ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.5(2013/06/08〜09) @

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(Update:2013/06/13)

 

今回の取材一日目の6月8日は、東海地方・関東甲信地方の梅雨入り平年日。ところが各地では夏日・真夏日が毎日続き、梅雨の中休みを越えて、空梅雨の連日となっています。

取材一日目の6月8日(土)は、その前日からの状況をお伝えしなければなりません。前日の6月7日(金)は、午後から各地で不安定な天候を見せ、局地的な雷雨に見舞われた地域もありました。ノリクラでも午後から雹(ひょう)が降って雷鳴がとどろき、位ヶ原山荘付近では路面が白くなるほどの状況となりました。
翌朝はきれいな青空が広がり、富士見岳の山肌がうっすらと雪化粧が施される様子もあり、路面凍結で運行が心配された乗鞍岳春山バスも始発便から運行されました。しかし、位ヶ原から大雪渓にかけては路肩に降雪が残る状況。岐阜県側の乗鞍スカイラインは凍結通行止めが11時30分まで続きました。
天候は午後から霧が立ちこめ、暑かったり寒かったりとめまぐるしく変化したものの、それ以上の天候の変化はなく、一日を通してみると、まずまずの天候だったように思います。

取材二日目の6月9日(日)も、きれいな青空の朝から始まります。昨日は積雪凍結通行止めだった乗鞍スカイラインも問題なく予定通り7時から開門され、ほおのき平から畳平へ向かうシャトルバスも始発便から通常運行されました。一日を通した天候は少し淡い青空で穏やかな弱い風が続き、暑くもなく寒くもない気候が続き、梅雨の様相などまったく感じさせない一日でした。

大雪渓・稜線付近の積雪量は、全体的に昨年・例年より少なく、1〜2週間程度雪解けが早い状態です。また、比較的気温が低めの日が多かったことや降雪に見舞われたこともあって、先週と比べて、雪解けはやや少なめだったと思います。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月8日(土)、観光センター前駐車場】       【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】
Page-2 : 【大雪渓に到着】       【大雪渓下部】
Page-3 : 【6月9日(日)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイライン】
Page-4 : 【畳平に到着、畳平周辺】       【肩の小屋へ】       【肩の小屋】
Page-5 : 【稜線へ】       【稜線 - 朝日岳山頂・濃霧と雷鳥】
Page-6 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>「いいね!の循環...」

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面の稜線積雪状況−大雪渓方面から稜線への登行ルートについて(6月9日現在)】 (Page-5)

●参考資料●
(ツアーコース概要) − ノリクラガイドマップ(冬〜春スキー版)
(位ヶ原・大雪渓・山頂方面 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー 山頂版)
(乗鞍岳春山アクセス方法) − お知らせ − Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)   

 

【6月8日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは早朝6時の観光センター前駐車場。

 

気温は10℃、快晴の朝 昨日の降雪で山頂付近は一部白くなる

ご覧のように雲ひとつない快晴の朝を迎えます。気温は10℃、日差しの暖かさもあって寒さはほとんどありません。

富士見岳の山肌を見ると、岩肌が一部白くなっている様子がうかがえます。
昨日は午後から不安定な天候となり、各地で雷雨が発生しました。ノリクラでも山頂方面で雹が降り、春山バス最終便の時間帯には位ヶ原付近で数センチの積雪に見舞われる状況でした。そのため、今朝も一部で路面凍結がありましたが、春山バス始発便の運行には支障となるほどではなかったため、通常通りの運行が決まりました。しかし、岐阜県側は降雪がひどく、乗鞍スカイラインでは四ッ岳カーブ付近で積雪凍結があって、通行止めの措置が11時30分まで続きました。

 

大きな木に白い花

先週あたりから、大きな木に白い花をいっぱいつけている様子が見られます。

 

ズミ(別名:小梨) − 花はさくらんぼのように付く

ズミの花。バラ科リンゴ属の木で高さが10メートルにも及ぶ大木です。花のつき方を見ると、さくらんぼのように扇状に花茎が広がって花がついていますので、すぐにわかるかと思います。ズミは秋には黄色または赤い小さな実をつけますが、その実が酸っぱいことからズミ(酢実)と呼ばれています。また、樹皮を染料となるため「染み」が転じたともされています。
また、別名「小梨」とも呼ばれますので、こちらの名称のほうが親しみがあるかもしれませんね。

