ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.24(2014/10/18〜19) @
先週の三連休に到来した台風19号が過ぎ去ってからは、急激に寒さが厳しくなり、山頂方面では朝晩の積雪凍結が頻繁に見られるようになって来ました。秋から冬へと移り変わりつつあります。
10月18日(土)は、この秋一番の冷え込みとなりました。6時の気温はマイナス1℃で快晴の朝を迎えます。乗鞍スカイラインは昨日に引き続いて凍結通行止。県道乗鞍岳線は一部凍結箇所があったものの、開門時間までに解消して通行可能に。しかし、シャトルバスは始発便は運休となり、次便以降は乗鞍スカイライン開通を待って運行再開ということになり、訪れた方々も窓口に一旦立ち寄るものの、タクシーに切り替えたり、乗鞍高原散策に変更される様子が見られました。日中になっても晴天は変わらず、朝一番の冷え込みからポカポカ陽気に。そして、乗鞍スカイラインは8時30分に開通し、シャトルバスは9時から運行開始となります。午後になっても天候に変化はなく、新雪の残る登山道では日陰箇所では雪が踏み固められてスリップしやすく、慎重に下山する登山者の様子も見られました。とにかく終日快晴&ポカポカ陽気に包まれた一日でした。
10月19日(日)は、昨日同様に冷え込んだ朝を迎え、また、昨日以上に終日完全快晴の一日でした。乗鞍スカイラインは凍結箇所はなく、久々に通常通りの開門で、シャトルバスも通常通りの運行が始まりました。紅葉が乗鞍高原一帯に広がっていることから、今日は周辺散策を楽しむ様子も多く見られ、一の瀬のレンゲツツジ群生地の駐車場や大カエデ前の駐車場、また、善五郎の滝の駐車場などは絶えず多くの方が訪れていました。また、快晴に加えてほぼ無風のため、自転車の台数は少なかったもののヒルクライム日和で、日本一周中のチャリダーも日本最高標高地点を目指して一生懸命登る様子がありました。午後になって稜線付近では冷たい風が吹きぬけるようになるものの雲ひとつない快晴が続きます。ただ、日中は穏やかで過ごしやすくても、日がかげると一気に冷え込むのがこの時期の特徴でもあり、晩秋から初冬への季節の移り変わりを感じる一日でもありました。
紅葉は三本滝ゲートから上部は完全に終わって、見頃は乗鞍高原に移ってきました。取材一日目の18日(土)ははっきりとしなかった色付きが二日目の19日(日)には綺麗な状態になりました。また、一の瀬ノ大カエデはピークが過ぎて落葉が目立つようになってきたものの、鮮やかな色合いは続いていて、多くのカメラマンに取り囲まれる様子は先週と一向に変わっていません。
【10月18日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは朝の観光センター前駐車場。ご覧の通り、見事な快晴です。
この1週間は降雪凍結が多く、山頂付近は雪が残る |
この1週間は降雪凍結に見舞われる日が多く、13日(月)の三連休最終日は台風19号の影響から雨、そして、台風19号が通過した14日(火)は終日の濃霧で、この日は上高地乗鞍スーパー林道A線(奈川〜乗鞍)の奈川側から2km地点で台風19号の影響による土砂崩れが確認され、奈川〜白樺峠間が当面通行止めとなりました。その後は寒気が入り込んで、15日(水)と16日(木)は、乗鞍スカイラインでは午前中は積雪と凍結による通行止が実施され、17日(金)にいたっては、融雪作業を実施するものの、終日通行止めとなるほどでした。
また、乗鞍岳の初冠雪ですが、16日(木)にも山頂付近で早朝積雪が見られたものの、積雪量や周辺の山の状況などを勘案すると、17日(金)あたりが初冠雪となりました。
シャトルバス乗り場 | 最低気温マイナス1℃ − ベンチは霜に覆われる |
こちらはシャトルバス乗り場。本来ならテントがあるはずですが、台風19号の強風で損壊してしまいました。この日の最低気温はマイナス1℃で、外気にさらされたベンチはびっしりと霜で覆われていました。
シャトルバス案内所 | 乗鞍スカイライン通行止のため運休 |
先に述べたようにこの1週間は岐阜県側の乗鞍スカイラインが7時の開門時間から予定通りオープンできない状況で、今日も路面凍結のため通行止めとなりました。そのため、シャトルバスは乗鞍スカイラインの開通を待って運行を開始させる方向で検討されているため、開通までは運行見合わせとなりました。
