ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2008/05/31〜06/01) C

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(Update:2008/06/05)

 

【6月1日(日)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

これまでは長野県側の乗鞍高原からツアーコースや春スキーバスで位ヶ原を経由して大雪渓に向かうルートをご紹介しておりましたが、今日は岐阜県側の乗鞍スカイラインのシャトルバスで畳平へ向かうルートをご紹介いたします。

岐阜県側の乗鞍スカイラインと長野県側の県道乗鞍岳線は自動車道としては国内最高地点の標高2702mの畳平で接続し、かつては国内有数の山岳ドライブルートとしてたくさんのマイカーが訪れました。しかし、ハイシーズンの交通渋滞による自然環境への負荷が懸念され、乗鞍スカイラインの償還期限終了に伴う通行料金無料化によって更なる悪化が予測されることから2003年よりマイカー規制が実施され、その代替交通手段として平湯温泉・ほおのき平や乗鞍高原といったそれぞれの山麓と畳平を結ぶシャトルバスの運行が開始されました。毎年、乗鞍スカイラインは5月15日から、県道乗鞍岳線は7月1日より運行されます。

 

今日は第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催されます

それまで乗鞍スカイラインは自転車の通行が認められていませんでしたが、マイカー規制と同時に自転車での通行が許可されるようになり、その翌年の2004年から乗鞍スカイラインの起点の平湯峠から終点の畳平までの14.4kmの区間で行われる自転車ヒルクライムレース、「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」が開催されるようになりました。
今日はその大会当日で、自転車の整備を行う選手の方々はこのあと会場の平湯峠に向かって行きました。エントリー者数は510名でまだまだこじんまりとした大会ですが、年々増加傾向を示しています。

第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム の様子については、後日、掲載を予定しております。掲載はトップページにてお知らせいたします。

 

バスターミナル − スキーヤー・ボーダーが集まります

今年からダイヤが改正され、天候のよい場合のAダイヤ、天候の悪い場合のBダイヤの二つがあります。前日の17時の段階で決定されます。また、運行時刻も上りは5分、下りは10分早いスケジュールとなっています。したがって、ほおのき平の始発便は6時55分。定刻が近づくにつれてスキー板やボードを携えた方々がターミナルに集まってきます。

 

乗鞍スカイラインは一部凍結 − 開門が遅れます

昨日と打って変わって今日は雲ひとつない快晴。乗鞍スカイラインは一部凍結があって7時の開門時間になっても通行できる状態ではなく、若干、開門時間を遅らせるとの連絡がバスターミナルに入ります。

始発便到着

平湯温泉を出発したシャトルバスが到着します。

 

そして、トランクにスキー板などを載せ、車内への乗車が開始されます。

 

シャトルバスは乗鞍スカイライン開門まで待機します

しかし、乗鞍スカイラインはまだ通行止めのため、しばらくここで待機することになります。この時期の乗鞍スカイラインは早朝の凍結は良くあることで、始発便が運休になることもまれではありません。

 

「8時に開門しますので、7時45分に出発します!」

約一時間遅れの出発

そして、8時に開門するのと連絡が入り、7時45分にほおのき平駐車場を出発します。

 

【畳平へ】

標高を徐々に上げると周辺に残雪が見られるようなってきます 猫の小屋 − 昨年並みの残雪量

ほおのき平駐車場を出発したシャトルバスは標高1684mの平湯峠から乗鞍スカイラインに入ります。そしてマイカー規制前の料金所があった夫婦松を過ぎたあたりから周辺には残雪が見られるようなります。

周辺の木々が広葉樹から針葉樹に移り変わってきた標高2200mの猫の小屋付近までやってくると路肩近くは完全に積雪が残るようになってきます。昨年とほぼ同じ状況です。

 

猫岳付近から視界が開けます 烏帽子岳 − 昨年並みの積雪状態

そして猫岳の山裾までやってくるとそれまでのうっそうとした樹林帯の風景から一気に視界が開けるようになってきます。右の画像は烏帽子岳。こちらも昨年と同じ積雪状況で、例年と比べると多い傾向を示しています。

 

