ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.15(2013/08/14〜17) G

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(Update:2013/08/22)

 

【山頂登山】

夏山シーズンといえばやはり登山

夏山シーズンといえばやはり登山...このお盆休みの期間中も多くの方が山頂登山へと向かいました。

 

【肩の小屋→山頂登山道のルート地図】

肩の小屋→山頂登山道(ピンク色)

 山頂へのルートはこちらの地図をご覧ください。

 

日差しが強いため、長袖か日焼け対策を

取材に訪れたのは8月14日(水)。今回は肩の小屋からの登山道の様子をお伝えします。このときの気温は18℃、気温的には半袖でなくてもそれほど暑さを感じない状況です。日差しが強く、おそらく半袖の方はかなり日焼けしたのではないかと思います。もし、半袖姿で登山される場合は、顔面だけでなく、手足にも日焼け止めを塗布することをオススメします。また、帽子の着用や首筋への日焼け止め塗布もお忘れなく...

 

稜線直下は岩場が多い − 足元注意

しばらくすると、稜線が確認できるようになって来ました。この付近からは足元にはゴツゴツとした岩場が多くなってきて、九十九折れの登山道が続きます。

3000メートル級の高山ではありますが、ピッケルの必要性はほとんどないと思います。しかし、ストップは持参されたほうが絶対によいでしょう。歩きやすさが格段に違います。

 

道幅が狭い − すれ違いに注意

道幅も狭くなり、登りの方と下りの方が交互にすれ違う必要が出てくるほどです。

 

稜線 − 真後ろは朝日岳、右側には摩利支天岳 位ヶ原のハイマツ帯は見事

そして、朝日岳と蚕玉岳の稜線に到達。稜線の真後ろは朝日岳で、その右下の赤い建物は、宇宙線観測所です。そして、さらに右側の山が摩利支天岳(まりしてんだけ)で、そのの頂上にはコロナ観測所(廃止)があります。

眼下には位ヶ原のハイマツ帯が広がっています。よく見ると、ハイマツ帯の沢筋が緑が濃くなっていますね。これはウラジロナナカマド。秋の紅葉シーズンを迎えると、今度はハイマツ帯を赤く縁取るようになってきます。それはそれは見事です...

 

頂上小屋

そして、山頂直下の頂上小屋を通り過ぎると、山頂まであと少しです。

 

主峰 剣ヶ峰山頂 − 標高3026メートル 乗鞍 − それぞれの峰のつながりが馬の鞍に似ているから

こちらが山頂。乗鞍には23の峰があって、乗鞍岳という名称は23峰の総称です。一般的には23峰のうちの最も高い主峰である剣ヶ峰(標高3026メートル)のことを乗鞍岳と指すことがありますが、それぞれの峰の連なりが馬の鞍に似ていることから「乗鞍」と呼ばれる所以を考えると、主峰の剣ヶ峰だけを乗鞍岳と呼ぶのは正確ではないと思われます。

 

気温16℃ − 心地よい風が吹き抜ける

この日の山頂の気温は16℃。心地よい風が絶えず吹き抜けています。この日は終日にわたってよい天気が続き、夏山特有の天候の変化は全くありません。夏山の天候は朝一番は快晴でも、日が高くなると山麓から雲が湧き上がり、午後には雷雨となる一連の流れです。ですから、登山は朝一番に限るという点は一般的に知られています。

今回のお盆期間中は連日安定した天候に恵まれ、山頂付近は絶えず30〜50名ほどの方がお越しになっていました。

 

【ご来光バス】

最後にご来光バスの様子をお伝えします。

 

午前3時 − ご来光バスが入線 乗車券の販売

こちらは夜明け前の午前3時の観光センター前、シャトルバス乗り場です。すでにご来光バスが乗り場に入線していて、係員による乗車券の販売が行われています。料金や通行路線など、基本的には昼間のシャトルバスとほぼ同じと考えて下さい。

観光センター前の発車時刻は7月6日〜15日が3時30分、7月16日〜8月31日が3時40分、9月2日〜9月30日が4時10分です。日の出時刻にあわせて、発車時刻が若干変化しています。なお、9月1日は全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の開催日のため、ご来光バスの運行はありません。(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は、毎年9月第一日曜日に開催されます)

 

休暇村バス停 長袖でも厚手の物が必要

3時の乗鞍高原の気温は14℃。乗車の方々はすべて長袖です。しかし、薄手のものだとやや寒さを感じるでしょう。フリースなどの厚手のものを着た上で、ウインドブレーカーなどの防風機能のある長袖をアウターとして着用する必要があります。

また、ご覧のように観光センター前以外にも休暇村などの乗鞍高原内の各バス停からも乗車可能です。

 

