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■2022年3月19日(土)
(今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー →
ウインターシーズンはありません)
(ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。
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昨日の湿雪でツアーコース全区間で湿雪&パック
− 雪崩に十分注意を!
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@ 2022/03/19 11:45 ツアーコースは全区間で湿雪10〜30センチ (ツアーコース −
3番標識付近)
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A 2022/03/19 10:40 雪面不安定 −
下山スキーヤーによる誘発雪崩
(ツアーコース − 入口急斜面上端)
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B 2022/03/19 12:55 ひどいパックで滑走困難!
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)
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C 2022/03/19 13:45 天候悪化 −
今日はここで撤退!
(位ヶ原)
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→その他の画像が本文末尾にあります。
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画像・記事の転載・引用・リンクについて
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▼ 昨日は太平洋側を通過した低気圧の影響で湿った雪が降り、ツアーコースは全区間にわたって湿雪&パックのコンディションとなりました。また、不安定な雪質のため、ツアーコース入口急斜面では誘発雪崩も発生し、今後、ツアーコースから森林限界方面に入山される方は雪崩に十分ご注意下さい。
<乗鞍高原、道路状況、Mt.乗鞍>
早朝7時の乗鞍高原は、青空の広がる朝を迎えます。気温は1℃で暖かさすら感じる状況です。青空ではありますが、雲が足早に流れ、山頂方面は絶えず雲が横たわる状況です。昨日は午後から吹雪となり、湿った着雪性のある雪はあたり一面を銀世界に塗り替え、朝日に照らされた雪景色は見事な光景です。昨晩からの積雪は10センチ前後ありますが、道路は朝一番からきれいに除雪され、スタッドレスタイヤなら問題なく走行できる状態です。
Mt.乗鞍では、昨日の湿雪が夜間の冷え込みでゲレンデコンディションは硬め。これも日中には緩んで春スキーらしい柔らかい雪質となりました。ただ、未圧雪のかもしかゲレンデはひどいパック状態となり、滑走に適さない状況と判断された模様で、リフト運行開始が1時間ほど遅れました。
<ツアーコース、入口急斜面上端で誘発雪崩>
10時のツアーコース入口の気温は4℃、入口周辺を歩くとバリバリと音を立てるほどひどいパック。氷結した表面は厚さ5センチにも達する状況で、その下にある新雪部分(湿雪)は20センチほどあります。朝一番の入山者は10名ほどで午前中の入山者10数名といったところです。
日差しを受けると暑さを感じ、パックした表面が若干緩み始める様子が見られた中、10時30分頃、ツアーコース入口急斜面上端付近では下山滑走のスキーヤーが上端部分を横にカットした際に誘発雪崩が発生しました。長さ40メートル×幅20メートルで破断面は30センチほどです。下部には登攀中のボーダーがいましたが、雪崩は到達せず、巻き込まれた人はいませんでした。この時間帯はまだ登攀者が多数いる時間帯ですので、上から下山滑走する際には斜面下部の状況を十分に確認するようお願いいたします。
それ以降のツアーコースも湿雪が10〜30センチで、ひどくパックされた状況に変わりありません。先週からの積雪量は1番では減少し、3番・5番では増加しました。
今週、6番標識に、安全確認と注意事項を記した看板が、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)によって設置されました。雪崩や遭難に対する注意や必要な装備及び行動への注意事項が記され、下の部分には随時情報更新できる様式となっておりますので、入山時には必ず確認するようお願いいたします。
13時の位ヶ原急斜面の気温はプラス4℃、こちらもパックがひどい状態。今日のツアーコースは新雪感を感じる場所が全くありませんでした。