四ッ岳カーブ

烏帽子岳を右に見ながら進むと雪の壁とつづら折れのカーブが迫ってきます。乗鞍スカイラインで一番の見せ場といえる四ッ岳カーブ。おそらく開通直後ではもっと高い雪の壁だったはずです。

 

落石現場

四ッ岳で発生した落石で5月28日(水)から通行止めとなっていましたが、落石の撤去と二次災害防止工事が完了して昨日の31日(土)11時15分に通行止めが解除されました。現場はご覧のように土嚢が積まれ、片側交互通行となっています。しかし、これより少し先で新たな落石があり、6月2日(月)から再び通行止めとなってしまいました。この付近は落石がよく発生する箇所で今回のように通行止めとなることもしばしばあります。

 

四ッ岳カーブは乗鞍スカイライン一番の見せ場 − 積雪は昨年並み 

四ッ岳カーブ付近のこのアングルは乗鞍スカイラインを紹介するポスターや画像などでしばしば登場する光景です。右後方の山は先ほどの猫岳、左の山肌は桔梗ヶ原に続く大丹生岳です。四ッ岳カーブ付近の積雪は昨年とほぼ同じ程度で、例年よりも2週間程度雪解けが遅いと考えられます。

そんな風景に乗客の方々は車窓に釘付けとなってもしょうがないでしょう。

 

桔梗ヶ原

四ッ岳カーブを過ぎるとこれまでの急勾配からほぼ平坦な桔梗ヶ原へと差し掛かり、青い空が全面に広がってくるようになります。

 

鶴ヶ池大雪渓 − 昨年並み

こちらは魔王岳の山肌に広がる鶴ヶ池大雪渓。岐阜県側で唯一スキー・ボードの滑走指定エリアとされています。畳平からすぐ近くということもあって、モーグラーの方々を中心に多くのスキーヤー・ボーダーの方々が訪れます。こちらもほぼ昨年並みの積雪状況で例年よりも多いことは間違いありません。

 

畳平へ

鶴ヶ池大雪渓から数百メートルで畳平に到着です。

 

【畳平】

気温4℃でも、強い日差しで心地よい気候が広がる

定刻より大幅に遅れて8時30分に到着した時点の畳平の気温は4℃。しかし、ご覧のように何もさえぎることのない上空から降り注ぐ太陽の日差しで温度計を見るまではこの気温であることを疑ってしまうほど、心地よい気候が広がります。

畳平など高所では同じ太陽でも照らされる光線はかなり強いものがあり、真夏の平地よりも強いコントラストがあります。

 

あっちが鶴ヶ池大雪渓です 今日はちょっとガイドさん気分で

「今日初めてなんです」というボーダー二人に夏のノリクラの常連の方が親切に案内します。スキー場なら「行けばとりあえずゲレンデがあるはず」という感覚でお越しになる方も多いでしょう。しかし、ここはスキー場ではなく、山岳地帯ですから、滑走場所や利用施設、そして気温や天候など気象条件などについて事前に調べ、それに対応した装備を備える必要があります。

それでも最初はみんな初心者。天候など少しずつ感覚を身につけて常連さんになって行くんですね。

乗鞍環境パトロールの方

こちらはノリクラ周辺の気象の推移や登山道の状況把握、高山植物の分布状況確認など多岐に渡ってパトロールを行う、乗鞍環境パトロールの方。

今日も登山者や一般の観光客の方へ周辺の状況を説明されています。

 

ノリクラの環境を維持して行くために連日のパトロールは欠かせない重要な業務
(現在、大黒登山道、お花畑横手道は通行止めです)

今年はご覧のような総合案内図が設置されました。現在、大黒岳の登山道は路面補修が必要なため通行止め。そして、お花畑から横手道に向かうルートは6月中は工事が実施されるため通行止めの措置がとられています。そして、畳平から徒歩15分で向かうことができる魔王岳はちょっとした登山気分を味わうにはうってつけのルートで観光バスのツアーの方々も気軽に訪れることができることから、頂上には展望図が設置されるようです。
7月からシャトルバスが日の出の時刻にあわせて早朝運行され大黒岳はご来光スポットとして有名です。しかし、大黒岳登山道の補修工事の工期は現在のところ未定とのことです。 Next

 

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