年シーズン初めの12月前半も同じ状況ですが、今年のシーズン初めは極端な雪不足で、Mt乗鞍スキー場のリフト営業がかなり遅れました。オープンは12月10日(木)に何とかできたものの、休暇村リフトの稼働は12月27日、かもしかリフトの稼働は年をまたいで1月16日までずれ込み、年内はほぼ休暇村ゲレンデから全山登行が強いられました。かもしかリフトが利用でき、リフトでツアーコース入口まで来られるようになったときは、「いささか歩き足りない」という感覚を覚えたものです。
バックカントリーでは、滑走時間よりも歩く時間のほうが圧倒的に長く、如何に登行時間を楽しく過ごすことができるかがカギとも言えます。登りつめるにつれて、樹林帯の中から垣間見る山頂方面の様子や、別世界ともいえる森林限界の景色まで、刻々と移り変わるノリクラのバックカントリーは、やはり「歩いてナンボ」の世界かと思うのです。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月9日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。ご覧のように雲一つない快晴の朝を迎えますが、冴えわたる青空ではなく、淡く春らしいパステルトーンの空が広がっています。
⇔ | ||
昨年の観光センター前駐車場 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) @ |
今回の観光センター前駐車場 積雪量の違いは一目瞭然 |
昨年は山麓エリアの積雪が多く、山頂方面はこの時期に急激に雪解けが進みました。それと引き換え、今年は近年まれにみる雪不足で、特に山麓の乗鞍高原ではその傾向が顕著です。
⇔ | ||
昨年の観光センター前駐車場脇 −
先週まで積雪 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) @ |
今回の観光センター前駐車場脇 積雪がなくなってすでに数週間 |
こちらの駐車場脇の部分は今年は数週間前から完全に積雪がなくなっていたものの、昨年はこの週になってようやく雪解けが進んだ状態でした。
⇔ | ||
昨年の観光センター前駐車場脇 −
ふきのとうが芽吹く 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) @ |
今回の観光センター前駐車場脇 雪解けに差があって、ふきのとうの芽吹きは同じ |
しかし、そこに自生するふきのとうは、どちらも同じこの週(4月第2週)に芽吹きました。高山植物などは雪解けとともに芽吹きが始まりますが、それとは関係なく、まるで目覚まし時計を通りに芽吹くところが興味深いところです。
全国各地で桜の満開宣言が発表され、松本市内でも松本城をはじめ、市内各地の桜の名所も満開を迎えています。しかし、標高1400メートル付近の乗鞍高原は、木々の芽吹きはまだ見られません。こちらの自然保護センターの桜は例年5月上旬に開花・満開です。
ヤドリギ |
そんな丸裸の木々に目立つのは枝にボンボリのようにぶら下がるヤドリギ。宿木の幹にしっかりとくいこんで、水分・ミネラルを吸収する一方、自ら光合成をおこなう半寄生植物です。
赤い実(アカミヤドリギ) |
しかもヤドリギは常緑木で、よく見ると赤い実がなっていることがわかります。赤い実ができるのはアカミヤドリギと呼ばれる種類で、冬季に花・実ができます。他の植物の実ができない時期に結実することで、鳥に優位に捕食されるメリットがあるという説があります。
ヤドリギが目立たなくなるほど、若葉に覆われるのはまだ先のこと...春は確実に近づいていますが、もう少し時間がかかりそうです。
【今日は休暇村からスタート(全山徒歩)】
休暇村 | Mt乗鞍スキー場 − 先週で営業終了 |
こちらは観光センターから約2km先の休暇村。Mt乗鞍スキー場が先週で営業終了となり、リフトを利用してツアーコースに向かうことができなくなったため、今週は休暇村から歩いて登ることになります。
休暇村ゲート − 4月15日(金)午前11時冬季閉鎖解除(休暇村〜三本滝間) |
休暇村のすぐ先に、県道乗鞍岳線の休暇村ゲートがあります。冬季の通行は休暇村までですが、4月15日(金)午前11時には、休暇村〜三本滝間の冬季閉鎖が解除されます。したがって、次週末には三本滝までマイカーで向かうことができるようになり、登行のスタートはかもしかゲレンデからとなります。そのため、今回だけが最も長い登行を強いられることとなります。
【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】
スキー場〜三本滝ゲート (標高1600〜1800m) |
