ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2014/07/19〜20) E

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(Update:2014/0724)

 

【畳平、お花畑】

畳平

7月中旬を過ぎて、畳平も観光バスが何台も停まっている様子がよく見られるようになって来ました。登山を専門としたバスツアーでは、剣ヶ峰登山に向かうケースもありますが、大半は畳平周辺の散策で、所要時間や体力面などから魔王岳やお花畑の散策が多いようです。

 

雨の中を下山するヒルクライマー

この日は周期的に雨に見舞われる状況、1時間ほど前には雷雨と霰の降る状況で、これから下山しようというヒルクライマーが乗鞍環境パトロールの方に状況をお聞きする様子も見られました。

特に注意が必要な点は濃霧と強風で、霧がひどい場合は足元すら見えないことも珍しくありません。強風についても走行不可能なほど強い日もあります。そのため、乗鞍スカイラインでは、風速が通行規制の基準値であっても、濃霧や強風で自転車走行に危険が考えられる場合、自転車通行を見合わせる措置がとられています。

 

畳平、お花畑

さて、ここからはいつものようにお花畑の様子をお伝えします。

 

こちらは入口付近。

 

ハクサンイチゲはようやくつぼみ
昨年より2週間遅く、例年より1週間遅い
ショウジョウバカマ

ハクサンイチゲはつぼみがようやく見られるようになって来ました。昨年は満開状態でしたからかなり遅い状況です。また、ショウジョウバカマが可憐で見頃を迎えているということは、雪解けしてそれほど日にちが経過していないということを意味しています。

ハクサンイチゲは昨年より2週間ほど遅く、例年よりも1週間ほど遅い状況です。

 

周回コース分岐点

入口からさらに周回コースを進んで行き、分岐点を右に向かいます。右回り・左回りなどの取り決めはありません。

 

周回コースの北側部分 − ハクサンイチゲはまだ... 周回コースの南側部分 − ハクサンイチゲが開花

周回コースの北側部分はハクサンイチゲの開花があまり見られず、南側部分では満開に近い状態です。これは雪解け状況の違いによるもので、今後、北側部分でも満開となってくるはずです。

 

周回コース奥 − ハクサンイチゲの開花が多くなる

周回コースの奥に行くほど、ハクサンイチゲの開花が多くなってきます。

 

融解コース折り返し地点 ハクサンイチゲは散り始める

こちらが周回コースの折り返し地点、一番奥になります。先週、ハクサンイチゲが見頃を迎えましたが、今週は少し散り始めています。この付近に関しては、ほぼ例年並みの状況となっています。

 

さて、この画像の中にどれだけの高山植物が存在するのでしょうか?

 

コイワカガミ ミヤマクロユリ ハクサンイチゲ

コイワカガミはすぐにわかるかと思います。そして、ハクサンイチゲもすぐに判別できたはずです。その中に、隠れるようにミヤマクロユリが花を咲かせました。昨年よりも1週間以上遅い開花です。

 

お盆具くらいまで見頃が続くかもしれない

例年、お盆になると最盛期を過ぎてしまいますが、この分だと、お盆くらいまで見頃が楽しめるかもしれません。

 

【昨年の今ごろは?】

2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/13〜14)

7月1日からの冬季閉鎖解除後も通行止めが続いていた大雪渓から県境畳平の区間が7月19日(金)に開通して、長野県道乗鞍岳線(エコーライン)はようやく全線開通しました。これで夏のノリクラがすべて揃ったことになります。そして、夏空がいっぱい広がった週末を、待ち望んでいた方々も多かったことと思います。名実共に梅雨明けして夏本番となりました。

取材一日目の7月20日(土)は、快晴の朝を迎えます。5時の気温は10℃。ひんやりとした感覚を通り越して肌寒さを覚えるほどの状況。一時的に薄い雲がたなびくものの、お昼前から完全に快晴となり、空の青と雪の白のコントラストが冴え渡る夏のノリクラの光景が広がります。梅雨明け後、初めての本格的な夏模様の週末となりました。しかし、日差しはそれほど強くなく、上空も透明感あふれる状況が続き、一日中安定した天候が続きました。

取材二日目の7月21日(日)は、青空の朝を迎えます。5時の気温は12℃で昨日ほどの冷え込みはありません。この後、天候は曇り空となり、日差しがなくなった分、終日過ごしやすい状況でした。ヒルクライマーは昨日以上にたくさんお越しになり、シャトルバスやタクシーよりも多いのではないかと思うほど。大雪渓にはいつものように多くのスキーヤー・モーグラーがお越しになっています。そして、見上げる稜線付近は山頂目指してたくさんの方が登って行き、まるで蟻の行列を連想させるほどの状況でした。今日は大黒岳や魔王岳で熊の目撃情報があり、魔王岳は11時15分から入山禁止の措置が取られました。

 

<編集後記>

「梅雨明けとノリクラの夏...」

三連休最終日の海の日、7月21日(月)に東海地方の梅雨明けが発表され、その翌日の7月22日(火)に関東甲信地方の梅雨明けが発表されました。岐阜県と長野県にまたがるノリクラは、これで完全に梅雨明けを迎えました。

昨年と比べて、東海地方で14日、関東甲信地方で16日も遅い状況でしたが、梅雨明けの平年値は東海地方・関東甲信地方 共に7月21日ですから、平年並みであったことがわかります。

梅雨入りは東海地方で6月4日、関東甲信地方で6月5日でしたので、6月4日から7月22日までの気温と雨量(アメダス奈川)を見ると、平均気温は17.4℃と平年の17.6℃と変わりませんが、累計雨量は274.5mmで平年の453.2mmの6割ほどしか雨が降りませんでした。

数年前にも雨量が少なくて、夏の終りから秋口に掛けて、梓川の川底がみえる状況がありました。奈川渡ダムができる前の古い国道や面影が確認できるかと期待したものの、さすがに40年以上が経過すると土砂の堆積でその姿は全くありませんでした。

話は梅雨明けに戻って、ノリクラはこれから本格的な夏が始まります。でも、お盆を迎える頃にはもう秋の気配を感じるようになってきます。「梅雨明け十日」という言葉がありますが、極端ないい方をすれば、ノリクラにとって「梅雨明け十日が本当の夏」と言い換えられるように感じます。

ノリクラの短い夏...時期を逃さずに爽やかな夏山を味わいにぜひともお越し下さい。

 

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