ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2007/07/28〜29) @

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(Update:2007/08/02)

 

【大雪渓】

7月最後のノリクラ雪渓カレンダーです。この一ヶ月間を振り返ってみると、昨年・一昨年のように乗鞍周辺の主要道路が広範囲にわたって通行止めとなるほどの大雨に見舞われることはありませんでしたが、逆に青空に恵まれる週末がほとんどなく、東海地方では27日になって梅雨明けしたましたが、関東甲信地方ではさらにずれ込んで8月1日になってようやく梅雨明けとなりました。気象庁から発表された「7月の天候」によると、関東甲信地方の日照は平年の59%とと低く、ノリクラでは濃霧の日が多く撮影には悩まされた一ヶ月でもありました。気温は昨年とほぼ同じくらいだったと思います。

人出は先週までは多いとはいえない状況が続いていましたが、今週の観光センター前駐車場の車両台数やシャトルバスの運行台数などを見ても、ぐっと人出が増えて来たことが一目でわかるほどです。ただ、観光センター前駐車場は賑わいを見せているものの、三本滝など周辺はそれほどの状況ではなく、全体としてはまだまだハイシーズン並みとはいえず、大雪渓に訪れるスキーヤー・ボーダーの状況もモーグラーの方はたくさんお越しになっていますが、全体的には急激に増えているといった様子はありません。ただ、登山者と自転車でのヒルクライマーは確実に増えてきているといってもいいでしょう。

28日(土)は時折雨の降る状態でほぼ終日濃霧の中。それでもシャトルバスは9時便で5台が運行されるほどの賑わいを見せました。29日(日)は上空に寒気が入って大気の状態が不安定なるとの見込みが出ていたものの、朝からきれいに晴れ上がり、次第に夏の入道雲がわきあがるようになってきて霧に覆われることがありましたが、雨に降られることなく一日を過ごすことができました。

今週の雪解けは若干ペースが落ちて、雪渓下部などでは昨年より1週間ほど早い状況が続いていましたが、箇所によっては昨年並みになってきたところもあり、雪渓上部でもペースは遅くなり、先週の段階で2週間遅い箇所では3週間近くまで遅れてきたところもあります。

そんな二日間の様子をお伝えいたしますが、28日(土)は終始濃霧のため不鮮明な画像もあります。ご了承ください。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月28日(土)、観光センター】     【シャトルバス、大雪渓へ】
Page-2 : 【雪渓下部 T】
Page-3 : 【雪渓下部 U − 7月28日(土)モーグルコース】     【雪渓下部 V − 7月29日(日)モーグルコース】
Page-4 : 【雪渓中段】
Page-5 : 【高山植物】
Page-6 : 【雪渓上部 T】
Page-7 : 【雪渓上部 U】
Page-8 : 【畳平のお花畑】     【昨年の今ごろは?】     <編集後記>

  

 

 

【7月28日(土)、観光センター】

観光センター前駐車場

朝6時過ぎの観光センター前駐車場。すでに半分程度の埋まり具合で、今日は少し混雑が予想されそうな感じです。

 

きれいな青空 山並みを眺めながら朝のひととき

久しぶりにきれいな青空が広がり、その青空にはモクモクとした雲が浮かんでいます。山頂付近はこの雲の中に隠れていて展望を望むことはできませんが、観光センターのテラスではそんな風景を眺めながら持参した朝食をのんびりととっていらっしゃる方の姿を見かけることができます。6時の気温は14℃。長袖を着ていればベンチに腰をかけていてもちょうどよい気候です。

 

売店は早朝5:30から営業 おにぎりを求めて...

先週の ノリクラ雪渓カレンダーVol.11(2007/07/21〜22)@ でもお伝えしましたが、観光センターの売店は早朝5時30分から営業を始め、これからシャトルバスに乗車しようとされる方などを中心におにぎりを買い求める様子を目にすることができます。

 

7時のシャトルバス

こちらは7時前のシャトルバス停留所前。左の画像は15分ほど前の状況でまだそれほど人影はたくさんではありません。しかし、シャトルバスが到着する頃になると...

 

シャトルバスの改札が始まる頃になると... 長蛇の列

ご覧のように長蛇の列。これまででも8時便・9時便ではこのような光景はありましたが、7時便では今シーズン初めての状態です。昨年までの状況を見ると、一番乗客数が多いのは8時便・9時便で、天候にも左右されますが、8月のハイシーズンを迎えるとこの時間帯は4〜5台以上で運行される状況になります。

 

すぐに次のバスが来ます

もちろんこの人数では1台でまかなうことは無理で、すぐに次のバスがやってきてこの便は2台体制での運行となります。観光センターからの乗車の場合、すぐにシャトルバスの増発を行うため満席で乗車できないということはほとんどありませんが、ハイシーズンになると、観光センターを出発する段階で満席状態で運行されることもあり、途中のバス停からの乗車ができない場合もありますのでご注意ください。

 

シャトルバスが通行する県道乗鞍岳線は国民休暇村から三本滝までの区間はセンターラインのある片側1車線ですが、それ以外は部分的に片側1車線の区間があるだけで、基本的にはシャトルバスなど大型車がすれ違うことができる待避所は限られたところしかありません。また、途中停留所での乗降客への対応の都合から車掌が乗車する先頭車両が先に出発することはなく、すべての車両の準備が整ってから同時に出発となります。

 

それでは大雪渓に向けて出発です。

 

 

 【シャトルバス、大雪渓へ】

休暇村から三本滝ゲートまでの区間では道路脇のクマザサなどが刈り取られていて、沿線の植物の様子を見ることができませんが、三本滝ゲートから上部では少しずつ、高山植物の様子を目にすることができます。

タデによく似たイタドリなどはあまりにも多いので、おそらく意識してみている方はいらっしゃらないかと思いますが、かなり花をつけています。また、ヤマハハコの白い頭も大きくなってきました。そして、乗鞍高原内でピンクの花をつけ始めたヤナギランは、シャトルバス沿道ではカモシカ平ゲレンデ付近でよく見かけますがまだまだのようです。また、これまで見かけなかったホタルブクロが沿道に姿を現し始めてきています。

そして、秋になるときれいな紅葉を見せるウラジロナナカマドがメッシュを入れたように部分的に赤く色づいている様子が所々で見かけるようになって来ました。梅雨も明けていないのにもう紅葉とは...と思ってしまいますが、例年同様の傾向が見られます。車窓からでもその様子が良くわかりますので、ぜひ、探してみてください。

 

標高2350メートルの位ヶ原山荘付近を過ぎると森林限界となり、高山植物の世界が広がってきます。

 

こちらはいつもお伝えしているツアーコース入口付近。位ヶ原山荘から1.5km進んだあたりです。さすがに残雪が少なくなってきましたが、まだ、部分的に残っています。画像ではわかりませんが、魔利支天バス停や冷泉小屋小屋付近ではすでに終わっているウラジロナナカマドが白い花をつけ、コイワカガミ・ミヤマキンバイといった代表的な高山植物が小さな花をつけ始めています。

バスの車窓からではなかなかわかりにくいので、できれば歩いて観察したいものです。

 

ツアーコース入口付近からさらにカーブを二つほど過ぎたところにあるお花畑。7月も終わりになろうとしているのに今年はご覧のようにまだ残雪があります。右の画像あたりはチングルマなどがきれいに咲き乱れるところですが、雪解けした周辺部分もまだ緑色になってなく、今年はかなり遅れてしまいそうです。

 

それでは引き続き大雪渓の様子をお伝えいたします。

 

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