三本滝ゲート バス係員が開閉 − ご来光バス以外の通行はできません

こちらは三本滝ゲート。開門時間は午前6時からですので、バス係員がゲートの開閉を行います。ご来光バス以外の通行はできません(観光バス・タクシー・自転車)

 

今日のご来光バスは4台が運行。三本滝ゲートを通過します。

 

周囲は完全に闇夜

夜明け前というよりも、まだ完全に夜中です。もちろん周囲に街頭などなく、ヘッドライトの明かりのみが頼りです。

 

大雪渓付近 − ようやく空が白み始める

位ヶ原山荘を過ぎて大雪渓付近までやってくると、少しずつ空が白み始めてきます。東の空には雲がたなびいている様子が見られます。

 

4時30分 − ご来光バス到着(県境ゲート付近)

そして、4時30分、ご来光バスが到着します。ご来光バスの終点は畳平ですが、県境ゲート付近に臨時停留所を設けて、乗客の方はここでバスを後にします。なお、岐阜県側の乗鞍スカイラインからのシャトルバスの場合、県道乗鞍岳線と合流するT字路付近に停車します。

なお、ご来光バスの臨時停留所は、時期やそのときの天候・運行状況によって、位置が変更されることがあります。

 

県境付近からもご来光を楽しめる オススメは大黒岳 (大黒岳登山道入口)

ご来光バスを降りてた県境付近からご来光を待つ方や、富士見岳を目指す方もいらっしゃいますが、ご来光のオススメスポットは大黒岳です。ご来光バスも大黒岳の登山口の目の前に停車し、多くの方が大黒岳を目指しますから、大黒岳登山道はすぐにわかるはずです。

 

大黒岳登山道 眼下に畳平の明かりが

空の明るさが少しずつ増してきて、畳平バスターミナルの明かりを遠くに見ながら登山道を歩きます。この日の日の出時刻は5時02分。日の出まで30分を切っています。そのため、足元をライトで照らす必要がありません。

 

大黒岳山頂には10分ほどで到着

登山道入口から大黒岳山頂まで約10分ほどで到着します。

 

多くの方が日の出の瞬間を待つ

大黒岳山頂付近には、すでにたくさんの方が到着して、日の出の瞬間を待っています。

 

穂高連峰 − 雲海の静かな流れ 八ヶ岳方面 − 日の出はもう少し左側

実は日の出ばかりではなく、雲海が静かに流れて行く様子も見逃してはなりません。高いところから低いところへと雲がゆっくりと流れる様子を見ると、まるで大河の流れを思わせるようなダイナミックさを感じるものです。

 

気温10℃、西からの強い風が寒さを倍増

少しずつ東の空が明るくなってきました。このときの気温は10℃。西からの強い風が寒さを倍増します。

 

あまりの寒さにさらに一枚着込む 冬物がないときは毛布やシュラフでもOK

あまりの寒さに上からさらにもう一枚着込みます。冬物を全く持ってこなかったという方は、車に積んであったシュラフを持参...夏物しか持ってこなかったという方は、毛布でも結構ですから、厚手の冬物を必ずお持ち下さい。

 

東の空には厚い雲が...

そろそろ、日の出時刻が近づいてきました。東の空には厚い雲に覆われていて、雲間が赤く染まっている程度...

 

そこへライチョウが ご来光をあきらめてライチョウの行く先を追う

そこへライチョウが登場し、ご来光をあきらめた方々はライチョウの行く先を追うほどです...

 

天気は良かったものの、ご来光は残念...

この連休中は本当によい天気が続きました。しかし、ご来光に関しては、なかなかよい日にめぐり合えず、バス乗務員の方の話では、この1週間の間で、本当によかった日は1〜2日程度しかなかったとのこと...

きれいな日の出を迎えたときの様子については、昨年の画像をご覧ください。(→ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19) G

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19)

お盆休み後半を迎えました。お盆をはさんだ前後の1週間のお休みを見ると、ノリクラ雪渓カレンダーVol.14(2012/08/11〜13) でお伝えしたように、お盆休み前半は生憎の天候が続きました。しかし、8月16日(木)以降のお盆休み後半は、直前の天気予報で雨マークが並んでいても、当日になると良い天候に恵まれることがあり、そんな天気予報に翻弄されて訪れることを躊躇した観光客の方も多かったのではないかと考えられます。そのため、良い天候の割には訪れる方は少なめであったように感じられます。

