ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2015/08/01〜02) @
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先週あたりから暑さが一段と厳しくなり、各地では真夏日・猛暑日が連日続く状態となっています。冷涼と言われているノリクラにおいても、日中はそれなりに暑い日が続くようになり、ノリクラにも短い夏が本格的に訪れたようです。
8月1日(土)は、雲一つない快晴の朝を迎えます。気温は15℃と決して高いわけではないものの、朝特有のすがすがしさが感じられません。日が高くなると気温はぐんぐん上昇し、8時の三本滝ゲートで26℃で、先週よりも2〜3℃は高い状況。20℃をめったに超えない大雪渓でも10時で22℃まで上昇します。おそらく、この状態で無風だとかなりを暑さを感じますが、今日は幸い弱い風が絶えず吹き抜け、何とか暑さをしのげた状態。朝一番は雲一つない状態でしたが、上空には夏らしい雲が湧き上がり、遠景の山々は稜線を縁取るように雲が並びまさに夏空らしい光景が終日続きました。
8月2日(日)も、快晴の朝から始まりました。昨日と異なり、10時過ぎには空全体が雲に覆われるようになり、午後にはほぼ曇りに近い状態になりました。気温は昨日よりも若干低いものの、体感的にはやはり暑い一日でした。大雪渓のスキーヤーやヒルクライマーは昨日よりも若干多い状態が見られました。
稜線付近の登山道の積雪は、3週間前になくなりました。また、大雪渓から肩の小屋への登山道で現在積雪が残っているのは、大雪渓の登山道入口を91メートル進んだ先で、積雪区間は35メートルです。おそらく、今後は急速に雪解けが進んで、1週間程度でほぼ積雪はなくなるかと思います。それより上部の肩の小屋方面は完全に夏道となり、登山道周辺ではチングルマ・アオノツガザクラ・イワギキョウなどが咲き始めました。
また、この1週間の大雪渓は、梅雨明けと同時に気温も高く、やや雪解けスピードが速まった感じがあるものの、全体的にはほぼ昨年並みと言ってよい状態で、上部では昨年より1〜2週間早い雪解け、中段・下部は昨年並みかやや遅い状況です。強い日差しでバーン表面は柔らかく、先週は多く見られた氷柱がほとんどなくなり、バーン整備も最小限で済む状態です。なお、雪渓下部のモーグルバーンの雪解けが進んできたため、雪渓上部左側にモーグルバーンが新たに作成され、今後は下部から上部へモーグラーがシフトすることと思いますが、雪渓下部のモーグルバーンはあと1〜2週間程度は滑走可能かと推測されます。
それでは、2日間の様子をご覧ください。
【8月1日(土)、観光センター前駐車場】
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夜の観光センター | 満月が頭上に昇る |
こちらは日付が今日に変わるころの観光センター前駐車場。ご覧のようにほぼ満月状態の明るい月が頭上に昇っています。
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月明かりにノリクラの峰々がはっきりと |
満月ともなれば周囲を照らす力も強く、ご覧のようにノリクラの峰々もはっきりと確認できるほどです。もし、次回お越しのタイミングが満月でしたら、一度、その眼でノリクラの峰々をご覧になってください。
逆に新月の真っ暗な夜空でが、天の川もはっきり確認できる満天の星空が広がります。
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翌朝の観光センター前駐車場 |
一夜明けた乗鞍高原は快晴の朝を迎えます。
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快晴 − 朝のひんやり感がない |
気温は15℃と決して高いほうではありませんが、今日は朝特有のひんやりとした感覚はありません。
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シャトルバス乗り場 | 顔見知りの乗務員と世間話 |
シャトルバス乗り場には今日もたくさんの方々がお越しになっています。一番乗りでお待ちのスキーヤーは何度も通う常連...バス会社の乗務員の方も顔見知りになっているようですね。
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シャトルバス始発便 |
シャトルバス始発便は2台運行。でも、2台目にはほとんど乗車されませんでしたので、実質1台といったところ。週末の割には少し人出が少な目で、別の乗務員の方の話では昨日の金曜日のほうが人出が多かったとのこと。お盆休みが近づいてきましたが、そのため、外出を控えているのでしょうか?通常、大型連休や三連休などの休みの前後の週は、人出が少なくなる傾向が見られます。
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観光センター売店 − 開店準備 | 早々におにぎりを買い求める方がお越しになる |
さて、こちらは観光センター売店。7時が営業開始ですが、今日は少し早目に準備が始まっています。しかし、陳列と同時におにぎりを買い求める方がお越しになりました。「今日は途中のコンビニで弁当を買うのを忘れて...」と、ちょっと慌てた様子でした。
乗鞍高原内はもちろんのこと、この一帯はコンビニが全くありません。松本方面からの最終コンビニは新島々駅の手前にあるセブンイレブンで、高山方面からは、丹生川支所を過ぎてしばらく走った所にあるヤマザキディリーストアです。新島々のコンビニと観光センターは車で約30分の距離があり、丹生川のコンビニに至っては1時間以上もかかります。
