ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2014/07/19〜20) @

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(Update:2014/0724)

 

この週末は21日(月)の海の日をからめた3連休という方も多かったのではないでしょうか?

小中学校などでは夏休みに入る地域も多く、本格的な夏の行楽シーズンが始まりました。しかし、まだ、梅雨があけていないため、不安定な天候が見られ、早く安定した夏空が欲しいところです。

7月19日(土)は、朝から雨。午前中は一旦治まるものの、午後になって突然激しい雷雨に見舞われ、一時的に霰(あられ)が降る不安定な天候の一日でした。そのため、スキーヤー・ボーダーの方々が一斉に大雪渓避難小屋に逃げ込み、小屋の中は寿司詰め状態になってしまうほど。雨は30分ほどで収まりましたが、その後も安定した状況ではなく、雨と霧に翻弄されてしまいました。

7月20日(日)は、三連休中日ということもあって、人出は昨日よりも多い状況。観光センター前駐車場は9時前には満車になり、シャトルバスも8時便・9時便はそれぞれ4台運行されました。午前中の天候はほぼ曇りで、終始ひんやりとした空気に包まれ、アームウォーマーや長袖ジャージのヒルクライマーもいらっしゃいました。大雪渓付近は山麓から沸きあがる雲がちょうど抜けて、部分的に青空が広がる様子があります。このままの天候で推移するかと思いましたが、14時ごろに通り雨があって、夏山らしい天候の移り変わりを感じさせた一日でした。

<乗鞍岳登山道(大雪渓・稜線付近)の積雪量>
稜線付近の積雪は今週に入ってようやくなくなりました。そのため、岐阜県側の畳平から山頂方面に目指すルートは、積雪の心配は全くありません。現在積雪が残っているところは、大雪渓〜肩の小屋の1箇所のみで、大雪渓・肩の小屋口バス停で下車して登る際には、まだ、注意が必要です。

●大雪渓の登山道入口から肩の小屋は、雪解けが進んで、全長700メートルの大半で登山道が現れるようになって来ました。しかし、大雪渓入口から数十メートル進んだところから始まる雪渓部分(距離95メートル)は斜度がややあって、今日のような冷え込んだ日は登りも下りも滑りやすい状況のため、雪に慣れていない方は、アイゼンの携行をオススメします。この部分は、例年7月下旬〜8月上旬まで積雪が残っています。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月19日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】       【4号カーブ雪渓】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U、モーグルコース】
Page-4 : 【雪渓中段】       【雪渓上部、夏休みはスキーキャンプ】       【突然の雷雨】
Page-5 : 【7月20日(日)、三連休中日の様子】       【ヒルクライマーの季節がやってくる】
Page-6 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面乗鞍岳積雪状況(7月19日現在)】 (Page-3)
【大雪渓から肩の小屋への登山道の積雪状況(7月19日現在)】 (Page-3)

●参考資料●
(大雪渓夏スキー 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー山頂版)

 

【7月19日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは朝6時の観光センター前駐車場。

 

三連休初日は雨の朝から始まる

天候はご覧の通りの雨、観光センターの庇からは、雨だれが激しく落ちています。それほど強い降り方ではありませんが、強弱を繰り返していて梅雨らしい降り方です。ご来光バスの時間帯(早朝3時30分)には雨はなく、空が徐々に白み始めると山頂方面がくっきりと確認できる状態でした。しかし、左の画像のように山頂方面は霞んでいます。天候は明らかに悪化傾向を見せています。

 

シャトルバス案内所 畳平周辺はやや強風

こちらはシャトルバス案内所、乗車券の販売を行っています。今朝の乗鞍山頂(畳平)の気温は6℃、風速10メートルとのことで、やや強い風が吹いているようです。そのため、今日は岐阜県側の乗鞍スカイラインでは、自転車通行見合わせの措置がとられました。

この時期、乗鞍高原から県道乗鞍岳線(エコーラインを登って畳平に到達した後、岐阜県側の乗鞍スカイラインを下り、その後、再び畳平へ登り返して乗鞍高原に戻るというコースを決行される方がいらっしゃいますが、今回のように乗鞍スカイラインの自転車通行止めとなった場合は、乗鞍スカイライン入口の平湯峠から登ることができないため、乗鞍高原へh平湯温泉から安房峠経由(国道158号線旧道)して、中の湯から国道158号線を下って乗鞍高原に戻ってくるルートを取ることになります。かなり大回りになり、また、国道158号線は大型車両の通行が多く、さらにはトンネルがいくつも連続するため、ヒルクライムとはまた「別の汗(※)」を経験することになりますのでご注意ください。(※ おそらく冷や汗です...)