長野県側は通行可 − シャトルバスをあきらめてタクシーに切り返る |
しかし、乗鞍高原から県境に向かう長野県側の県道乗鞍岳線は通常通り通行できるため、シャトルバスをあきらめて、タクシーで向かう登山者の姿が見られました。ただ、一人で乗車すると割高となるため、5人程度にまとまって一緒に乗車されたようです。
乗鞍高原散策に変更 |
また、観光案内図を見ながら、乗鞍高原周辺を散策しようと計画変更の方もいらっしゃいました。「乗鞍高原」と一言で括ってしまうとその大きさがわかりませんが、上は三本滝あたりから、下は中平までのエリアがあり、その中でも、三本滝から一の瀬園地を回って観光センターまで戻る計画なら、ほぼ1日コースとなってしまうほどです。紅葉の進んだこの時期は、黄金色の紅葉に包まれた小径が続き、山頂登山とはまた別の楽しさが感じられるはずです。
防寒対策を整えてヒルクライム | 動画撮影用のカメラも... |
やはりこの寒さでヒルクライムの方はかなり少ない状況で、今日は三本滝から先に向かった自転車は午前・午後で各4台だけでした。こちらの方もしっかりとした防寒対策を施して出発の準備...それよりも自転車の前後に取り付けたカメラの調整がもっと大事...「折角登るのですから、よい風景を撮影したいものです。」と、おっしゃっていました。
シャトルバス − 乗鞍スカイライン通行止め解除に伴い、9時便より運行開始 |
話が前後しますが、今日の乗鞍スカイラインの路面凍結は昨日ほどひどいものではなく、融雪作業が実施された結果、8時30分に開通しました。それにあわせて、シャトルバスは9時便から運行開始されました。ほとんどが登山の方のようで、終日晴と天気予報で発表されれば、登山日和に間違いないと考えるところでしょう...登山道に残っている積雪と防寒対策には十分な注意を払う必要があるかと思います。
なお、10月20日より31日までは晩秋ダイヤとなり、7時の始発便から9時便、10時便、12時便、14時便、最終15時30分便と、約2時間おきの間引きダイヤに変更されます。なお、下りは畳平発が、8時05分便、10時05分便、12時05分便、14時05分便、16時05分便、最終16時30分便です。
【観光センターから大雪渓へT(乗鞍高原周辺、沿道の風景)】
一の瀬 大カエデ前の駐車スペース | この先は上高地乗鞍スーパー林道(土砂崩れ通行止) |
それではいつものように観光センターから大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。今日も少し寄り道して、一の瀬の大カエデの様子をご覧ください。こちらが観光センターから2.7km先にある大カエデの入口付近。ご覧の通り、数台の車が駐車できるスペースがあります。また、その先は上高地乗鞍スーバー林道A線で、10月14日(火)に土砂崩れが発生したため白樺峠までの通行しかできず、奈川方面への通り抜けはできません。土砂崩れの規模が大きく、当面の間、通行止めの可能性があります。
一の瀬の大カエデの位置は、ノリクラガイドマップ (紅葉 下部エリア版) にてご確認ください。
また、昨年の 2013ノリクラ雪渓カレンダー 2013シーズン 正式版 Vol.22(2013/10/05〜06) G 【一の瀬 大カエデへの行き方】 で、画像付きで紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
一の瀬 大カエデ | たくさんのカメラマンが |
入口からものの数分で大カエデを確認できるはずです。今日も多くのカメラマンが大カエデを取り囲んでいます。
皆さんカメラ片手にやってくる |
三脚に大きな一眼レフを構えるカメラマンも、片手でスマホをかざす方も、シャッターを押す瞬間は一流のカメラマンになりきった気分で大カエデを切り取ります。
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先週の一の瀬大カエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2014/10/11〜12) @ |
今週の一の瀬大カエデ ピークから2〜3日経過 − 先週より色合いがよいが落葉が |
例年の大カエデのピークは10月20日前後ですが、今年は10月15日(水)あたりにピークが見られ、その後は一気に落葉が始まったとの事。先週の画像と比較すると、確かに今週の方が鮮やかな発色ですが、大カエデの形が変わってしまうほどの落葉が見られます。
