ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.5(2013/06/08〜09) E

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(Update:2013/06/13)

  

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年の蚕玉岳山頂付近
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2012/06/09〜10) D
先週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2013/06/01〜02) E
今週の蚕玉岳山頂付近
昨年より1〜2週間早い雪解け

先週と比べると高さで1メートルほど雪解けして山頂周辺の登山道も確認できるようになってきました。昨年と比べて1〜2週間早い雪解けで、例年と比べても1〜2週間早い雪解けです。

 

画像左の砂地が大きくなってきた 横幅90メートル −まだまだ十分な広さ

左の画像の左端に映る蚕玉岳直下からの尾根部分の砂地部分が滑走エリアに張り出してきました。それでも横幅は90メートルとまだ十分な広さがあります。

 

降雪5センチ − かなり柔らかい

昨日(6月7日)の降雪が5センチ程度あって、かなりやわらかい状態です。足を踏み入れると表面がサーッと流れ落ちてしまうほどです。

 

昨年の位ヶ原
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2012/06/09〜10) D
今週の位ヶ原
車道より山麓は1週間早く、山頂側は2週間早い雪解け
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2012/06/09〜10) D
今週の剣ヶ峰直下の岩
昨年よりも2週間ほど早い雪解け
=今週は雪解けスピードが遅くなっている=

上段は稜線から滑り降りたところから見る位ヶ原。車道より山頂側(画像下半分)は昨年より2週間早い雪解けで、山麓寄り部分(画像上半分)は昨年より1週間早い状況。例年と比べても、山頂側(画像下半分)は例年より1週間程度早く、山麓側(画像上半分)は例年とほぼ同じ状況です。

下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、昨年より2週間早く、例年よりも3週間程度は早い雪解けです。

他のエリアと同様に、今週は雪解けスピードが遅くなっています。

 

このままストレートに位ヶ原方面へ

このままストレートに位ヶ原目指して滑り降りて行けば、県道乗鞍岳線と交差する地点まで滑走することが可能です。

 

3分の1地点分断箇所(斜面から緩斜面へ) − 岩の頭が出始める、横幅35メートル

稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近は左右から岩場やハイマツ帯が延びて来て滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります。

今年は今週から岩の頭が出始めました。昨年より2週間早く、例年より1〜2週間早い状況です。バーンの横幅は35メートルあって、まだ滑走には問題ありません。

 

稜線方面 大雪渓方面へは滑り込みできなくなりました

この岩場付近からルートを左方向に変えると大雪渓方面へとなりますが、右の画像のようにハイマツ帯が大きくなってきて、大雪渓へ滑り込むことはできなくなりました。

 

バーン状態は良好

今回は降雪に見舞われたこともあり、バーン状態は先週よりも良好な状態となっています。ただ、今後、降雨が多くなると、縦溝や再氷結による氷柱・スプーンカットが見られるようになってくるはずです。

 

全景−全体的に昨年より1〜2週間早い雪解け

稜線からの滑走エリア周辺は、全体的には昨年よりも1〜2週間ほど早い雪解けです。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。左方面が大雪渓駐車場で、右方面は最も雪の壁の高い4号カーブです。

 

切り通しは2.4メートル − 先週より微減、ほぼ例年並み

切り通しの高さは2.4メートルで先週から微減です(先週は2.5メートル)。今週は雪解けが遅かったため、先週は昨年3週間早い状況で過去5年間で最低の積雪量したが、今週は昨年より2週間早い状況にとどまり、ほぼ例年並みの積雪量となっています(昨年は3.4メートル)。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2012/06/09〜10)

6月8日(金)に東海地方で梅雨入りが宣言され、翌日の6月9日(土)には関東甲信地方でも梅雨入りとなり、岐阜県・長野県ともに梅雨入りしたノリクラは、雨模様の週末となりました。

取材一日目の6月9日(土)は、昨晩から降り始めた雨の朝を迎えます。ただ、降り方としてはそれほどでもなく、レインウェアを着なくても何とかしのげる程度で、ほおのき平駐車場からは、時折、猫岳も見られる状況でした。終日雨の予報が出ていることから、今日の乗鞍スカイラインシャトルバスは雨天時用のBダイヤ。土日祝日のAダイヤの場合、ほぼ30分間隔で運行されるものの、Bダイヤは2時間間隔の運行となり、シャトルバス始発便に乗り遅れそうになった方が、あわててシャトルバスに駆け込む様子もありました。また、長野県側の乗鞍岳春山バスでは、通常通り運行されたものの、大雪渓に向かう乗客がいなかったことから、始発便は位ヶ原山荘で折り返し、大雪渓・肩の小屋口バス停には、誰一人としてやってこない寂しい状況でした。そして、雨は降ったり止んだりを繰り返し、そのたびに霧が抜ける時間帯もありますが、山頂までくっきりと抜けることはなく、肩の小屋から上部では絶えず西からの横殴りの雨が続きました。また、こんな天気を喜ぶように、いたるところで雷鳥の姿を確認することができました。これほど多くの雷鳥をみると、一体、いつもはどこに隠れているのかと思うほどで、今日の大雪渓は、確実に人間よりも雷鳥のほうが数が多い状態でした。

取材二日目の6月10日(日)は、昨日からの雨が早朝5時くらいまで続きましたが、6時ごろには収まり、雲間から青空がのぞく朝を迎えます。乗鞍スカイラインは濃霧以外に通行に支障となるものはなく、通常どおり7時に開門され、シャトルバスもAダイヤで運行が始まります。ただ、天候の回復はなく、乗鞍岳春山バス始発便が大雪渓・肩の小屋口バス停に到着した9時ごろは濃霧と霧雨の天候。また、昨日とは打って変わって、今日の春山バス始発便は5台も運行され、多くの方が濃霧の中を稜線目指して出発します。そして、濃霧と霧雨でレインウェアはびしょぬれ状態。そのため、登り始めると暑さを覚ええるものの、レインウェアを脱ぐわけには行きません。天候が回復傾向を見せたのはお昼頃、そして、しっかりとした青空が見えてきたのは13時過ぎと、今日はもう少し早く天候が回復してくれたらと感じた一日でした。

 

<編集後記>

「いいね!の循環...」

岐阜県側の滑走指定地の鶴ヶ池雪渓では、この時期、モーグルのコブを作って楽しむスキーヤー・ボーダーの方々が集まっています。今年もすでにコブのラインが2本も作成されています。

今年は巡回するルートの都合上、鶴ヶ池雪渓に訪れることができず、その様子をお伝えすることができない状況です。そんな中、「鶴ヶ池雪渓にも取材に来て欲しい..」と、おっしゃるスキーヤーがいらっしゃいました。そのお話は直接こちらへされたわけではなく、親しく話のできる畳平のパトロールにその要望をお話されました。

ちょっとした人のつながりは普段の生活の中ではごく当たり前で、今回の事柄は取るに足らない出来事ですが、「一般客 対 現地関係者」 という立場では、他愛のない会話ができるまでの関係を作ることはなかなか難しいものです。

一般に「お客様目線で...」と、よく言いますが、関係者になると、実際に利用する立場に立つことが事実上できませんから、如何に一般観光客に近づけるかが必要なところなのです。

訪れる観光客の方に「いいね!」と思ってもらえることはもちろんですが、関係者にも「いいね!」と思ってもらえることが必要で、さらには双方で「いいね!」の循環ができるように心がけることが、重要かなと常々感じている次第です。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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