<位ヶ原>
ツアーコースから位ヶ原に登ると、一部で新雪感を感じるところがありますが、こちらもパック状態。14時の気温は0℃、この頃になると降雪が始まり視界は200メートルを切る状態となります。ツアーコース内の積雪は減少していますが、位ヶ原では先週よりも25センチも増加し、湿雪とまではいかないものの、着雪性のよい雪が降ったものと思われます。
昨日降った雪はこれまでに積もった雪質とは異なる雪質ですから、雪崩の危険性は高まっています。今後、雨が降ったり、気温が上昇すると今回のツアーコース入口急斜面上端のように雪崩が発生しやすい状況となります(特にツアーコース位ヶ原急斜面とすべり台の北側にある3号カーブ右側斜面)。
春は気温変化が激しい季節です。今日は安全であっても明日はどうなるかわからない状況です。したがって、常に危険性の少ないルートを選定しながら行動するようお願いいたします。昨年3月にツアーコース位ヶ原急斜面で発生した雪崩死亡事故も前日・前々日からの湿雪が原因で発生したと思われます。
乗鞍では昨年・一昨年と雪崩死亡事故が発生しております。三年連続の死亡事故を発生させないよう十分ご注意下さい。
●昨年・一昨年の雪崩死亡事故
→2021/03/14速報(位ヶ原急斜面)
2020/02/01速報(3号カーブ右側斜面)
<ツアーコースの積雪状況>
1番では減少、3番・5番では増加しました。
・ 1番標識付近(標高
約2130メートル)で積雪155センチで新雪20センチ。(先週より30センチ減少、昨年より25センチ多い積雪)
・ 3番標識付近(標高
約2235メートル)で積雪150センチで新雪30センチ。(先週より10センチ増加、昨年より5センチ少ない積雪)
・ 5番標識付近(標高
約2305メートル)で積雪275センチで新雪20センチ。(先週より20センチ増加、昨年より20センチ少ない積雪)
次回速報は3月26日(土)の予定です。(2022/03/19 19:00更新)
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■2022年3月12日(土)
(今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー →
ウインターシーズンはありません)
(ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。
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冬から春の訪れを感じる一日 −
風は冷たいがぽかぽか陽気
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@ 2022/03/12 09:20 朝一番で60名ほどが入山
− 賑やかな山行へ (ツアーコース入口)
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A 2022/03/12 11:00
遠景はやや霞んで、厳冬期の透明感を失う
(ツアーコース − 4番標識付近)
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B 2022/03/12 10:55 いつ見ても感動する風景
(県道乗鞍岳線 − 4〜5番標識間)
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C 2022/03/12 12:50 気温マイナス2℃
− 風に吹かれても暖かさを感じる (位ヶ原)
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→その他の画像が本文末尾にあります。
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画像・記事の転載・引用・リンクについて
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▼ 今週に入って一気に春めいた気候となり、今日は風は冷たいもののぽかぽか陽気で、春の訪れを感じる一日となりました。
<乗鞍高原、道路状況、Mt.乗鞍>
早朝7時の乗鞍高原は、雲一つない快晴の朝を迎えます。気温はマイナス2℃、先週まではマイナス10℃前後の気温が続いていましたが、今週に入って暖かな日が続き、ピンと張りつめた寒さはもう感じられません。乗鞍高原周辺の道路に積雪凍結箇所はほとんどなくなりました。しかし、まだまだ積雪凍結しますので、スタッドレスタイヤの装着、またはタイヤチェーンの携行が必要です。
今週に入って日中の気温が高くなり、Mt.乗鞍
第三駐車場は朝は夜間の冷え込みでひどいアイスバーンで、スキー場に向かう方々は慎重に歩く様子が見られます。今日の第三駐車場は早くから満車に近い状態となり、チケットセンターはオープン前から長蛇の列。その半数ほどが登山者・バックカントリースキーヤーの様相でした。
