ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.7(2012/06/22〜23) C

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(Update:2012/06/28)

 

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線目指します。

 

肩の小屋から稜線へ直登する箇所 赤線の直答するルートは進入できません
青線の登山道を進んでください
(高山植物、雷鳥保護のため)

左の画像は肩の小屋から稜線へ直登する箇所です。5月下旬から6月上旬頃までは、この付近にも積雪がありましたので、そのままダイレクトに稜線まで登ることができましたが、ご覧のとおり雪解けで岩場やハイマツ帯がかなり多くなってきました。

左の画像では、上部部分でハイマツ帯が大きく広がっている様子がわかりません。しかし、右の画像のように、赤線の×印の箇所を越えて、その先の雪渓を歩いていっても、さらに再びハイマツ帯が広がってしまうため、それ以上先を進むにはハイマツ帯や岩場へ侵入するしかなくなってしまいます。

 

肩の小屋〜山頂の登山道入口
登山道以外のルートは登行できません

そのため、青線の登山道を必ず利用してください。岩場に咲く高山植物の踏み荒らしと雷鳥の生息地のハイマツ帯を保護する必要があります。

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面を目指すスキーヤー・ボーダーの方々へ − 大雪渓・肩の小屋方面から稜線への登行ルートについて】

@ 2012/06/15 10:00
=大雪渓からのルート=
赤線はどれもハイマツ帯に阻まれる
青線の滑走ラインに近いルートをお願いします
(高山植物保護と雷鳥保護のため)
A 2012/06/15 10:05
=肩の小屋からのルート=
赤線の直登ルートはハイマツ帯に進入してしまう
青線の登山道(夏道)を利用してください
(高山植物保護と雷鳥保護のため)

左の画像の大雪渓からのルートでは、赤線の二つのルートは、比較的取り付きやすいルートですが、ご覧のとおり、途中で積雪がなくなり、ハイマツ帯に進入してしまいます。そのため、滑走ルートに近い青線で登るようお願いいたします。
また、右の画像の肩の小屋からのルートも、直登する赤線のルートは、同じくハイマツ帯に侵入してしまうため、必ず、登山道(夏道)から登るようお願いいたします。

一人でも取り付きやすいルートを登ると、それに続くほかの方も同じルートを登ることになり、積雪のない地面を硬いブーツ底で何度も踏みつけられると、高山植物の植生に影響を与え、また、繁殖期を迎えた雷鳥への影響も懸念されます。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで中間地点)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー (2012/06/16〜17) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで中間地点)
完全に雪解け − 昨年よりも二週間遅い状況

こちらは肩の小屋から稜線までのちょうど中間付近。先週は岩の頭が少しだけ顔をのぞかせているだけの状態でしたが、ご覧のようにこの一週間で激しく雪解けが進んでいます。先週の段階では昨年よりも三週間遅い雪解け状況でしたが、今週は二週間遅い状況となっています。

 

積雪が始まるのは朝日岳直下手前から 狭いところで幅5メートル

積雪が始まるのは、朝日岳直下につながる付近に近くなってからで、登山道上に細く帯状に残るだけです。その帯も細いところで5メートルほどしかなく、本格的な夏山シーズンを迎える次週末には、この先のつづら折れ部分にのみ積雪が残るだけとなるかと思います。

それでも過去5年間の中で、最も多い積雪量を示しています。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道
(稜線直下手前−積雪が同じ時期)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2011/06/04〜05) C

今週の肩の小屋〜山頂の登山道
昨年よりも三週間遅い雪解け

ここを超えると稜線直下のエリアとなります。その手前に大きな岩が二つあり、登山道はこの間を進んでゆきます。左の画像は今週と積雪量がほぼ同じ時期の昨年のものです。このことから、昨年よりも三週間遅い雪解けがこの付近では見られます。

 

摩利支天岳 − 2007年に次ぐ積雪量

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。これまでと同様、積雪量の多かった2007年に次ぐ状況です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。特に今週は中央に大きく岩場が帯状に広がってきました。

 

2011年の稜線(同時期の一週間前)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) B
2010年の稜線
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) D
2009年の稜線
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) D
2008年の稜線
2008ノリクラ 雪渓カレンダー (2008/06/28〜29) D

2007年の稜線
2007ノリクラ 雪渓カレンダー (2007/06/23〜24) D

=今週は例年並みの積雪=

過去5年間を見ると、積雪量の多かった2007年でも、この時期になるとかなり岩が多くなってきています。それ以外の年と比べても今年が特別雪解けが激しい様子はなく、先週と同様、例年並みの推移と言えます。

 

大雪渓方面への滑走エリア 蚕玉岳方面の尾根

左の画像は大雪渓方面へ滑り込む箇所。今後、雪解けが進み、大雪渓上端に接続する部分に岩場が出てバーンが途切れてくると、滑走できなくなります(画像の左下付近です)。例年、6月中旬〜下旬まで滑走可能です。

右の画像の蚕玉岳方面の尾根、かなり雪解けが目立ち、積雪部分が急速に減少しています。

 

滑走は朝日岳直下からをお勧めします(青線)

すでに速報でもお伝えしてますが、稜線直下の赤線の滑走ラインは、幅の狭い箇所があって、滑走が困難な状況です。そのため、朝日岳直下からの青線での滑走のほうがよいでしょう。

 

朝日岳直下から − 一部幅が狭いか滑走状問題ありません

こちらが青線の朝日岳直下からの滑走ライン。大雪渓上部に差し掛かる部分で、幅が狭くなってきていますが、それ以外は滑走に支障となるところはありません。

 

稜線直下から − 狭いところは幅20メートル未満、滑走困難

そして、稜線から伸びる岩場がかなり大きくなり、赤線の稜線直下からのラインはこの岩場の向こう側になります。画像ではまだ十分な積雪量があるように見えますが、最も狭いところで幅20メートルに満たない状況ですから、滑走は無理だと考えられます。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線(同時期の一週間前)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) B
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) C

今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2007年に次いで積雪量の多い状態

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。この一週間でかなり激しく雪解けが進んでいます。

 

雪渓の上端は先週よりも15メートル以上移動
例年並みの状況に

雪渓の上端は先週よりも15メートル以上移動し、先週は過去5年間で2007年に次いで積雪量の多い状態でしたが、例年並みに近い状態になっています。

 

昨年同時期より一週間前の権現ヶ池(同時期の二週間前)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) C
今週の権現ヶ池
例年並みの積雪量へ激減
昨年の朝日岳(同時期の一週間前)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) B
今週の朝日岳
例年よりやや多い積雪量

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、これまで過去5年間で最も多い積雪量を示していましたが、今週は例年並みへと積雪量が激減しています。

そして、朝日岳では中央部分で積雪が左右に分裂しています。これまで、例年並みの積雪量を示していましたが、この激しい雪解けににもかかわらず、過去5年間で今年よりも積雪量の多かったのは2008年と2007年で、それ以外はほぼ同等か多い状態を示していて、今週は例年よりもやや多い状況と言えます。

なお、【稜線】のコーナーは、雪解けが激しいことから、今シーズンは今回が最後となる可能性があります。 Next

 

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