ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.18(2019/09/07) B

 

 

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(Update:2019/09/12)

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。

ただ、今年は雪解けが早いため、右側では例年より2週間以上早く雪解けして先週で消滅し、左側は場所によっては1ヶ月以上早い雪解けとなっています。

 

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。昨年と比べて3分の2程度の大きさしかありません。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

雪渓下部や雪渓上部右側で、ある程度雪渓でのスキーに慣れたうえで、お越しいただくことを強く求めます。天候の加減でバーンが少しでも硬くなると、事故に直結します。今年はバーンが例年よりも急斜面になっていますので、初めての方はご遠慮くださいますようお願い致します。

 

落書きの岩−雪渓下端まで81メートル
昨年より3週間早い雪解け

こちらは下端部分。下端部分は落書きの岩の上方81メートルのところにあり、昨年より3週間早い雪解けを見せています。昨年はこの時期ですでに例年の10月末よりも少ない状態でしたので、今年は異常に早い雪解けであることがわかります。

 

北寄り部分(赤丸) 北寄り部分 − 雪解けで滑走不能

滑走できるのは雪渓上部左側の北寄り部分(右寄り)と南寄り部分(左寄り)で、こちらの画像は北寄り部分。雪解けが進んで長さが18メートルしかありませんので、こちらでは滑走はもうできません。

 

上端部分−昨年より1週間早い雪解け 上端から下端まで35メートル
昨年より2〜3週間早い雪解け

左の画像は上端部分で昨年より1週間程度早い雪解け。上端から下端までの距離は35メートルで昨年より2〜3週間早い雪解けです。

2018年は測定できず、2017年は105メートル、2016年は23メートル、2015年は133メートル、2014年は100メートル、2013年は128メートル、2012年は75メートル、2011年は79メートル、2010年も79メートル、2009年は91メートル、2008年は113メートル、2007年は85メートルでした。今年は例年よりかなり短い状態であることがわかります。

 

南寄り部分(赤丸)
※赤丸の左側が土砂堆積箇所
滑走できるのはここだけ

そして、こちらは南寄り部分(左寄り)。右の画像では滑走部分を示していますが、その左側(左の画像)では、上部から土砂が流入している様子がおわかりと思います。土砂が流入したのは7月上旬で、すでに2ヵ月程度が経過していますが、雨などで土砂が洗い流されることなく堆積しています。

土砂そのものは、雪渓表面を薄く覆っているに過ぎない状態ですが、表面が覆われると雪解けが抑えられるため、数メートルもの高さに盛り上がっています。

 

左側はフリーのバーン 右側はショート―ポール

今回は左側のフリーのバーン(モーグルバーン)とショートポールのバーンがありました。

 

雪渓の長さは36メートルしかない

雪渓の長さは36メートルしかないため、上端ギリギリからのスタートです。

 

斜度は30度以上 − 油断すると滑落、緊張感を持ったトレーニング

緩斜面の部分でも30度の傾斜があり、油断すると滑落してしまいます。そんな緊張感を持った中での練習はウインターシーズン中のトレーニングよりも大きな成果を得ることができるでしょう。

 

先週の上端部分
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2019/08/31) B
今回の上端部分
先週より高さ1.5メートル近く雪解け
昨年より1週間早い雪解け

こちらは上端部分。この1週間で高さ1.5メートル近くの雪解けが見られることがわかります。昨年より1週間ほど早い雪解け。

 

常連スキーヤーは雪のある限りはノリクラにお越しになるのでしょう...

 

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