ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2014/07/19〜20) B

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(Update:2014/0724)

 

【雪渓下部 T】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

久しぶりのノリクラ − 帰り際、挨拶を交わして

ノリクラ常連のテレマーカーの方、今シーズンは久しぶりのノリクラ。再会したほかの常連の方と挨拶を交わしてお帰りの準備...今度お越しになるのは来年のゴールデンウィークとのこと...多忙な中でも時間をやりくりしてお越しになるスキーヤー・ボーダーの方は結構たくさんいらっしゃいます。それだけ、時間を割いてでも、ノリクラにやって来たいという魅力があるのだと言い換えられるのでしょう。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の大雪渓入口

雪解けが進むと、雪渓下部の一部に岩の頭が見られるようになってきます。下の画像の通り、今年は今週になってから見え始めてきました。昨年はまだありませんでしたので、昨年よりも雪解けが早いということになります。

 

一昨年の大雪渓入口
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2012/07/21〜22) A

=今年の雪解けは昨年より早いが例年より1週間以上遅い=

しかし、一昨年の2012年の様子を見るとご覧の通り。岩の頭どころかそれより下部の積雪が完全になくなっています。7月第3週になるとご覧のような状況になるのが例年並ですから、今年は例年より1週間以上遅い雪解けということになります。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の大雪渓入口
車道からの距離は13メートル − 昨年より早い雪解け

こちらは大雪渓入口隣の車道と接する部分。車道からの距離は13メートルで、昨年の9メートルよりも長くなっています。また、2012年は50メートルもありましたので、昨年よりもやや雪解けが進んでいる様子が見られるものの、例年と比べると積雪量が多いことがわかります。

 

スキーヤー専用道 ウラジロナナカマド − まだつぼみはなく例年よりも遅い

雪渓上部に向かうスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマド。先週と全く変わりなく、若葉のみでつぼみはありません。昨年も例年と比べて遅い傾向でしたが、すでにつぼみはできていました。今年はさらに遅い状況です。

 

昨年の登山道入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の登山道入口
例年よりも多い積雪量

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。大雪渓入口付近と同様に、昨年よりも積雪量の多い状態が見られます。また、例年と比べても、過去に例のないほど多い様子が見られます。

 

昨年の登山道入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) B
今週の登山道入口−隙間は4メートル
例年と比べて雪解けが遅く、昨年より1週間遅い

車道との間の隙間は4メートルほど、昨年は6メートルほどあり、例年と比べても幅が狭い状態が見られ、積雪量が多いことがわかります。また、昨年同時期より1週間前では5メートルでしたので、今年は昨年より1週間以上雪解けが遅いと言えるでしょう。

 

昨年の登山道入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の登山道入口
1週間の雪解けは1m、積雪は昨年より1〜1.5m多い

先週と比べて1メートル以上の雪解けが見られますが、それでも、昨年と比べて、1〜1.5メートル程度積雪量が多い状態です。

 

登山道

登山道を少し進んでいます。大雪渓から肩の小屋までの登山道は高山植物を手に取るように眺められる場所で、畳平のお花畑以上に近寄って観察することが可能です。先ほどの登山道入口から肩の小屋までは約700メートルで、所要時間は片道30分程度です。

 

高山植物の芽吹き シナノキンバイ、まだつぼみ − 例年ならすでに開花

こちらはシナノキンバイ。ようやくつぼみらしきものが見られるようになってきました。昨年も遅いシーズンでしたが、つぼみはすでに黄色くなりかけていました。また、例年ならすでに開花してもおかしくない時期です。

 

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面乗鞍岳積雪状況】
(7月19日現在)

先週までは、頂上への登山道(青線部分)の一部に当たる朝日岳直下にも積雪が残っていましたが、今週になって朝日岳直下の積雪は完全になくなりました。そのため、岐阜県側の畳平方面から山頂を目指すルートでは積雪の心配は全くありません。