なお、一般の方も利用頻度が高いとみられるガソリンスタンド、スーパー(八百屋・酒屋)は乗鞍高原内にありますが、郵便局、銀行、ATMはなく、また、クレジットカードが利用できる施設もあまりありませんのでご注意ください。
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駐車場内ではヒルクライマーの準備光景が |
ヒルクライムがハイシーズンを迎え、今日も駐車場内では出発の準備があちこちで見られます。先週は下山時に転倒事故が2件も発生しています。路面状況や対向車の確認は十分に実施してください。2件のうち1件は、救急車で搬送される状態だったようですが、下山時はある程度のスピードが出ていると考えられますので、転倒は大きなケガにつながることになります。
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タクシーの運転手さん | ラーメン屋じゃなくて花の咲いている場所教えますよ! |
さて、タクシーの運転手さん同士の会話なら、「新しくできたラーメン屋は、あそこの店と ここを掛け合わせたような、うまいラーメンだよ。今度場所教えてあげるね〜」だったりするわけですが、ノリクラではちょっと様子が違います。
いつもの常連のタクシーのお二人。スマホに撮った高山植物の画像をチェックします。「これはヒゲがあるからチシマギキョウだね。」「でもね、チシマギキョウとイワギキョウを掛け合わせたみたいなのもあるよ。今度場所教えてあげるね〜」という会話だったりします。
運転席から常に路肩の高山植物をチェックしながら走っていて、「○○号カーブにはコウメバチソウが...このカーブから槍穂がよく見る」といったデーターが頭にインプットされていて、お客様への観光案内の予習に余念がありません。
【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
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それでは、ここからは大雪渓に向かう沿道の様子をご覧ください。
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Mt乗鞍のゲレンデサイド − 黄色いキクがあちこちに咲く |
こちらは、すずらん橋駐車場の反対側のMt乗鞍のゲレンデサイド。ちょうどチケットセンターのある付近です。今週になって黄色いキクの花があちこちで見られるようになってきました。
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アラゲハンゴンソウ(外来植物) − 茎・葉が毛におおわれている |
アラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草、別名:キヌガサギク、キク科オオハンゴンソウ属)、北アメリカ原産の帰化植物で、明治時代に観賞用として持ち込まれたものが各地で野生化し、その繁殖力の強さから、オオハンゴンソウとともに駆除対象の植物となっています。毎年、グリーンサポートスタッフなどによって除去活動が実施されていて、この付近に関しては、少しずつ減少しているようです。茎は葉が毛におおわれていることからアラゲハンゴンソウと呼ばれていて、頭頂部(筒状花)が褐色である点が緑色のオオハンゴンソウとの区別になります。
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黄色の舌状花におびき寄せられ... | 中心の筒状花に向かう |
キク科は中心から放射状に開く舌状花と、中心部分の筒状花がありますが、受精能力のあるのは中心の筒状花です。キクらしい形を現す舌状花は虫をおびき寄せるために必要と言われていて、黄色の舌状花におびき寄せられた後、中心の筒状花に向かって進む様子がみられました。
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休暇村 | うっそうとした森の中へ |
休暇村を過ぎると周囲はうっそうとした森林に囲まれます。
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道端には山野草が群生 |
その道端にはいくつもの山野草が所々で群生しています。
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オダマキは花期から結実の時期へ | ホタルブクロはまだつぼみが |
左の画像はオダマキ。咲き始めから数週間が過ぎ、ご覧のように実ができています。そして、ホタルブクロも2週間程度が過ぎていますが、まだつぼみという物も見られます。
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緑の中に青い花(目立ちにくい) | エゾアジサイ |
緑の中に青い花はかなり目立ちにくい...見逃してしまう確率が非常に高いのですが、こちらはエゾアジサイかもしくはヤマアジサイ。葉の大きさと先端のとがり具合で見分けますので、エゾアジサイに近いように見えますが断定はできません。
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もっと目立ちにくい所に... | ソバナ |
こちらはもっとわかりにくい...たぶん通り過ぎてしまうと思われるこちらの花はソバナ(蕎麦菜、キキョウ科ツリガネニンジン属)、ソバナを茹でると蕎麦を茹でたときの香りがするから命名されたという説や、杣人(そまびと)が好んで食べたという説など諸説あるようです。
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