ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.3(2018/04/14) @
「春に三日の晴れなし」とよく言われますが、天候の変化の激しい季節をよく表現しています。先週の降雪は季節外れの吹雪・パウダーとなり、その後は晴れた日が周期的にみられ、この1週間はその通りの推移を見せてくれました。そして、今回はリフト営業が先週で終了し、今週は休暇村からの全山登行を強いられる中、予報に反して雨にならなかったことは幸運といえるでしょう。
先週でゲレンデスキーのシーズンが終わり、ゴールデンウィークから始まる乗鞍岳春山バス運行までの間は、ひっそりとした静かなノリクラが戻ってきます。それを寂しいと思うか、自分だけのノリクラを楽しむと思うかは、人それぞれの心持ちといえるでしょうか。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月14日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時30分の観光センター前駐車場。ご覧のとおり、やや雲量が多いものの、きれいな青空の朝を迎えます。
鰯雲 − 綺麗だが天候悪化のサイン | 山頂にだけ日差しがあるおかしな天候 |
上空には鰯雲が綺麗にたなびいています。雲が青いキャンパスに絵筆をふるい、秋を思わせるような光景ですが、これは天候悪化のサイン。半日程度すると雨が降るといわれています。そして、山麓の乗鞍高原にはしっかり日差しが入っていないのに、山頂だけ日差しが差しています。普段、あまりこのような現象は見られませんから、やはり天候がおかしいのでしょうか?
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先週の高天ヶ原(左)と剣ヶ峰(右) ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.2(2018/04/07) @ |
今週の高天ヶ原(左)と剣ヶ峰(右) 積雪が増えている −4月8日(日)の降雪の影響 |
さて、その山頂方面をよく見ると、先週よりも積雪が増えている様子が一目でわかります。特に左側の高天ヶ原は尾根筋のハイマツ帯がほとんど隠れています。4月8日(日)の降雪によるものと思われます。
これまで積雪の少ない傾向を見せていた山頂付近ですから、8日(日)の降雪は恵みの雪となりましたが、それでも例年並みまで回復するには至ってない模様です。
雪解けが進む |
4月も半ばに入り、林の中の雪解けも進んできました。
善五郎の滝への遊歩道入口付近 |
こちらは善五郎の滝への遊歩道入口付近。もう、ほとんど雪はありません。そんな林の中をよく見ると...
カモシカ − 枝先の硬い芽をついばむ |
カモシカに出会いました。大きな立派なカモシカです。ノリクラの本格的な春はもう少し先ですから、こちらのかもしかは枝先の硬い芽をついばんでいました。平地では桜はもう終わって、新緑がまぶしい季節となっていますが、標高の高いノリクラでは来月あたりまでお預けです。
登山届はこちらのポストへ− 提出義務化されています |
こちらは登山届を提出するポスト。昨年までは、三本滝レストハウスに設置されていましたが、今年からスキー場入口に場所が変更されています。登山届の用紙は事前に用意する必要があります。また、インターネットでも申請できる仕組みがいくつかあります。(参考: 登山計画書を提出しましょう/長野県 http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/smartphone/tozankeikakusho.html)
なお、登山届と合わせて山岳保険にも加入することをオススメします。
長野県は、「長野県安全登山条例」を2015年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を2016年4月11日に決定し、2016年7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。( お知らせ−7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。)
条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。
ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。
【今日は休暇村からスタート(全山徒歩)】
休暇村 | 休暇村ゲート −
4月17日(火)11時オープン ★オープン後は三本滝ゲートまで通行可能に★ |
こちらは観光センターから約2km先の休暇村。右の画像は休暇村から100メートルほど先にある休暇村ゲート。冬季はこれより先の通行はできませんが、4月に入って除雪が始まり、今年は17日(火)より三本滝ゲートまでの通行ができるようになります。なお、先週でMt乗鞍のリフト営業が終了していて、今週は三本滝への通行がまだできませんので、今回のツアーコース方面へのアクセスは休暇村から歩いて登ることになります。
【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】
スキー場〜三本滝ゲート (標高1600〜1800m) |
三本滝ゲート〜ツアーコース入口 (標高1800〜2000m) |
ツアーコース入口〜位ヶ原 (標高2000〜2500m) |
位ヶ原方面〜大雪渓 (標高2500〜2600m) |
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●4月7日(日)まで (Mt乗鞍営業期間) |
リフト乗車 | リフト乗車 | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
●4月8日(月)〜17日(火)11時 (休暇村ゲート開門前) |
徒歩(休暇村G、スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
●4月17日(火)11時〜27日(金) (休暇村ゲート開門後) |
マイカー(県道乗鞍岳線) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) | 徒歩(スノーシュー等) |
●4月28日(土)予定〜5月下旬 (春山バス運行開始後) |
マイカー(県道乗鞍岳線) | 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) | 徒歩(スノーシュー等) | |
●5月下旬〜6月30日(土) (大雪渓延長運行開始後) |
マイカー(県道乗鞍岳線) | 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月24日(日)は天空マラソンのため運休 | ||
【岐阜県】5月15日(火)〜 | 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m) |
こちらが、今後のツアーコース・山頂方面へのアクセス方法です。4月から5月にかけては、週単位でアクセス方法が変わりますので、よく調べておく必要があります。
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2017年の休暇村ゲレンデ 2017ノリクラ 雪渓カレンダー レリリース版Vol.3(2017/04/15) @ |
今回の休暇村ゲレンデ |
こちらが休暇村ゲレンデ。今日の出発地点です。ここからかもしかゲレンデまで登り、その先はこれまでと同様、ツアーコースを登って行きます。この辺りの標高は1600mですから、ツアーコース入口まで、標高差400メートル、直線距離約2kmを登ることになります。
昨年と比べて、積雪量が少ない状況ですが、この先、かもしかゲレンデまで雪はつながっていて、登行・下山滑走とも問題なく可能です。
全山登行を強いられるものの、人出は多い | 今日はかもしかゲレンデで雪上訓練の予定 |
先週まではリフトを利用することができ、来週は17日(火)に休暇村ゲートがオープンしてマイカーで三本滝までアクセスできますから、今回だけ全山登行を強いられます。そのため、お越しになる方が少なくなると思ったものの、今日は最終的には30名ほどの方が入山されました。
こちらのグループはかもしかゲレンデ周辺でテント泊しながら雪上訓練に向かう予定とのこと。ツアーコースなどは冬季でも比較的入山しやすいことから、雪上訓練を目的としたパーティーに出合うことがたびたびあります。
今シーズンは今日がノリクラ初日 | 静かなノリクラを楽しみたいから... |
「いつも見てますよ!」とおっしゃるこちらの方、今シーズンは今日がノリクラ初日とのこと。「どうして今週って?やはり静かなノリクラを楽しみたいからですよ〜」。
今日は初めてノリクラにお越しの方もお連れして出発します...
初めてのノリクラ − 「登れる自信ないなぁ〜」 | 出発! |
しかし、初めての方々(右のお二人)は、ちょっと緊張気味...「本当に大丈夫かなぁ〜、ちゃんと上まで行けるかなぁ...」と、今にも泣きだしそうな今日の空と同じような表情。でも、みんなで登れば大丈夫です。登るたびに景色変化が楽しめるノリクラなら楽しく登っていけるはずですよ!
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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