ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2011/05/14〜15) C
【位ヶ原】
ここからは森林限界を超えて完全なオープンバーンとなります。そのため、この時期は天候条件が良くなければこれ以上先に進むことができないエリアとなります。
左の画像のようにツアーコースの位ヶ原急斜面には除雪による雪の塊が散乱しています。県道乗鞍岳線の除雪は位ヶ原山荘付近まででしたが、ゴールデンウィークが終わって除雪が再開され、ツアーコース位ヶ原急斜面上部付近まで除雪が進んでいます。
ツアーコースの上端部分は、位ヶ原山荘から1.5kmほど先にある県道乗鞍岳線10号カーブ付近に該当します。カーブ部分はご覧のように人の背丈以上の切りとおしとなっていますので、位ヶ原からツアーコースに下山滑走する時には誤って転落しないように注意が必要です。
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今週のツアーコース上端部分(10号カーブ) | 紅葉を迎えたツアーコース上端部分(10号カーブ) 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2010/10/09〜10) E 【紅葉情報 − 宝徳霊神〜位ヶ原付近 U】 |
雪原が一面に広がる10号カーブ付近も、季節がめぐるとご覧のような紅葉スポットに移り変わります。位ヶ原周辺の紅葉は例年9月下旬から10月上旬に見頃を迎えます。
この時期の位ヶ原は初雪・初冠雪に見舞われることがしばしばあり、紅葉した葉が降雪によって一晩で枯れてしまったり、紅葉前に降雪があれば、霜枯れによってその年は紅葉せずに終わってしまいます。
位ヶ原エリアの紅葉はそんな微妙なバランスの中にあり、当たり年となれば錦絵のロケーションが広がります。
先週、かもしかゲレンデから歩いてツアーコースを登ってきたこちらのボーダーの方。今週も引き続きお越しになりました。激しい雪解けで高天ヶ原や剣ヶ峰の山肌はハイマツ帯が幾筋も見られるようになって、「先週と風景が様変わりしてしまい、がっかり...」と、落胆が隠せません。
光景は冬から春へと一気に変化してしまいましたが、周辺の気温は2℃まで低下し、冷たい風が吹き抜ける状況は冬に逆戻りしたように感じられるほど。「冬のゲレンデよりも寒い...」と、身を小さくします。
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先週の位ヶ原7号カーブ付近(2011/05/07) | 今週の位ヶ原7号カーブ付近 − 大幅に積雪量が減少 |
これまで横ばいか増加傾向を示していましたが、今週はご覧のように1メートル以上の雪解けが見られます。これまでは山麓が雨であっても上部エリアは雪であることが多い季節でしたが、これからは雨の確立が多くなり、今回も降雨によって大幅に積雪量が減少しました。
白一色の位ヶ原も色々なものが顔を出すようになってきました。ツアーコースへの下山滑走はガードレールなど道路の構造物などへの注意が必要となります。また、ハイマツ帯が多くなってきたり、除雪がさらに進むと滑走ルートが制限されるようになります。
5月14日(土)時点の除雪状況は、左の画像の7号カーブ付近まで進んでいます。
【大雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2010/05/14〜15) B ↓ |
先週の大雪渓入口 (2011/05/07) ↓ |
こちらは大雪渓入口付近。左上の画像は昨年同時期の様子、右上の画像は先週の様子です。先週から1メートル以上の雪解けが見られ、昨年よりも一週間以上早い雪解け状況です。
登山道の標識も姿をあらわす | 看板の裏はハイマツ帯が目立つ |
前川国有林の看板の手前に登山道を示す標識がありますが、そちらも姿をあらわすようになり、前川国有林の看板の裏側にはハイマツ帯が目立つようになって来ました。どちらも昨年よりも一週間早い雪解け状況です。
大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。
トイレ小屋・駐車場周辺は縁石やガードレールなどが雪解けによって姿を現しています。こちらも昨年よりも一週間早い雪解け状況です。
13時の大雪渓の気温はマイナス2℃。上空を見ると鉛色の雲がさらに低くなり小雪が降り始めます。午前中に緩んだ雪面は再び硬くしまって来るところからも気温が低下していることがわかります。
トイレ付近で休憩されていた方々も「もう少し先まで行ったら引き返します。」と、おっしゃりながら大雪渓へと進んで行きました。
今日は前線通過後の寒気の流れ込みで思ったように良い天気になりませんでした。明日、もう一度お越しになるというこちらの方々。良い天候に恵まれることを期待したいところです。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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