ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.19(2013/09/14〜15) @

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(Update:2013/09/19)

 

今年は9月に2回も三連休があり、今回は敬老の日を含めた最初の三連休です。
だた、ここ最近は週末になると天候が悪化するサイクルに陥っていて、今回も取材二日目は台風18号の接近による影響を受けてしまいました。

取材一日目の9月14日(土)は、薄雲のベールに包まれた青空の朝を迎えます。9月中旬ともなれば、朝晩は冷え込むはずですが、今日は全くその気配はなく、日中はさらに蒸し暑さが続きます。午前中は穏やかに晴れていたものの、次第に山麓から周期的に雲が流れ込むようになり、午後からは曇空。それでも視界が全く遮られる状態ではなく、台風18号による影響はほとんど感じられなかった一日でした。

取材二日目の9月15日(日)は、小雨の朝を迎えます。連休中日ではあるものの、台風18号の接近のため、普段の週末以下の人出しかありません。上空の雲はそれほど低くなく、次第に抜けてきて高天ヶ原の頂上付近まで確認できるようになって来ました。しかし、7時30分ごろからまとまった雨の降り方を見せるようになりますが、11時過ぎには雨は収まり、午後からは風が強くなるものの、雲間に青空がのぞく状況で、昨日と同様に、台風18号の影響をあまり感じられない一日でした。

そして、9月16日(月)は、台風18号は午前8時前に愛知県豊橋市付近に上陸し、午前中を中心に激しい雨に見舞われました。そして、台風一過となった17日はかなり冷え込んで、畳平では初氷・初霜が観測されました。

紅葉情報は 6ページ目 からお伝えします。例年、紅葉は9月中下旬頃から見頃が始まりますが、現時点では部分的な色付きはあっても、本格的に紅葉が始まった様子は見られません。紅葉の始まり具合としては、例年よりも若干遅れ気味です。ただ、台風18号通過以降、冷え込みが続くようですから、今後の色付きに期待したいところです。

大雪渓の積雪量は、先週と同様に昨年よりも多い状態が続いています。入口付近の雪渓下部は例年なら積雪がなくなるところですが、20〜30メートル四方の大きさがあって、昨年より3週間ほど遅い状態です。また、雪渓上部も全体的には昨年より3週間程度遅く、例年滑走不能となる雪渓上部右側も、滑走できるレベルの大きさが残っています。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【9月14日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】       【大雪渓に到着 −大雪渓前では色々な人々に】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U】       【雪渓中段】
Page-4 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部U、トレーニング風景】
Page-5 : 【雪渓下部 V、モーグルコース】       【大黒岳 新登山道(大黒岳〜桔梗ヶ原)】
Page-6 : 【紅葉情報−大雪渓付近(標高2600〜2700m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近(標高2500m付近)】
Page-7 : 【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】       【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記>「初氷を観測」


【大黒岳新登山道概要(大黒岳〜桔梗ヶ原)】     (Page-5)

●参考資料●
(位ヶ原・大雪渓・山頂方面 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー 山頂版)
(県道乗鞍岳線 概要) − ノリクラガイドマップ(県道乗鞍岳線カーブ番号版)

  

 

【9月14日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

早朝6時の観光センター前駐車場。

 

三連休初日 − いつもよりもマイカーが多い 晴、ノリクラがくっきりと − 台風18号の影響はまだない

今日から敬老の日を含めた三連休が始まります。そのため、早朝にもかかわらず、駐車場は半分程度が埋まっている状態で、いつもの週末よりもやや人出の多い様子が見られます。

天候は若干薄い雲がたなびく青空。ノリクラの峰々がくっきりと確認できる状態です。気温は16℃とこの時期としては若干高め。また、台風18号が接近しつつあって、空気が異様に蒸し暑く感じる状態です。

 

車外に置いたゴミ類 − 野生動物の誘引につながります

駐車場のマイカーでご覧のような光景をよく目にします。
車体の下などにごみを置くと、そのゴミにつられて野生動物が出没することがあります。特に問題なのはサルやクマ。特にクマの場合は、冬眠に備えてどんぐりなどの木の実を大量に捕食しますが、この時期はまだどんぐりが実る前で、全国的にクマの出没が問題となる時期もこの秋口に多く見られます。

そのため、ゴミとは言えども、絶対に車外に放置しないようお願いいたします。また、カラスは中身が何であろうとビニール袋(レジ袋)に反応しますので、中にゴミや食べ物が入っていなくても、くちばしで突いて中身を散乱させますので、ゴミや食料でなくてもレジ袋の放置は厳禁です。

 

シャトルバス乗車券販売所 山頂方面も穏やかな天候

こちらはシャトルバス乗車券販売所。ホワイトボードの表示を見ても、山頂付近(畳平)の天候は晴で気温6℃、風速5メートルですから、上部エリアもまだ台風18号の影響はなさそうです。

 

観光センター周辺の木々も部分的な色付き

観光センター周辺の木々を見みると、ご覧のように部分的に黄色に変化したシラカバを見つけることができます。このような部分的な色付きは、上部の大雪渓から山麓の乗鞍高原まで一様に見られます。これは毎年見られる現象で、特に今年が早いわけではありません。

乗鞍高原の紅葉は、10月中旬頃から見頃になりますので、まだ1ヶ月も先のこと。見頃の時期になるまで、ご覧のような部分的な紅葉が続きます。

 