 

シャトルバス始発便

そして、いつものようにシャトルバス始発便が到着します。

 

乗客はまばら

この天候ですから、三連休とは言えども、乗客はまばら...

 

タクシー乗り場 タクシーで旅を楽しむ

そして、こちらはタクシー乗り場、いつもの運転手さんの顔ぶれが揃っています。「ノリクラは、花の名前や山の名前などを覚えていないと運転手として勤まらないよ。街中のタクシーのように目的地までお客様を運ぶだけが仕事じゃないからね」

停まっては動いて、動いたかと思うとまたすぐ停まる...
風景や高山植物の綺麗な場所に立ち止まって、説明をしたり写真を撮ったりと、お客様のリクエストにお答えしながら畳平に向かうわけで、「タクシーでの旅を楽しむ」という感覚に少しでもなってもらえるよう、運転手さんもそれなりの勉強に励んでいらっしゃるようです。

 

この後も、しばらくははっきりしない状況が続きます。

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】

ここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

すずらん橋停留所 − 駐車場収容台数は400台

観光センターから約2km先にあるすずらん橋停留所。冬場の「Mt.乗鞍 第3駐車場」といったほうがわかりやすいかもしれません。収容台数は400台で、お盆などの繁忙期は、観光センター前駐車場は早朝から満車となるため、こちらの駐車場を利用することになります。

もちろんシャトルバスの停留所が駐車場内にありますので、利便性という点では、観光センター前駐車場とあまり大きな遜色はありませんが、すずらん橋駐車場にある設備はトイレのみです。

 

乗鞍岳登山道

さて、道路を挟んだ反対側。良く見ると乗鞍岳登山道という標識があります。

 

鳥居尾根中間から摩利支天へ − その後は通常の登山道を

ここからの登山はかなり長丁場になり、体力勝負となって来ます。鳥居尾根ダウンヒルコースの中間付近から急斜面をトラバース気味に登って行く道があって、それを進むと摩利支天に出ます。その後は通常の登山道を進んで位ヶ原山荘方面へと向かいます。

山頂に向かう大半の方は、畳平、もしくは、大雪渓から登り始めると思います。たまにはノリクラの奥深さを再確認するために、このようなルートを歩いても良いかもしれませんね。

 

アザミ 葉には無数の棘

こちらはアザミ。アザミの葉はご覧のようにたくさんの棘があります。これが結構痛いんです。アザミの存在を知らずに歩いていると、レインウェアや薄手のパンツは、履いてないに等しいくらい、ダイレクトに棘が突き刺さります。

 

休暇村

そして、休暇村からさらに進むと...

 

紫色の花

道端を紫に染める山野草があります。

 

ウツボグサ クルバマナ

左は先週もお伝えしたウツボグサ、今日はハナアブの仲間が忙しそうに飛び回っていました。そして、右はクルマバナ、花のつき方が車の車輪のように放射線状にレイアウトされているところから命名されています。

現在の車の車輪は色々なデザインがありますが、自動車がまだなかった時代は、大八車が活躍していたことと思います。時代劇に登場する大八車の車輪と、クルマバナの花のつき方が一致している点に気付くはずです。

 

どちらもシソ科 − 茎がかくばっている点が共通している

このウツボグサとクルマバナ、見た目にもどこか共通点がありそうな感じですが、二つともシソ科の植物で、茎が角ばっている点が共通のポイントです。

 

ミヤマオダマキ 5つの距が「わく糸巻き」に似ている点が名前の由来

さて、こちらは先週お伝えしたミヤマオダマキ。5つの距(きょ)が、つむいだ糸を巻き取る「わく糸巻き」に似ているところを発端に、それがオダマキ(苧環)になってしまったようです。

 

外側はガク 内側が花 − 距は花弁の一部

外側に広がっているのはガクで、実際の花弁はその中のもので、そこから距が伸びています。右の画像ではちょうどガクが落ちてしまったもので、距が花弁の器官であることが良くわかります。

 

色のかかったミヤマオダマキ

もう少し行くと、色のかかったミヤマオダマキに出会います。

 

有色のもののほうが一般的

こちらがもともとの色合いで、先ほどのような白色のミヤマオダマキは少ないようです。また、単に「オダマキ」というと、品種改良された園芸種を指すことが多いようです。

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