ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2007/04/21) F
【春の訪れ−熊の足跡】
濃霧の屋根板 | 木々と足跡以外は何も見えません |
こちらは屋根板。濃霧に包まれ何も見えず、眼中に入ってくるのは周辺の木々と足跡だけです。
雪原を横切る足跡 |
そんな雪原を横切る足跡があります。ここは登山道から少し離れたところですので、人が歩くことはまずありません。
大きさは20センチほど |
写真に写るコンパスは長辺が10センチです。したがって足跡の大きさは20センチほどもあります。
しっかりとした5本爪のアイゼン |
ご覧のようにしっかりとした5本爪のアイゼンを装着し、雪面にしっかりと食い込ませながら歩いている様子が伺えます。
この足跡が春への確かな歩みの証 |
昨年の秋はどんぐり類の実りが悪く、人里に下りたクマによる被害が多発した年でした。06年度は前年の4倍を超える5185頭のクマが全国で捕獲され、過去最多の記録となりました。長野県だけでも704頭が捕獲されています。
これからのシーズンは、冬眠から目覚めたツキノワグマが活動を始める時期です。一般的にツキノワグマは、自ら人間を襲うことはないと言われていますが、何かの物陰からばったり鉢合わせしたり、子連れのクマは、危険な場合あります。熊鈴やラジオなど、可能な限りの防衛策を講じた上で、山中に入ったほうが良いでしょう。
まだまだ、木々の芽吹きはありませんが、この足跡の一歩一歩が、春への確かな歩みといっても良いでしょう。
<編集後記>
大雪渓の取材は全く何も見えない中での撮影でした。撮影を途中で打ち切ったのは時間的な制約と、視界不良で撮影そのものができないこと以外に、速報でもお伝えしたように、雪渓全体が、「ググググ...」と、雪の締まる音が断続的にあちこちで発生し、特に魔利支天岳から伸びる山裾には雪の塊がぼろぼろと落ちてくる音がしています。そんな現象が何度か続きましたので、大雪渓内部に立ち入ることをやめ、とりあえず、入口付近の撮影を至急済ませ、滑る準備をしていたところに、斜面全体が「ザザー」と音を立て始めました。大雪渓のどこかで小さな雪崩が起きたと想像します。ただ、この濃霧のため、そのあたりで発生したのか確認できませんでした。大事に至らなかったことだけが幸いです。
今週末からGWに入ります。今年はカレンダーの並びがよく、行楽地などでは多くの人出を予測しているようです。春スキーバスの運行開始が5月上旬に延期され、少し残念なところではあります。ただ、ゲレンデスキーで、一気にリフトであがっていくときの景色の見え方と、つらくても歩いて登って行くときの景色の変化のスピードには大きな差があります。「登りも滑走の一部」と考えて、単に滑り降りるだけでなく、登りも滑走も一緒にあわせ、それがスキーであると捕らえてみると、なかなか、面白みが広がるのではないでしょうか?
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