おそらく、大カエデの見頃はこの週末までで、長くてもあと数日で終了してしまうと考えられます。
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先週の鈴蘭バス停のカエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2014/10/11〜12) @ |
今週の鈴蘭バス停のカエデ 色合いもボリュームも乏しくなる |
それでは、一の瀬から県道乗鞍岳線に戻って、こちらは鈴蘭バス停のカエデ。紅葉が始まって2ヶ月近くがたち、これまではどんどんと発色が良くなってきましたが、今週は葉のボリュームが若干なくなって、色合いもやや鮮やかさが乏しいように見られます。
始まりは大カエデよりもかなり早いものの、終りは大カエデとほぼ同じ時期です。
善五郎の滝 駐車場 − ノリクラが一望できるポイント |
さらに進んで、善五郎の滝 駐車場。ノリクラが一望できるポイントです。おそらく、このように山麓エリアで乗鞍を一望できる開けたロケーションがあるのは、この先にある鈴蘭橋のみです。それより上部になると、ここから15km先の位ヶ原山荘の先の11号カーブまで登らないと確認できない状況です。もちろんマイカー規制区間ですから、マイカーで自由に往来できるエリアでは、こちらの善五郎の滝 駐車場と鈴蘭橋の二箇所だけです。
また、逆に観光センターから数百メートル下った場所もご覧のように綺麗に見られる場所があります。
善五郎の滝への遊歩道 | 紅葉 − まだ完全な色付きではないのに落葉が目立つ |
こちらは善五郎の滝への遊歩道。ミズナラ林の美しい所で、例年なら、そろそろ、ミズナラの黄金色の紅葉が見られるはずですが、今年はまだ緑色部分が残って完全に色づいていません。さらには落葉が目立っていて、ボリューム感がやや乏しい状況です。例年なら青空がほとんど見えない鬱蒼とした森です。
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先週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2014/10/11〜12) @ |
今週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 色付きが進まず落葉が目立つ |
善五郎の滝駐車場から休暇村に向かう区間のミズナラ林も一見の価値があります。大雪渓・位ヶ原の上部エリアや中腹の冷泉・摩利支天付近の紅葉は昨年よりも1週間早い状況でしたが、山麓の乗鞍高原の紅葉は色付き始めは若干早い様子が見られたものの、その後の進行が遅く、本来なら今週当たりから鮮やかな黄色から深い黄金色になってきてもおかしくありません。
さらには、紅葉がしっかり進んでいないにもかかわらず、落葉がすでに始まっている点も気がかりです。
心和む風景 |
青空にぽっかりと浮かぶ雲、そして、山頂には雪が積もり、見ているだけ心和む風景です。
鈴蘭橋もノリクラを一望できるビューポイント | 山頂には積雪 − もっと積もれば三段紅葉に |
こちらは善五郎の滝 駐車場のところでも申し上げた鈴蘭橋からのビューポイント。紅葉が進んでいないとは言いつつも、ご覧のように見頃に近い部分もあって、ノリクラがもう少ししっかりと冠雪が残っていたら、空の青と雪の白、そして、紅葉の赤や黄色の配色で、三段紅葉が楽しめたはずです。
夜泣峠 |
休暇村を過ぎて1km程度進むと夜泣峠に差し掛かります。
乗鞍高原や白樺峠方面の紅葉を一望 |
夜泣峠周辺の紅葉はもう終りに近い状態ですが、ここから俯瞰する乗鞍高原方面や白樺峠方面の紅葉が見事!先週よりも一段と色付き、森全体が黄色に染まっています。染まっているというよりも燃えているといったほうが正解でしょうか。その大半がミズナラで構成されています。
休暇村〜三本滝間のカラマツも色付き始める |
さて、休暇村から三本滝まではカラマツが周辺に植林されていて、結構はっきりと色付き始めているカラマツを数多く見かけるようになって来ました。カラマツの紅葉についてはほぼ例年並かやや早めの進捗かと思います。
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