しかし、長野県側の大雪渓・肩の小屋口バス停を下りて肩の小屋に向かう登山道を経由して山頂を目指す場合、大雪渓〜肩の小屋間で積雪がありますので注意が必要です(下記参照)。

 

【大雪渓から肩の小屋への登山道の積雪状況(7月19日現在)】

積雪区間は95メートルに縮小 − 8月第1週目まで積雪が残る予測

大雪渓から肩の小屋への登山道では、左の画像のように、登山道入口から数十メートル入ったところから積雪があり、誘導ロープにしたがって登って行きます。積雪区間は95メートル。先週は肩の小屋までほぼ全面に渡って雪上を歩く必要がありましたので激減していますが、残っている95メートルの区間が最も転倒スリップしやすい場所です。昨年より1週間遅い雪解けで、昨年は8月第2週目まで積雪がありましたので、今年は8月第1週目までは積雪が残っていると考えられます。

また、最後まで積雪が残るのは上部の大岩(モーグルコースの岩、右の画像の上にある大岩)の左側箇所で、例年7月下旬から8月上旬まで残ります。

 

昨年のモーグルコースの岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) C
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週のモーグルコースの岩
先週より70センチ減少、昨年並みの雪解け 

さて、大雪渓は厳冬期になると完全に雪に埋まってしまいますが、その中で最も早く頭を出すのがこちらのモーグルコースの岩。
モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると70センチ程度減少し、ほぼ昨年並みです。

 

雪渓下端まで110メートル昨年より短く例年並みの距離

モーグルコースの岩の下端から雪渓下端までの距離は110メートル。昨年は過去最長の117メートルでした。今週はほぼ例年並みの状況です。

 

昨年の石碑の岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) C
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の石碑の岩
昨年より1〜2週間はやい雪解けで、例年より遅い雪解け 

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。先週より1メートルほど雪解けが進みました。昨年より1〜2週間早い雪解けですが、例年と比べると積雪量の多い状態が見られます。

 

石碑の岩のチングルマ −つぼみが確認、昨年より早く、例年より遅い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。しっかりと若葉が広がり、中央につぼみができている様子が確認できます。昨年より早い進捗ですが、過去にはすでに満開を見せたシーズンもあって、例年よりも遅い状況と言えます。

 

昨年の石碑の岩の下部のバーン
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) C
先週の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) B
今週の石碑の岩の下部のバーン
例年より一週間遅い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、ご覧のとおり中央部分の岩の周辺の雪解けが進んできました。例年よりも一週間前後ほど遅い雪解けです。

 

【雪渓下部 U、モーグルコース】

モーグルコース

それではここからは雪渓下部のモーグルコースについてお伝えします。

 

コース脇やスタート上部に岩が現れる − これ以上コースを延ばすことはできない

こちらは下から見て左側(南側)のモーグルコースです。コースの隣に岩の頭が見えはじめて、スタート部分にも大きな岩が出てきました。そのため、コースをこれ以上延ばすことはできません。

 

岩があっても現時点では滑走上の問題はない

現状としては滑走距離は結構ありますから、これ以上延ばす必要はなく、今のところ、滑走上の大きな問題はありません。

 

人の2倍のスピードで登って、滑りも人の倍くらいのスピード

この兄弟。人の2倍くらいのスピードで登り、滑りも人の倍くらいのスピードで駆け下ります。

 

観衆の視線が常に注がれる

その滑りには全員が釘付け...真似しようにも真似できない別の次元の滑りです。

 

長さ 90メートル×23コブ

さて、コースの長さですが、90メートル×23コブ(ピッチ:3.9メートル)です。おそらく、20コブを切るとコースが短く感じられるのではないでしょうか?

 

雪渓下部のモーグルコースはもうしばらくは滑走可能

雪渓下部でのモーグルコースはまだしばらく続くかと思います。その後は、雪渓上部左側へ移動することになりますが、雪渓上部左側は急斜面ですから、雪渓下部のモーグルコースで早めに足慣らししておいたほうが良いでしょう。

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