 

5月中旬で白い花といえば「スモモ」
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) E
6月上旬の白い花は「ズミ」

3週間ほど前の5月中旬ごろには、乗鞍高原一帯に咲く白い花といえばスモモでしたが、現在の乗鞍高原で白い花といえば、ズミと思ってもよいほどほどあちこちで咲いています。

 

レンゲツツジ − きれいに咲きました

さて、先週つぼみだったレンゲツツジ。ご覧のようにきれいに開花しました。

 

一の瀬園地

レンゲツツジといえば、観光センターから2kmほどのところにある一の瀬園地。

 

一の瀬レンゲツツジの群落地 − まだつぼみ

一の瀬にはレンゲツツジの群落地があります。しかし、こちらではまだつぼみの状態。見頃はもう少し先になりそうです。

 

たくさんのスキーヤー・ボーダーの方々集まる 乗鞍岳春山バス乗車券の販売

7時を過ぎて観光センター前駐車場にはたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々がお越しになっています。そして、乗鞍岳春山バスの乗車券を販売する係員の姿を見られます。

 

春山バスの乗車は道路反対側のバス停から

土日などで乗客が多いと見込まれる場合は、先ほどの通り、バス係員が駐車場内を巡回して乗車券販売を行っていますので、バス停に並ぶ前に購入されておいたほうがバス乗車がスムーズに行えるかと思います。

バス停は道路を挟んで観光センターの向かい側にありますので、乗車券購入後はそちらへ移動します。

 

今日の春山バス始発便は3台運行

乗鞍岳春山バスは1日4便が6月末まで毎日運行されます。ただし、6月23日(日)は乗鞍天空マラソンが開催されるため、終日運休となります(4便ともすべて運休)。なお、岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバスはこの日も通常運行されるため、大雪渓・山頂方面にお越しの方は、岐阜県側より入山されるようお願いいたします。

春山バスはこれまで位ヶ原山荘までの運行でしたが、、6月1日(土)より大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで延長運行されています。

 

【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】

三本滝レストハウス前駐車場 ここからでも春山バス乗車できます

観光センターを出発した春山バスは三本滝レストハウス前駐車場に到着します。ツアーコースでの下山滑走ができた5月下旬までは、こちらの駐車場を利用されるスキーヤー・ボーダーの方々が大半でした。しかし、下山も春山バスを利用しなければならなくなると、逆に観光センター前駐車場を利用される方々が多くなってきました。なお、観光センター前からの乗車でも、三本滝からの乗車でも往復料金は同一です。(取材時時点で大人往復2400円)

 

三本滝ゲート −この先冬季閉鎖、マイカー規制 三本滝レストハウス前駐車場全景

こちらが三本滝ゲート。三本滝レストハウス前駐車場から撮影したところです。ご覧のとおりゲートが閉鎖されていて、6月末までは冬季閉鎖です。また、7月以降はゲートが開けられますが、マイカー規制が行われます。そのため、ゲートには警備員による通行車両のチェックがなされ、バス・タクシーや自転車のみが通行可能です。

マイカーはゲート手前の三本滝レストハウス前駐車場に駐車(Uターン)することとなります。なお、春山バスは冬季閉鎖中でも特別に通行が許可されていて、通行時にバス係員がゲートの操作を行います。

 

フキノトウからフキへ

三本滝レストハウス上のかもしかゲレンデ。雪解け直後はたくさんのふきのとうが見られました。そんなかわいいふきのとうも、だんだん大きなふきに変わりつつあります。

2週間前のダケカンバ(29号カーブ上)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) @
今週のダケカンバ(29号カーブ上)
緑が芽生えてきました

春山バスが行く沿道沿いの積雪もかなり少なくなってきました。こちらは標高2000メートルの摩利支天の少し上にある29号カーブ先。2週間前までは、丸裸だったダケカンバに緑が芽生えている様子がはっきりとわかります。先ほどのふきのとうも同じですが、季節は刻々と移り変わっています。

