ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2009/04/18〜19) E
【春の訪れ − 富士見沢・大黒岳のオープンバーン、雷鳥】
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屋根板 |
ここからは少しずつ変化を始めるオープンバーンの様子をお伝えします。
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うっすらと積もった新雪のが融け始めて黄砂の斑模様 |
それまで白一色だった雪面もご覧のように黄砂で少し汚れ始め、富士見岳や富士見沢は数日前にうっすらと降った新雪が融け始めて、右の画像のように斑模様となっています。
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抜け落ちる羽根に黒いものが目立つ |
こちらは鶴ヶ沢。雪面に抜け落ちている羽根に、白い物の中に黒〜灰色の羽根もあります。
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雷鳥 − 春に向けて衣替えが始まる |
2週間前に出会った頃は白一色だった雷鳥も、ご覧のように衣替えを始めている様子がうかがえます。先ほどの抜け落ちた羽根は雷鳥のもの。よく観察すると白い雪面の至るところで、同じように白と黒の羽根が抜け落ちていることに気付きます。
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黒い羽根が雪面では目立ちます |
黒い羽根が少し現れだしただけですが、真っ白な雪面の中では良く目立つ状況です。
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しかしハイマツ帯ではむしろ保護色に |
しかし、雪解けとともに出現し始めたハイマツ帯の中では、真っ白な体よりも斑模様のほうが目立ちにくくなり、そのエリアの状況に合わせて、羽根が抜け替わる時期を調節しているのかと思ってしまうほどです。
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大黒岳からの眺め |
こちらは大黒岳山頂直下から見た剣ヶ峰方面。いつもよりもさらにスケール感の大きなノリクラを感じさせてくれます。左のなだらかな山が高天ヶ原。中央が剣ヶ峰。そして、右側には魔利支天岳から富士見岳へと二つのピークが連なっています。
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剣ヶ峰、蚕玉岳 | 魔利支天岳東斜面 |
そして、こちらは位ヶ原から見た二つ画像。左は剣ヶ峰と蚕玉岳、右は魔利支天岳東斜面。どちらもツアーコースから登ってきたスキーヤー・ボーダーの方々が目指すエリアですが、今日はご覧のように左の画像の剣ヶ峰〜蚕玉岳間の稜線から降りる沢筋にいくつものシュプールが刻まれています。
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穏やかな天候の中... |
そんなシュプールを眺めながらゆっくりと休憩できるほど、今日は穏やかな天候が続きます。
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のんびり眺めるのも山の楽しみ方... |
剣ヶ峰と魔利支天岳の双方をはっきりと眺められるスポットに腰を下ろして、じっくりとその光景を楽しんでいます。ピークを目指すだけが山の楽しみ方ではないと考えられるのは心に余裕があるからでしょうか。
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雪原の向こうに視線を合わせて... |
普段なら西からの強い風にさらされて、休憩なんて考えられないオープンバーンですが、天候さえ穏やかであれば、オープンバーンだからこそ、雄大に広がる雪原の遠くに視線をあわせ、日常では味わえない世界に浸ることができます。
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穏やかな時間が終日続く |
冬の白銀の美しさを厳冬期にはじっくりと楽しませてくれる余裕を与えてくれませんが、春のこの時期はそんなことを許してくれる時があったりもするのです。
<編集後記>
4月も後半に差し掛かり、穏やかな週末が続いています。先週に引き続き、休暇村からの長丁場のアクセスが必要な状態であるにもかかわらず、本当にたくさんの方がお越しになりました。天候が良かったことも一因とは思いますが、他の山で雪不足の状況が見られるといったことあるようです。ただ、本当の所はノリクラの魅力が多くの方に浸透して来ているのではと思い込みたい所です。
次の週末から三本滝レストハウスまでマイカーの乗り入れができ、5月2日から位ヶ原山荘行きの春スキーバスが運行される予定です。それに伴い、ゲレンデスキーのシーズンを終えてノリクラ入りする方も多くなるかと思います。
スキーは雪という自然物が無ければ成り立たないスポーツです。しかし、同じスキーでもゲレンデ内での滑走とノリクラのようなフィールドでの滑走は、ある意味違う側面を持っているのも事実です。ゲレンデ内以上に状況変化に注意しなければいけないことは容易に想像がつくことと思いますが、スキーの足裏感覚を研ぎ澄ますのと同様に、気象状況や地形・雪面状況を察知する感覚を鋭くすることが、スキー技術向上にもつながるかもしれませんね。
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