今回は8月16日(木)から8月19日(日)までの4日間の様子をお送りいたしますが、8月16日(木)〜18日(金)の取材内容をメインにお伝えいたします。

取材一日目の8月16日(木)は、きれいな青空の朝から始まります。昨日まで天候が芳しくなかったせいもあって、今日はたくさんの人が訪れ、観光センター前駐車場は8時30分には満車になるほど。山麓は良い天候だったものの、山頂付近は絶えず霧がかかり、早朝7時の段階では、標高2780メートルの肩の小屋周辺は霧に包まれた状態でした。剣ヶ峰山頂付近は西からの風が横殴り状態となり、霧雨に濡れてしまうほど。この天候も11時過ぎには雲がなくなり、山麓の絶景を雲間から一気に開けるようになると、訪れた方々が一様にカメラを取り出す様子がありました。午後になるときれいな青空に真っ白な夏雲が浮かぶようになり、そんな中をたくさんのヒルクライマーが訪れる様子が続きました。

取材二日目の8月17日(金)は、鰯雲の広がるきれいな青空の朝を迎えます。昨日よりもお越しになる来場者数が幾分少なく、若干さびしい感覚をも感じます。きれいな青空に力強い朝日が昇るようになると、夏山特有の天候の変化がスタートを切ります。そして、青空はものの1時間ほどで雲が沸きあがり、日差しがさえぎられるようになります。午前中の大雪渓付近は絶えず山麓から沸きあがる雲に包まれ、時折、視界が奪われる状態となります。午後になって、雷鳴が絶えず響くようになり、15時ごろにはややまとまった雨降りがあり、今日はひどい雷雨・夕立ではありませんでしたが、典型的な夏山の天候の変化を体験した一日でした。しかし、この時の乗鞍高原はひどい土砂降りで、山麓に垂れ込める雲の上にあった大雪渓付近ではそんな様子をうかがい知ることもできませんでした。

取材三日目の8月18日(土)も、きれいに広がる青空から朝一番を迎えます。ただ、昨日の段階では雨の予報が出ていたこともあって、観光センター前駐車場にお越しになっているマイカーは、昨日よりもさらに少ない状況です。力強い太陽ときれいな青空から始まった一日は、もう夏山特有の天候へとスタートが切られたと同然で、8時過ぎにはモクモクとした湧き上がり、お昼前には雷鳴が鳴り響きます。正午を過ぎると大雪渓には急激な雲の流れ込みと、16℃あった気温が9℃まで急激に低下する状況が見られました。ただ、この状況は大雪渓より上部だけで、山麓の乗鞍高原には日差しが降り注ぐ様子が雲間から確認できます。ただ、それ以上の天候の変化はなく、各地で局所的な大雨、落雷事故が発生している中、問題なく一日を送ることができました。

 

<編集後記>

「ヒルクライマーのダウンヒル、ちゃんとカーブミラーを確認できるスピードで走行しましょう!」

県道乗鞍岳線(エコーライン)のシャトルバスの先頭車両には、車掌がほぼ必ず乗務しています。その様子をよく観察していると、周囲の自転車やタクシーの通過状況を後続のシャトルバスに無線連絡しています。特にヘアピンカーブでは、カーブの先までチェックしています。岐阜県側の乗鞍スカイラインや上高地線など大半の路線バスがワンマン運行するなか、車掌が乗務する乗鞍岳線は、途中のバス停対応が必要であるである理由以外にも、安全確認のためにも重要と考えられます。

おそらく、多くのヒルクライマーが自動車の運転免許を取得されていると思います。そして、乗鞍高原にやってくるまでの道中は事故のないように安全運転に心がけてお越しのことと思います。それが乗り物が変わるというだけで、安全確認がおろそかになる状況に本当に多く遭遇します。

その一例として、ヘアピンカーブを猛スピードでダウンヒルするヒルクライマーが対向車両と鉢合わせして、あわてて、自分の車線に戻る様子が多すぎます。カーブミラーに写るヒルクライマーは本当に小さく、さらにスピードも速いので、見慣れていないと見落とすほどですが、ヒルクライマーから見る対向車両の大きなボディーは、カーブミラーでしっかりと発見できるはずです。しかし、それを見落として突進してくるわけですから、全くカーブミラーを確認せずにヘアピンカーブに突入しているとしか考えられません。どうして、自動車を運転するときはカーブミラーをちゃんと確認していても、自転車になると忘れてしまうのでしょうか?

自転車は進む方向を見ていないとバランスが取れない乗り物ですから、カーブミラーに注意を払いながらカーブを曲がることは難しいかもしれません。しかし、それができなければ、おそらく、街乗りでも相当危険を犯していると考えなければなりませんし、カーブミラーを確認できないということは、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。また、スピードが上がれば、風切り音が大きくなり、エンジン音などの周囲の音が聞こえづらくなって、安全運行上の障害となってきます。

県道乗鞍岳線と同様に、乗鞍スカイラインでもスピードの出しすぎや、制御不能による事故が多発しています。シャトルバスが遅いのは、このようなダウンヒルライダーの危険がいっぱいあるからです。それを追い越してまで、我が物顔にダウンヒルしてはいけません。

 

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