三本滝ゲート〜ツアーコース入口 (標高1800〜2000m) |
ツアーコース入口〜位ヶ原 (標高2000〜2500m) |
位ヶ原方面〜大雪渓 (標高2500〜2600m) |
|
4月3日(日)まで | リフト乗車 | リフト乗車 | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
4月4日(月)〜15日(金)11時 | 徒歩(休暇村G、スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
4月15日(金)11時〜22日(金) | マイカー(県道乗鞍岳線) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
4月23日(土 )予定〜5月下旬 | マイカー(県道乗鞍岳線) | 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) | 徒歩(スノーシュー等) | |
5月下旬〜6月30日(木) | マイカー(県道乗鞍岳線) | 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月19日(日)は天空マラソンのため運休 | ||
【岐阜県】5月15日(土)〜 | 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m) |
こちらの表はトップページの速報でも提示していますが、Mt乗鞍スキー場の営業終了後のツアーコース方面へのアクセス方法を示したもの。次週末は三本滝までマイカーで向かうことができ、さらにその1週間後には乗鞍岳春山バスの運行が開始されます。
乗鞍岳春山バスは、県道乗鞍岳線の除雪が位ヶ原山荘まで完了しない限りは運行できませんので、運行開始が遅れる年も過去にはありました。しかし、今年は例年のペースよりも早く除雪が進行していますので、予定通りの運行開始を期待したいところです。ただ、運行開始直後は、夜間凍結の可能性があり、始発便は運休となることも多々ありますので、三本滝から歩いて登ることも視野に入れてお越しいただく必要があります。
反対側の駐車場(正面は宿泊者用) |
こちらは道を挟んだ反対側の駐車場。正面の駐車場は休暇村宿泊者用になっていますので、こちらの駐車場に止めるようお願いいたします。
「今日、来る人はほんとに物好きだよねぇ〜(笑)」 | 最初から担いじゃいます |
「今日、来る人はほんとに物好きだよねぇ〜(笑)」と、おっしゃる左の方。先週まではリフトが利用でき、来週からは三本滝までマイカーで入ることができるため、わざわざ、今週を狙ってこなくてもよいという事のようです。例年だと、リフト営業が終わって三本滝まで開通するまでの全山登行となる間は入山者が少なくなりますが、すでに7時時点で駐車場には20名以上の方が準備を始めていて、いつもと変わらないにぎやかな状況です。
休暇村ゲレンデの状況は、後ほどお伝えしますが、かなり雪解けが進んでいます。常連の方はシールでの登行からツボ足に変更。途中でスキー板を着脱して歩く手間を考えたら、このほうが良いかもしれませんね。
例年は駐車場近くまで積雪があります | 雪は少ないのに人は多い... |
例年であれば、駐車場のすぐ近くまで積雪がありますが、ご覧のように少し歩いた先になります。毎年、この時期にお越しになるこちらの方々、この状況をご覧になって唖然とされています。さらには「今日は雪は少ないのに人は多い...いつもなら静かなノリクラが楽しめるはずなのに、これだと普段と変わらない状況で驚きました。」
全山登行が強いられる中でも50名ほどが入山 |
雪が少ないにも関わらずお越しの方が多いのは、他の地域はさらに積雪が少なく、雪のあるところに人が集中する現象から、ノリクラにも例年以上の人出となった模様で、今日は50名ほどの方がツアーコースに入山されました。(例年だと多くて30名ほどだと思われます。)
地元のアウトドアツアー会社のガイドツアー |
こちらは冬季の観光センターに事務所を構えるアウトドアツアーを企画する会社の一行。
今日ばかりは熱く語らないで − 雪が融けちゃう!(笑) |
こちらは説明するまでもなくこの会社を代表する名物ガイド...
お客様を盛り上げようと、いつものようにハイテンションで熱弁します。でも、今日ばかりはあまり熱く語らないようにお願いしたい!!これ以上雪が融けては困りますので...(笑)
■ 次のページは >> Page2 【休暇村ゲレンデを出発】 ■
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|