県道乗鞍岳線カーブ番号は、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。

 

積雪が少なくなってきたとはいえども、まだまだ残雪が見られる箇所も残っています。

 

ようやくヤマザクラが開花 ショウジョウバカマも咲き始める

6月だというにここではようやくヤマザクラが開花し始めました。そして、雪解けの終わった箇所からはショウジョウバカマが見られます。ショウジョウバカマは高山植物の一種ですが、比較的標高の低い場所でも見られ、乗鞍高原内でも雪解け直後にいち早く咲く花です。

 

冷泉小屋 積雪が多くなる

標高2230メートルの冷泉小屋付近までやってくると、周辺は雪に包まれる様子が見られるようになってきます。

 

位ヶ原山荘 − 春山バスは6月から大雪渓まで延長運行

春山バスは先週(6月1日)より、位ヶ原山荘より3km先の大雪渓・肩の小屋口(大雪渓駐車場)まで延長運行されました。

 

屋根板−位ヶ原山荘までの下山滑走は6月中下旬まで 一面雪景色

位ヶ原山荘から先は、完全に雪景色となります。
なお、大雪渓方面から位ヶ原山荘までは屋根板を経由して滑り降りることができます。スキーヤー・ボーダーの中には、行きは大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで春山バスに乗り、帰りは大雪渓では乗車せず、屋根板を滑り降りて位ヶ原山荘で休憩後、位ヶ原山荘のバス停から春山バスに乗車して下山する様子もあります。

位ヶ原山荘に滑り降りる屋根板は、例年6月中旬〜下旬まで滑走可能です。

 

11号カーブ − ツアーコース最上部

左の画像は位ヶ原山荘から1.5km先まで進んだ11号カーブ付近。高天ヶ原と剣ヶ峰が並んで見られるポイントです。さて、11号カーブの下はツアーコースの最上部で、「ツアーコース位ヶ原急斜面」として、ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 で、雪の状況を毎回ご紹介した場所です。

 

ゴールデンウィーク前半の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版
Vol.6(2013/04/25〜29) F
今週の位ヶ原急斜面
まだ積雪が残る

左の画像はゴールデンウィーク前半の4月28日(日)の位ヶ原急斜面です。この時期になると本来なら春山バスが位ヶ原山荘まで運行されるため、ツアーコースを登ってくる必要はなくなりますが、今年は4月27日(土)にまとまった降雪があって、運行開始が5月1日(水)からとなってしまいました。そのため、厳冬期と同様に多くの方がツアーコースを登っています。また、この時期になると黄砂などで雪面はひどく汚れた状態になりますが、前日の降雪のため厳冬期並みの白さを取り戻しています。

右の画像は、今回のツアーコース位ヶ原急斜面です。今回も左の画像と同様に前日の降雪で、再び真っ白な雪面がよみがえっています。ご覧のようにまだしっかりと雪が残っていて、スキー場最上部のかもしかゲレンデまで下山滑走できそうな雰囲気ですが、ツアーコースにはもう雪はありませんので滑走はムリです。

 

ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版(別ウインドウ)

11号カーブや、後ほど登場する4号カーブ・大雪渓駐車場の位置など、県道乗鞍岳線カーブ番号は、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。なお、肩の小屋より稜線方面の状況については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 大雪渓・山頂版 をご覧下さい。

 

広大な風景が広がる 路肩には昨日の降雪

位ヶ原まで到達すると森林限界を超えるため、視界をさえぎる高い木々はほとんどなくなり、広大な風景が広がります。そして、路肩には昨日の降雪が残っていることに気付きます。吹き溜まり箇所では10センチ以上にも及んでいます。

 

春山バス、雪の回廊を行く

位ヶ原周辺はご覧のように高い雪の壁に閉ざされていて、春山バスは雪の回廊を縫うように登って来ます。

 

最も深い雪の壁は、現在高さ7.5m(大雪渓下、4号カーブ)

大雪渓直前の4号カーブが最も雪の壁が高い箇所で、取材時時点で7.5メートルもあります。先週は8メートルでしたので、1週間で50センチの雪解けです。そして、4号カーブを過ぎると大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで間もなくです。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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