ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2010/07/10〜11) E

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(Update:2010/07/15)

 

【畳平のお花畑】

こちらは畳平のお花畑。これからの時期は高山植物の開花のピークが始まり、多くの方が訪れます。

 

お花畑に下りる階段 − まだ積雪が...

畳平バスターミナルからお花畑に降りる階段には、ご覧のように一部積雪があります。例年、お花畑は遊歩道奥の西側から雪解けが始まり、東側へと徐々に広がってきて、入口付近が最も最後となります。

ただ、今年は、ほぼ、全面に渡って一気に雪解けが進み、ご覧のように入口付近に一部だけ残っている状態です。

 

入口付近 すでにハクサンイチゲが見頃に

こちらは階段を下りてお花畑入口付近。例年、まだつぼみしか見せないハクサンイチゲが見頃を見せています。

 

ハクサンイチゲの傍らには開花直前のミヤマキンバイ

そのハクサンイチゲの傍らにミヤマキンバイ。例年ならミヤマキンバイもまだ花をつけていませんが、開花直前のものが多く見られます。

 

ショウジョウバカマもう同時に − 例年ならハクサンイチゲよりも先に咲く

そして、こちらはショウジョウバカマ。ハクサンイチゲよりも先に開花するのが例年のパターンですが、今年はハクサンイチゲと同時期に咲いています。

 

遊歩道分岐点

遊歩道をさらに進んで周回コースを右に回り、お花畑を奥のほうへ(西の方へ)向かいます。

 

お花畑はハクサンイチゲ一色

お花畑はほぼ全エリアに渡ってハクサンイチゲが見頃を迎えています。

 

見頃を迎えてもまだつぼみもある

ただ、その中にもまだつぼみのものもあって、まだこれからも花期を楽しむことができそうです。

 

お花畑中間付近 − ミヤマキンバイは満開に

入口付近ではつぼみ状態のものが多かったミヤマキンバイもお花畑中間エリアではほぼ満開となっています。

 

ミヤマクロスゲ

ハクサンイチゲの分布していない箇所には、何もめぼしいものがないように見えます。ただ、よく見ると、ミヤマクロスゲの花が黒い穂先に見ることができます。地味ではありますが、これも高山植物の一種なのです。

 

お花畑西端付近 − ミヤマクロユリはまだつぼみ

そして、こちらはお花畑の一番奥の西端箇所。ハクサンイチゲも咲いていますが、この付近はミヤマクロユリが多く見られるエリアです。ミヤマクロユリは多くの観光客に人気の高山植物で、花期がピークを迎える7月中下旬には多くの花を見つけることができますが、現段階ではまだつぼみ状態で、小さなミヤマクロユリのつぼみを他の高山植物の葉が茂る中から見つけることはあまり容易ではないようです。

 

コイワカガミ

そして、所々にピンクに咲く花はコイワカガミ。畳平のお花畑では、高山植物のパンフレットを片手に散策する観光客の方の姿を拝見しますが、コマクサと間違えていらっしゃる方も多いようです。

 

−イワカガミの名称ー
「屈んで咲く」からではありません
ときに上向きのものもあります

イワカガミは花が下向きに「屈んで咲く」からではなく、岩礫地に鏡のように光る光沢のある葉を持つことから「岩鏡」と命名されています。それを主張するかのように上向きに咲くイワカガミも中にはあります。

 

例年なら、西側から順番に見頃を迎えるお花畑ですが、今年は6中下旬に全面に渡って一気に雪解けが進んだことから、全面に渡ってハクサンイチゲが見頃を迎えております。

そのため、他の高山植物でも例年より早めに開花のピークを迎えることも予測されますので、お早めにお越しになったほうが良いかもしれません。

 

【昨年の今ごろは?】

2009ノリクラ雪渓カレンダーVol.7(2009/07/11)

この週は12日(日)に、岐阜県側の乗鞍スカイラインをステージに、第6回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催された都合から、11日(土)だけの様子をお届けしました。

週末までの数日間はひどく雨が降り続き、その雨の影響からかなり雪解けスピードが速くなり、昨年よりも一週間程度早い雪解けを見せるところもあるほど。ただ、天候のほうは梅雨とは思えない綺麗な青空が広がり、午後には鰯雲が斜光に照らされ、天候に全く心配のない状況でした。

また、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催された12日(日)は、早朝から時折雨がぱらつきますが、問題なく大会は実施されました。ただ、大会が終盤に近づくにつれて雨と風がひどくなり、レースが終わって選手が下山する頃には激しい暴風雨となって、自転車では下山できない状況にまでなってしまいました。

 

<編集後記>

大雪渓エリアは昨年と比べてやや多めの積雪量を推移していますが、畳平のお花畑は昨年よりも雪解けが早く、例年なら西側から東側へと順番に見頃エリアが移動して行くものの、今年は全面に渡って見頃を迎えています。そして、7月11日(日)の乗鞍高原や大雪渓は午前中は小雨が降る状態にとどまったものの、ほうのき平駐車場付近はかなりまとまった雨が降りました。また、午後は終始雨に見舞われるようになりましたが、畳平よりも桔梗ヶ原や土俵ヶ原のほうが風雨が強い状況が見られました。

このように山を挟んで岐阜県側と長野県側では大きく天候が異なることがあって、日本海側の気候と太平洋側の気候が交差するノリクラでは、天候の読みが非常に難しいエリアでもあるようです。

2006年には大雨により乗鞍上高地地方の主要道路が浸水し、乗鞍高原周辺は一時、陸の孤島と化してしまった事態が発生しております。
(参考 → お知らせ − 国道158号線など乗鞍上高地地方の主要道路の通行止めについて。 ■三本松トンネル付近災害で乗鞍高原・白骨・沢渡・奈川・稲核への交通手段がありません■(2006/07/19)

これから梅雨の末期を迎え、天候には十分注意が必要となります。

 

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