ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.19(2008/09/20〜21) A
【大雪渓トイレ改修工事】
![]() |
トイレ改修工事 |
8月下旬から開始された大雪渓トイレ改修工事は作業が進んでいます。
![]() |
![]() |
蒸散槽 | 周辺をブロックで覆う |
左の画像の蒸散槽はほぼこれで完成とのこと。あと表面が風で飛ばされないように処理を施し、周囲を土などで固めます。そして、トイレ周辺をブロックで覆うための工事が進められています。
![]() |
ここに受水槽を設置 |
道路を挟んだ反対側には大雪渓からの雪解け水を受ける受水槽を設置する基礎が作られています。この水をトイレの浄化処理に使用します。
避難小屋の工事も進み、基礎部分の鉄骨が組まれています。
この鉄骨内部にコンクリートを流し込むための枠組みが行われます。
今日一日で鉄骨の周りは完全に枠組みされて、近日中にはコンクリートが流し込まれるとのこと。建物はこの上にできるそうで、この規模の建物でこれだけの基礎部分をもつものは通常はないとのことです。
【雪渓下部 T】
![]() |
![]() |
それではここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。
![]() |
雪渓下部は先々週の段階で完全に雪解けが完了しました。
![]() |
ミヤマクロスゲ − 先週とあまり変わりありません |
積雪がなくなると徐々に目立ってくるのがミヤマクロスゲ。先週と比べて少しずつ黄色身を帯びてくるようになってきましたが大きな変化はありません。今後は小麦色のきれいな色合いとなってきます。ここに強い日差しが差し込むと収穫前の小麦畑のような鮮やかな小金色が光ります。
![]() |
魔利支天岳 − コバイケイソウの紅葉はピークを過ぎる |
雪渓下部から望む魔利支天岳の山肌もいつもならコバイケイソウの紅葉がきれいに見られますが、はっきりとした黄色を見せないうちにピークが過ぎているように感じます。
![]() |
![]() |
スキーヤー専用道のウラジロナナカマド |
しっかりした赤色に |
こちらは雪渓上部に続くスキーヤー専用道脇のウラジロナナカマド。先週当たりからようやく赤くなり始めた実がしっかりとした赤色になってきました。ほぼ昨年と同じ傾向です。
![]() |
紅葉も見事 |
通常のウラジロナナカマドであれば、実が先に赤くなり、そのあとを追うように紅葉が始まりますが、スキーヤー専用道脇のウラジロナナカマドはどうやら同時に赤くなっています。紅葉の情報については6ページ目の 【紅葉情報】 でまとめてお伝えいたします。
【雪渓下部 U】
![]() |
![]() |
石碑の岩 | 石碑の岩の下部 |
こちらは雪渓下部の西側上部にある石碑の岩。8週間前の段階で周辺の雪解けは完全に終了しています。右の画像の石碑の岩の下部のバーンは5週間前の段階で雪解けが完了しています。
![]() |
チングルマ − 先週とほぼ同じ状況 |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。一時は赤くなった葉もありましたがその後はほとんど変化を見せず、緑の状態が続きました。しかし、今週に入って、全体的に葉の先端から赤くなり始めている様子がうかがえます。昨年よりやや遅い状況です。
こちらのチングルマは開花に関しては全体よりも早めであったものの、紅葉は前述のスキーヤー専用道脇のウラジロナナカマドの実と同様に。全体の中では遅い推移を見せています。
![]() |
スキーヤー専用道を進み、その足元には...
![]() |
![]() |
昨年踏みつけられたコバイケイソウが紅葉 − 周囲を石で保護されて |
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.13(2008/08/15〜17) B でご紹介したしましたが、昨年、踏まれて倒れてしまったコバイケイソウは今年は花をつけませんでした。しかし、ご覧のようにがきれいな黄色の紅葉を見せています。しかも、踏まれないように周囲を石で保護され、誰かが施してくれたそんなちょっとした心遣いがうれしいですね。
![]() |
![]() |
スキーヤー専用道 | 雪渓上部下端まで45メートル |
さらにスキーヤー専用道を進むと、雪渓上部の下端が確認できるようになってきますが、もうここからは雪渓上部の下端を確認することができません。雪渓上部の下端は先週の段階で右の画像の位置から39メートル先でしたが、今週は45メートルとなっています。
![]() |
⇒ | ![]() |
先週の雪渓上部下端部分 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.18(2008/09/13〜14) A |
今週の状況 |
先週の状況から雪渓上部右側は左の画像からもお分かりの通り、なくなってもおかしくない状況で、右の画像は同じ箇所の今週のもので、ここからでは雪渓が残っているかどうかすらわからない状況です。
![]() |
雪渓上部下端部分 −昨年より3週間遅い状況 |
しかし、ご覧のように猫の額ほどの雪渓が残り、さらに上部にもまだ残っています。今週は雪解けのペースが遅くなり、昨年と比べて3週間近く遅い状況です。雪渓上部右側の様子については 【雪渓上部 T】 のコーナーでお伝えいたします。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンにしてください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |