ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2017/09/09) @
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秋という季節は、他の季節よりも、手元にある小さな出来事・変化に敏感になる季節じゃないかと思うんです。「小さな秋」という歌がありますが、人々の視線をそんなミクロの世界へといざなう雰囲気を持っているのかもしれません。
夏から冬へ向けて、マクロな世界からミクロな世界への視線の移り変わりがあって、また、冬から春へと向かうと広い世界へと開放的になる...そんな繰り返しを四季とともに過ごしているのかもしれません。
そんな一年の変化を一番感じる季節ですから、夏が終わって紅葉が始まるまでの短い間に、変化を敏感に感じ取れるよう心の準備をしておきたいものですね。
【9月9日(土)、観光センター前駐車場】
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観光センター前駐車場 |
こちらは早朝6時の観光センター前駐車場。
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夜明けとともに晴れてきた! |
夜明け前まで曇っていたものの、日の出と同時に山頂方面の雲が抜けて始めて来ました。気温は11℃、もう半袖では肌寒くて長袖が必須です。
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シャトルバス乗車券売り場 − チケットを求める列が... | シャトルバス始発便を待つ列 |
昨日は雨量規制のため、岐阜県側の乗鞍スカイラインが14時30分まで通行止めで、シャトルバス終日運休となりました。それに連動して本日のご来光バスも運休だったのですが、ご来光バスのために真夜中にお越しになった方もいらっしゃったようで、夜明け前からバス停ベンチに並んでいらっしゃいました。
前日の最終便が運休になった場合や、当日の運行ダイヤがBダイヤが適用された場合は、ご来光バスの運行がありません。この規定は但書に明記されているものの、利用者にはわかりにくいため、もう少しわかりやすい形で明記するか、アナウンスするなどが必要かもしれません。
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シャトルバス始発便到着 | 今日は3台運行 |
6時の時点で観光センター前駐車場には90台ものマイカーがお越しになり、シャトルバスはほぼ満席状態の3台が運行されました。その大半が山頂方面に向かう登山者の方々でしたが、あと2〜3週間もすると、紅葉撮影を目的としたカメラマンの姿が多くなるはずです。
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リカンベント − 苦行以外の何物でもない... | 景色がよいと聞いたので − 初めてのノリクラヒルクライム |
今日もヒルクライムにお越しの方々の姿が数多くみられました。左の自転車はリカンベントと呼ばれる種類のもので、仰向けになって乗車します。平地なら快適そのものですが、勾配のあるノリクラでは苦行にほかなりません(笑)。
右の方々は、今回初めてノリクラにお越しになったとのこと。「知人がノリクラは景色が良いから聞かされていて、一度は来たかったんです。」とのこと。ホントは夏の初めに計画されていたようですが、むしろ今の時期のほうが良かったと思います。気候的にも暑さにだれることなく、また、8月の大会が終わって、ヒルクライマーの数が少なくなって、のんびりと自分のペースで登ることができますから...
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朝5時30分から駐車場管理を | もう寒いよ − 厚手の防寒着で |
駐車場を管理する警備の方。朝5時30分から仕事が始まりますので、一日の中でも一番寒い時間帯からスタートとなり、ご覧のように真冬に使用する厚手の防寒着を着用されています。真冬の朝は、氷点下10℃以下になることが珍しくありませんので、それから比べたら雲泥の差がありますが、急激な気温変化が感じられる時期は、異様に寒く感じるものです。
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じゃ〜行ってきます! | 寒暖差の大きい時期 − 暑さ対策・寒さ対策の両面必要 |
それでも日中は日差しがあれば、まだまだ暑い日もあります。寒暖差の大きい時期でもあり、暑さ対策・寒さ対策の両面が必要でしょう。
【大雪渓までの沿道の風景 T(乗鞍高原〜位ヶ原山荘)】
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それではここからは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。
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2015年の鈴蘭バス停のカエデ 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2015/09/12〜13) @ |
2016年の鈴蘭バス停のカエデ 2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2016/09/10〜11) @ |
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今回の鈴蘭バス停のカエデ 例年よりも色づきが遅い |
ノリクラで一番早く紅葉を始めるのは、鈴蘭バス停のカエデ。先週も申し上げたように、今年は色づきが例年と比べて遅いようです。この傾向は上部の大雪渓・位ヶ原エリアにおいても同様です。
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ミズナラの回廊 − 色づきはまだ... | ミズナラの実(どんぐり)が実る |
こちらはミズナラの実。いわゆるどんぐりです。ほぼ昨年と同じような出来具合の模様。なお、昨年は例年並みかやや不作という状況だったようです。どんぐりの豊凶が、人里へのツキノワグマの出没に関連し、ツキノワグマが越冬するには欠かせない木の実です。
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三本滝ゲート − この先マイカー規制 |
観光センターから7km先の三本滝ゲート。ここからマイカー規制が始まります。
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綺麗な青空 − かもしかゲレンデはお花畑のように |
時間とともに綺麗な青空が広がります。時刻は8時を回ろうとしているところで、気温は15℃、ヒルクライムにはちょうど良い気候ではないでしょうか?かもしかゲレンデには白い花が無数に咲いていることに気付きます。
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ヤナギランのピンク | イタドリ |
その多くはゴマナ、ヨツバヒヨドリ、イタドリなどで、いずれも高さが1メートル以上にもなる山野草ですが、興味のない方にとっては、単なる雑草にしか見えないでしょう。その中でも、ヤナギランだけは花が終わってもきれいなピンク色ですからよく目立ちます。
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摩利支天 −山頂を遠望できる場所 |
県道乗鞍岳線は山麓の乗鞍高原から大雪渓付近で乗鞍岳主峰の剣ヶ峰や乗鞍23座の主要な山々の山腹を横切って畳平へ向かいますが、中腹エリアは木々に阻まれて、山頂方面を一望できる場所はそれほど多くありません。そんな中、摩利支天バス停付近は、山頂方面を一望できる場所です。この摩利支天は、旧コロナ観測所がある摩利支天岳(標高2872メートル)の頂上から不動明王を勧請して参拝しやすくしたものだとされていて、このバス停の付近に石仏が安置されています。また、一説によると、不道明王といえども一気に山頂に登ることができず、この場所から登ったという話もあり、それだけに展望の良い場所であることも納得できます。
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広葉樹は少しずつ緑が薄くなって紅葉の準備へ |
紅葉シーズンが2〜3週間後に迫る中、一見変化は見られないものの、実は葉の色合いが9月初めごろから徐々に薄くなってきています。紅葉しない針葉樹と夏場はほぼ同じ色合いでしたから、その差は歴然です。
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ムシカリの赤い実 | 部分的に紅葉するウラジロナナカマド |
左はムシカリ(オオカメノキ)で、こちらも紅葉し、実は黒く熟します。右はウラジロナナカマドで、一部で赤く紅葉が始まっています。ただ、この現象は、夏場から見られるもので、その多くは数週間後には枯れ落ちてしまい、紅葉全体の進捗をはかり知る要素にはなっていません。
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