始発便には長い列が

週末には台風が上陸する可能性があるといった天気予報もありましたが、思ったよりも台風の影響がなく、シャトルバス始発便には長い列ができ始めました。

 

そして、シャトルバス始発便が到着。

 

始発便、3台運行される

今日は3台も運行されましたが、お盆と紅葉シーズン以外では珍しく人出の多い状況を見せています。

 

三連休のうち、天候が持つのは今日だけ

明日から天候がくずれるという予報が出ていて、今日は何とか天候が持ちそうだということでお越しになったこちらの方。「また、紅葉の時期になりましたら、来たいと思います。」とのこと。

9月の三連休(敬老の日、9月の第3月曜日)は、例年、紅葉の始まる前に当たるため、紅葉を目的にお越しになる方はほとんどいらっしゃいません。また、この後の秋分の日でもまだ紅葉には早く、また、10月の三連休(体育の日、10月の第2月曜日)になると、大雪渓や位ヶ原など上部エリアの紅葉のピークが過ぎてしまいます。ノリクラの紅葉の見頃という点で見た場合、どの祝日も微妙に紅葉の時期からずれています。

ノリクラの紅葉に限って言えば、9月最終週か10月第一週当たりに三連休が欲しいところです。

 

周辺の草花

少し趣を変えて、観光センターの回りの草木を観察してみます。

 

ヤマトリカブト マルハナバチが立ち寄る

こんなところにもヤマトリカブトがあります。マルハナバチが花から花へと急がしそうに飛び回っています。秋に入って、開花している草木が少なくなってきていますので、咲いている花の前にいると、マルハナバチを簡単に見つけることができます。

 

天候がよくても蒸し暑い空気が流れる

台風18号の影響は、今のところ蒸し暑い空気感だけ。天気のよいうちに三連休を楽しんでおかなければいけません...

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】

鈴蘭バス停前のカエデ 先週よりも色濃くなる

それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。鈴蘭バス停のカエデは1週間前と比べると幾分色合いが濃くなって来ました。それでも昨年よりも進捗が遅い状況が見られます。

 

足下には無数の実が転がる スモモの実

そんなカエデの足元をよく見ると、無数の実が落ちている様子を見つけます。カエデの隣にあるスモモの実です。

 

スモモの花(今年5月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) E

スモモの実はもちろん食用可能で、乗鞍高原一帯にはたくさんのスモモの木があり、5月中旬にはご覧のように白い花に包まれます。毎年、5月中旬に開催される開山祭は、かつては「すもも祭り」といわれていたほどです。

 

善五郎の滝駐車場

こちらは観光センターから1kmほどのところにある善五郎の滝駐車場。

 

ノコンギク ナギナタコウジュ − 在来種ハーブ

秋になって草木の花が少なくなってきました。その中でもっとも目立つのはノコンギク。白や黄色の野菊が多い中で、ご覧のように紫色の野菊はすぐに目に留まるはずです。

そして、右の画像はナギナタコウジュ(薙刀香薷、シソ科ナギナタコウジュ属)。こちらはかなり特徴的な形状ですからすぐにわかりますが、ノコンギクのようにいたるところに分布している状態ではありませんので、草むらを少し探さなくてはいけません。

多くの山野草は多年草で、冬に地上部分は枯れても、根などの地下部分は残るため、毎年ほぼ同じ場所に咲きます。しかし、ナギナタコウジュは一年草ですから、地上部分だけでなく地下部分も枯れてしまい、翌年は種から発芽して花を咲かせる必要があります。そのため、必ず同じ場所に咲くとは限らないわけです。また、多年草のように翌年のために地下部分に栄養を蓄えることもできず、環境の厳しい中での一年草は大変な生命力を持っていると言えるでしょう。

また、ナギナタコウジュはその名前に「香り」という文字が含まれているとおり、強い香気があって、ハッカに代表される在来種ハーブとして知られています。

 

乗鞍高原一帯でも木々の色合いに変化が...(紅葉の見頃は10月中旬)

乗鞍高原の紅葉の見頃は10月中旬で、まだ1ヶ月も先のこと。それでも、木々は全体的に色合いを変化させています。

 

ヤマブドウの葉も赤く染まる

シラカバやナナカマドといった紅葉の代表格の木ばかりではなく、色々な広葉樹が赤く染まります。こちらはヤマブドウの葉。葉脈の部分に緑が残っていて、今が一番きれいかもしれませんね。

 

ミズナラの実が見られる(どんぐり)

こちらはミズナラ。乗鞍高原の紅葉の代表格の木ですが、まだまだ色合いに変化はありません。そして、右の画像のように木の実(どんぐり)ができ始めました。どんぐりの生育は昨年よりも若干遅れ気味かもしれません。

どんぐりはツキノワグマの好物で、これを大量に捕食しないと冬眠できないといわれています。また、不作の場合は、食べ物を求めて人里に出没する機会も多くなるとも言われています。「たかが どんぐり」ですが、人にとってもクマにとっても重要な存在です。

 

鈴蘭橋 紅葉のビューポイント

そして、さらに進むと鈴蘭橋に差し掛かります。
こちらからは山頂方面まで一望できるロケーションが広がり、これからの紅葉シーズンは多くの方が訪れることと思います。

 

紅葉シーズンの鈴蘭橋(昨年10月中旬)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) D

こちらは昨年紅葉シーズンの鈴蘭橋の様子。さて、今年のご覧のような見事な紅葉にめぐり合えることができるでしょうか? Next

 

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