ゲレンデコンディションは強い日差しを受けてもあまり緩まず、表面が若干モソモソした感触ではあるものの、厳冬期に近いコンディションです。これだけ強い日差しを受けても緩まないのは標高の高いMt.乗鞍の特徴といえます。
<ツアーコース>
9時のツアーコース入口の気温は2℃、朝一番の時点で50〜60名ほどの入山者が訪れて出発の準備を行っています。最終的に午前中で80名ほどの入山者がありました。8時頃から風が強くなり、冷たい風が吹き抜けると寒さを感じ、無風になると強い日差しに暑さを感じます。アウターを着たままの方がよいのか、脱いだ方がよいのか迷う状況です。
ツアーコース入口から入口急斜面にかけての雪質は、今週日曜日に降った雪が冷えて固まったものが日中の日差しで緩み始めた状態。おそらく、リフトを利用せずに早朝から登り始めた方は硬かったものと思われます。ただ、その後は、冷たい強風が吹き抜けるようになり、バーンの緩みが抑えられ、硬くもなく柔らかくもない状態ですが、パウダー感は全くありません。そのため、午後になっても完全に緩み切らず、微妙に滑りにくい状態ですのでご注意下さい。
11時30分の位ヶ原急斜面の気温はマイナス1℃、上端付近では周期的に雪煙が湧き上がり、位ヶ原方面はさらに強い風が吹いていることがわかります。バーンは締まった新雪状態でパウダー感はありません。また、雪着きの良くないところはシールグリップが不安定な状態です。
昨年は3月14日に位ヶ原急斜面で雪崩死亡事故が発生していますが(→2021/03/14速報(位ヶ原急斜面)、今年は位ヶ原急斜面での雪崩は発生していません。ただ、上端部北側(下から見て上端部右側)の雪庇が大きく成長していて、崩れ落ちた場合は雪崩を誘発する危険性があります。登攀は雪崩箇所を避けて進むようお願い致します(雪崩箇所から離れた箇所を登ってください)
<位ヶ原>
ツアーコースから位ヶ原に登ると、風が吹き抜けるところを中心に大きなシュカブラが目立ちますが、先週よりも小さくなっていて、積雪量は先週と変わりません。
12時30分の気温はマイナス2℃で、強い風が吹き続けていますが、風に冷たさがなく、厳冬期のような辛さはもうありません。ただ、山頂方面は稜線付近では立っていられないほどの強い風だった模様で、肩の小屋から稜線に出たあたりからアイスバーン状態となっていますので、山頂方面に向かう方はご注意下さい。また、真下から稜線に向かって直登するルートは春山シーズンにならないと安全に登攀できないため、この時期は肩の小屋からトラバースするようお願いいたします。
現時点では雪崩の発生は確認できていませんが、気温の高い状態が続き、現在、乗鞍上高地地域に雪崩注意報が発令されています。また、14日(月)は雨・湿雪の可能性があり、雪崩の危険性がさらに高まります。
乗鞍では昨年・一昨年と雪崩死亡事故が発生しております。三年連続の死亡事故を発生させないよう十分ご注意下さい。
●昨年・一昨年の雪崩死亡事故
→2021/03/14速報(位ヶ原急斜面)
2020/02/01速報(3号カーブ右側斜面)
<ツアーコースの積雪状況>
今週日曜日以降積雪はなく、積雪量の増加は少ない状況です。
・ 1番標識付近(標高
約2130メートル)で積雪185センチで新雪0センチ。(先週より5センチ増加、昨年より30センチ多い積雪)
・ 3番標識付近(標高
約2235メートル)で積雪140センチで新雪0センチ。(先週と同じ、昨年より35センチ少ない積雪)
・ 5番標識付近(標高
約2305メートル)で積雪265センチで新雪5センチ。(先週より15センチ増加、昨年より30センチ少ない積雪)
次回速報は3月19日(土)の予定です。(2022/03/12 18:45更新)
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■2022年3月5日(土)
(今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー →
ウインターシーズンはありません)
ツアーコース・位ヶ原はシュカブラでガタガタバーン
− 春への変化の表れ
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@ 2022/03/05 09:20 今日の入山者は10名 (ツアーコース入口)
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A 2022/03/05 10:05 新雪はほとんどなく、表面にうっすら被ってるだけ
(ツアーコース − 入口急斜面)
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B 2022/03/05 10:55 シュカブラでガタガタバーン
− 下山滑走注意!
