ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.19(2007/09/15〜16) B
【雪渓下部 T】
![]() |
![]() |
大雪渓入口 | 先週の段階で雪解けは完了 |
それではここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。雪渓下部は先週の段階で完全に雪解けが完了しています。
![]() |
![]() |
魔利支天岳の山肌の黄色が一段と濃くなっています − コバイケイソウの紅葉 |
雪渓下部の南側に位置する魔利支天岳の山肌や手前の登山道脇の黄色が先週よりも一段と濃くなり、緑のハイマツ帯と黄色のコバイケイソウの部分がはっきりと区別できるまでになっています。大雪渓付近の紅葉は9月中下旬から始まりますが、実はコバイケイソウなどの高山植物の紅葉がそれに先駆けて始まります。
![]() |
⇒ | ![]() |
先週のウラジロナナカマド |
今週になって実がようやく赤くなってきました |
いつもお伝えしている大雪渓入口付近のウラジロナナカマドの実は、他のエリアと比べて赤く色づくのが大幅に遅れていますが、今週になってようやく色づき始めました。色づく時期としてはほぼ昨年並みです。
【9月16日(日)は次第に雨に】
![]() |
9月16日(日)どんよりとした空 |
さて、前頁で9月15日(土)のシャトルバスが到着した朝の大雪渓入口付近の様子をお伝えしましたが、こちらはその翌日の9月16日(日)の朝の大雪渓入口付近の様子です。ご覧のようにたくさんの方がお越しになっています。
![]() |
![]() |
いつものように大雪渓に向かう準備 |
シャトルバスを下車するとアウターを羽織るところから雪渓に向かう準備が始まります。9月中旬くらいまではそれほど寒さを感じませんが、9月下旬以降になると早朝は乗鞍高原でも寒さを感じるようになってきます。
そして、いつものようにザックにくくりつけたスキー板をお連れの方にチェックしてもらってから雪渓上部へ向かいます。
![]() |
準備を進めるうちに濃霧はどんどんひどくなります |
シャトルバスを降りて準備を進めている間にも濃霧はどんどんひどくなってきます。
![]() |
しばらくすると雨が降り始めます |
常連のスキーヤー・ボーダーの方が雪渓上部に上がってしばらくすると、雨が降り始めます。
![]() |
![]() |
登山に向かう方は合羽を着て出発 | トイレの軒先で雨宿りのボーダー |
山に雨はつきもの。これから山頂登山に向かう方々は合羽に身を包んで出発します。そして右の画像のこちらの二人は雪渓から下山してきて、トイレの軒先で雨宿り...
![]() |
![]() |
ソフトブートでは登れずに引き返してきました | 次のシャトルバスで下山 |
こちらの方は初めてノリクラにお越しになったボーダーのお二人。「インターネットで検索して大雪渓でボードの方が滑っているのを見つけ、「この時期でも滑られるのかなぁ〜と思ってきました。雪渓にたどりつきすでに滑っているスキーヤーから『ソフトブーツでは(登るのは)無理じゃないの?』と言われました。確かにひどいアイスバーンで最初の一歩すら踏み出せずそのまま下山しました。」とのこと。
これまでにもお伝えしていますが、雪渓上部左側はアイスバーンがひどく、フリースタイルのソフトブーツではとても登ることはできません。スキー・ボードのブーツにはアイスバーンを登るための装備は一切なく、特にフリースタイルのソフトブーツは極端な言い方をすれば、スニーカーと同じといってもいいくらいです。スニーカーで急斜面の雪上を歩くことがどれだけ危険であるかを想像していただければ、アイゼンなどの装備もせずにソフトブーツで歩くことが無理(無謀)であるかお分かりになるかと思います。
インターネットは気軽に情報が得られる反面、断片的にしか情報が伝わらない危険性もあり、さらにシャトルバスで気軽に行ける立地条件がゆえに、乗鞍大雪渓は他の3000メートル級の高山以上に山岳地帯の危険性が潜んでいるともいえます。
毎年5〜6月は稜線から一気に滑走できる楽しい時期です。ぜひ、その時期にお越しになってはとアドバイスさせていただきました。ただ、その時期でも、登頂ルート及びに大雪渓から畳平へ帰るルートに急斜面をトラバースする必要があります。踏み跡がないとスキーブーツでも困難な状態です。必ずアイゼンを持参の上、お越しください。
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |