ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2009/07/11) A

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(Update:2008/07/16)

 

【大雪渓に到着】

気温8℃。 − どんなに暑くても、どんなに晴れてても、アウターと合羽は必ず持参してください

大雪渓駐車場に到着すれば、滑走エリアに向かう準備が始まります。観光センターを出発した頃のシャトルバスの車内は、やや、蒸し暑さを感じるほどでしたが、シャトルバスが到着した8時ごろの大雪渓駐車場の気温は8℃。山麓とは10℃近くも気温差があり、アウターを着込むところから準備を始めるスキーヤーもいらっしゃいます。

大雪渓や畳平に向かう方は、時期を問わず、必ずアウターを持参することをお勧めします。また、山頂登山や大雪渓でのスキー・ボードを楽しむなど、長時間にわたって、フィールドで過ごされる場合は、どんなに良い天候でも、合羽の持参は忘れてはなりません。

特に、これからの夏の時期は、強い日差しに地表の空気が暖められ、午後からは不安定な天候に推移するのが山の天気です。降り注ぐ太陽の光線が強いほど、天候は不安定になる要因が強くなりますので、朝から燦々と太陽が降り注ぐような場合は、午後にはどんでん返しが待っていると思ったほうが良いでしょう。

 

そして、ご覧のように綺麗な青空が広がり、上層の雲が薄くたなびく状況となり、昨日までの雨はうそのような天候。

 

そんな状況の中、到着間際から、大雪渓の眺めをつまみに、ビールを傾けるのは最高の贅沢です。

 

雑草に見える周辺の草は、全て高山植物です

大雪渓駐車場の標高は2600メートル。中部山岳地域では、この標高は高山帯に属し、高山植物がいたるところに分布します。そのため、駐車場とは言えども、あちこちで高山植物を見かけることができ、ご覧のように、駐車場のアスファルトの隙間にもイワツメグサが見られます。

ハイマツやウラジロナナカマドなどはご存知の高山植物ですが、大雪渓エリア一帯で見られる大半の植物は、山麓では見ることのできない高山植物で、雑草に見えるものも、実は高山植物の図鑑などで、しっかり植物名が載っているものばかりです。

 

こちらは大雪渓駐車場隣にあるトイレ。

 

バイオ処理の水洗トイレに改修 − 左画像:処理槽、右画像:蒸散槽

昨年秋には汚水をバイオ処理するための改修工事が行われました。左の画像はトイレすぐ横に設置された処理槽。ここで汚水が分解され、右の画像の砂利で覆われた蒸散槽から、処理水が水蒸気となって発散されます。

今回の改修工事で、トイレそのものも汲み取り式から水洗式となり、衛生状態も改善されています。

滑走エリアに向けて出発

まだこの時期は、雪渓上部の急斜面エリアに向かう場合は、そのままブーツで雪渓を歩いて行きますが、もう少し、雪解けが進んで、雪渓上部と下部が分断されると、スキーヤー専用道を歩かなければなりません。スキーヤー専用道はほぼ登山道と同じ状態ですので、ブーツよりも登山靴などで雪のあるところまで歩いて行きます。

そのため、スキー板はもちろんのこと、ブーツも背負って行く必要があり、ザックにスキー板がくくりつけられると、かなり負担が異なります。したがって、ザックは両サイドにスキー板を取り付けるバンドのあるタイプが良いでしょう。

 

【雪渓下部 T】

ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2008/07/12〜13) A
今週の大雪渓入口
昨年並み

こちらは大雪渓入口付近の様子。先週の段階では、雪渓下端は車道から20メートルほどのところにありましたが、さらに上の方まで雪解けが進んで、測定できない状態となっています。昨年も同様の状態で、昨年の画像と比較してもその様子が分かります。

 

ここから車道まで18メートル 雪渓下端付近は所々に岩の頭が

左の画像の雪解け水が集まるこの部分を雪渓下端とすれば、ここから車道までは18メートルです。右の画像でお分かりの通り、雪渓下端部分では雪渓上に所々で岩の頭が見え始めています

 

昨年の雪渓下部 下端部分
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2008/07/12〜13) A

今年の雪渓下部 下端部分
岩が出始めて、昨年とほぼ同じ状況

こちらが岩が出始めたところの様子。昨年も同時期に同じように岩の頭が出始めていることが分かります。

 

スキーヤー専用道 − ウラジロナナカマド

緑が濃くなり、つぼみは一段と大きくなる

こちらは大雪渓入口付近のスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマド。緑が一段と濃くなり、先週あたりから見られるようになったつぼみが、さらに大きくなっています。冷泉小屋付近などでは大半のウラジロナナカマドが白い花をつけていますが、大雪渓エリアもそんな時期に近づいています。

 

登山道入口 幅は4メートル − 昨年より一週間早い雪解け

こちらは大雪渓入口から50メートルほど北にある肩の小屋へ向かう登山道。ここから始まる登山道は、大雪渓の北側を肩の小屋に向かって登り、肩の小屋で畳平からのルートと合流します。先週の段階では、入口周辺の大半の部分が雪で覆われていましたが、ご覧のように入口部分はほぼ完全に雪解けしています。

また、この付近の雪渓下端と車道との間は4メートルほどあって、昨年より一週間早い雪解けを見せています。

昨年の登山道入口付近
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2008/07/12〜13) A
今週の登山道入口付近
昨年並み

前述の雪渓下端と車道との隙間に関しては、昨年より一週間早い推移を見せていますが、ご覧のように昨年の画像と比較すると、登山道入口付近の積雪量は、昨年とほぼ同じであることが分かります。

 

登山道入口から30メートル − ここから積雪

登山道入口から30メートルほど進むと、ご覧のように登山道は、まだ、積雪に覆われた状態。

 

そのため、ここからはアイゼンを装着して進むことになります。

 

雪渓上に設置された誘導ロープに沿って、肩の小屋を目指します。 Next

 

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