(ツアーコース − 4標識付近)
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C 2022/03/05 12:15 ノリクラデビュー、ここまで来れたら大成功! (ツアーコース
− 位ヶ原急斜面)
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→その他の画像が本文末尾にあります。
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画像・記事の転載・引用・リンクについて
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▼ 3月最初の速報をお届けします。今週は暖かい日が続き、ツアーコースの雪質も厳冬期の柔らかさがなくなり、締まった雪質となり、さらに、強風にあおられて、いたるところにシュカブラ(風紋)が目立ってガタガタバーンになっています。下山滑走に注意が必要です。
<乗鞍高原、道路状況、Mt.乗鞍>
早朝7時の乗鞍高原は、晴天の朝を迎えます。気温はマイナス7℃で、山頂方面は絶えず雲が流れていて、その様子をはっきり確認することはできませんが、雲間から見る限り雪崩などは見られません。今週は気温が高くなったため、観光センター前駐車場は表面が雪解けして、バリバリ状態になっています。ただ、県道乗鞍岳線や側道のほとんどはほぼ雪解けしてアスファルトが出ている状態です。しかし、まだこの先も降雪が続きますので、スタッドレスタイヤの使用の継続が必要です(乗鞍高原一帯は4月上旬頃までは降雪があり、年によってはゴールデンウィークでも積雪となります)。
Mt.乗鞍は3月に入ってもまずまずの人出の模様で、第三駐車場は今日も満車となりました、晴れた日はバーンが緩むようになった影響から、バーンコンディションはやや硬めになってきました。
<ツアーコース>
9時30分のツアーコース入口の気温はプラス1℃、若干風が強くなってきて、青空は全体的にぼんやりとかすんでいます。春霞というよりも、天候が悪化に向かっている影響かと思われます。いつもなら朝一番の時点で10〜20名ほどの入山者がお越しになるところですが、今日は朝一番でわずか5名、その後の入山者も含めて、午前中は10名のみです。
ツアーコースは表面にうっすらと新雪が乗っていますが、降りたての雪ではなく、風で飛んできた雪が吹き溜まった状況のもので、パウダー感はほとんどありません。そのため、入口急斜面上端部分はシールが効きにくい状態となっていますので、右側樹林帯から登攀されることをオススメします。また、風の影響で、いたるところでシュカブラが目立ち、登るときにはほとんど感じない小さなシュカブラでも、下山滑走では不意に足を取られるため注意が必要です。
11時30分の位ヶ原急斜面の気温はマイナス4℃、11時頃から完全に鉛色の空となり、風も強くなってきました。それまでかろうじて見えていた山頂方面は雲に飲み込まれ、天候悪化が顕著になってきます。3番・5番標識付近は積雪量が減少しましたが、位ヶ原急斜面は先週よりも増加しています。
強風で周囲の木々が轟々とうなりを上げる中、今日初めてノリクラにお越しになったスキーヤーの方は、結晶の崩れた雪面にシールが食いつかず、位ヶ原急斜面を必死に登り切りました。悪天候の中でのノリクラデビューとなりましたが、また、天候の良い時にぜひともお越しください。
昨年は3月14日に位ヶ原急斜面で雪崩死亡事故が発生していますが(→2021/03/14速報(位ヶ原急斜面)、今年は位ヶ原急斜面での雪崩は発生していません。ただ、上端部北側(下から見て上端部右側)の雪庇が大きく成長していて、崩れ落ちた場合は雪崩を誘発する危険性があります。登攀は雪崩箇所を避けて進むようお願い致します(雪崩箇所から離れた箇所を登ってください)
<位ヶ原>
ツアーコースから位ヶ原に登ると、ひどい地吹雪に断続的に襲われます。12時の気温はマイナス6℃、視界は200〜300メートルほどですが、13時頃から降雪が始まり、ホワイトアウトの吹雪となってきました。積雪は先週よりも20センチほど減少していますが昨年より多く、吹き溜まりなど場所によっては先週より増えているところもあります。また、すべり台方面もシュカブラやアイスバーンとなっているところがあるようですのでご注意下さい。
現時点では雪崩の発生は確認できていませんが、現在、乗鞍上高地地域に雪崩注意報が発令されています。乗鞍では昨年・一昨年と雪崩死亡事故が発生しております。三年連続の死亡事故を発生させないよう十分ご注意下さい。
●昨年・一昨年の雪崩死亡事故
→2021/03/14速報(位ヶ原急斜面)
2020/02/01速報(3号カーブ右側斜面)
<ツアーコースの積雪状況>
3番・5番では先週より若干減少し、位ヶ原急斜面では増加しています。
・ 1番標識付近(標高
約2130メートル)で積雪180センチで新雪5センチ。(先週と同じ、昨年より45センチ多い積雪)
・ 3番標識付近(標高
約2235メートル)で積雪140センチで新雪0センチ。(先週より10センチ減少、昨年より10センチ少ない)
・ 5番標識付近(標高
約2305メートル)で積雪250センチで新雪0センチ。(先週より15センチ減少、昨年より5センチ少ない)
次回速報は3月12日(土)の予定です。(2022/03/05 18:30更新)
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