ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.7(2012/06/22〜23) B

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(Update:2012/06/28)

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B

今週の大雪渓入口
例年並みの積雪量

画像のこの箇所は、先週までは他のエリアよりも積雪量が少ない状態が見られました。この一週間の雪解けは高さ1メートル以上と、他のエリアと同様に激しい雪解けを見せています。そのため、例年以上に雪解けが進んでいるかと思いましたが、先週と同様、例年並みの積雪量で、雪解けとともに各エリアの積雪量の偏差が少なくなってきているのかもしれません。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B

今週の大雪渓入口
この一週間の雪解けは、高さ1.2〜1.5メートルほど

こちらは大雪渓入口隣の車道と接する部分。先週は雪面が車道より低くなり、今週は排水溝下の地面が見え始めました。一週間の雪解けとしてはかなり激しく、高さ1.2〜1.5メートルほどの雪解けです。

 

2010年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
2009年の大雪渓入口
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) B
2008年の大雪渓入口
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B
2007年の大雪渓入口
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) F
=入口付近の雪渓下端部分では、例年以上の積雪(下記のモーグルコースの岩も参照)=

先週までは過去5年間で最も積雪量の多い状態が続いていたものの、2007年・2008年よりも少なくなり、2009年・2010年とほぼ同じ状態となっています。おそらく、今後はよほど雪解けが遅くならない限り、過去よりも積雪量が多い状態に戻るようなことは考えにくい状況になってきました。

 

トイレ付近

こちらはトイレ周辺。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B
今週のトイレ付近 − 昨年との差が少なくなりつつある

こちらのエリアもこの一週間で激しく雪解けが進んでいます。そのため、それまでは、昨年よりも二週間近く遅かった雪解けが、今週は一週間程度遅い状況まで、その差が縮小しています。

 

位ヶ原山荘方面へ下山滑走 − 今週は滑走不能になる

これまで、トイレの場所から位ヶ原山荘方面へ下山滑走することが可能でした。しかし、ご覧のようにトイレ下部の雪面は、かなりハイマツ帯が大きくなってきていて、一部積雪がなくなっている箇所があり、位ヶ原山荘方面の滑走は不可能になってしまいました。そのため、下山は大雪渓駐車場にある大雪渓・肩の小屋バス停から、春山バスに乗車されるようお願いいたします。春山バス下り最終便は、大雪渓・肩の小屋口バス停発 14時50分です。乗り遅れないようご注意ください。

 

昨年の登山道入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B

今週の登山道入口
ようやく標識が姿をあらわす

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。例年、先週の段階で標識が見えるようになるはずですが、今年は今週になってようやく姿をあらわし始めました。他のエリアでは、例年よりも積雪量の多い状態から例年並みへと積雪量を減少させている中、こちらのエリアは、積雪量の多かった2007年よりも多い状態が続き、過去5年間で最も積雪量が多くなっています。

 

昨年の登山道
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2011/06/25〜26) A
今週の登山道
車道と隙間ができるどころか、車道側にせり出している

まだこの時期は車道との隙間ができない年もありますが、積雪量の少なかった昨年は、すでに隙間ができています。しかし、今年は隙間ができるどころか、まだ車道側にせり出しているほどです。

 

昨年のモーグルコースの岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B
今週のモーグルコースの岩
例年よりやや多い積雪量を維持

 

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

この一週間の雪解けは1.2メートル程度で、これまでの週と比べるとかなり多い雪解けです。しかし、今週も先週と同様に、例年よりやや多い積雪量を維持しています。

 

2010年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
2009年のモーグルコースの岩
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) B
2008年のモーグルコースの岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B
2007年のモーグルコースの岩
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) F
=雪渓下端より170メートル上部のこの地点では例年並み(上記の雪渓下端部分も参照)=

先週は2010年・2009年・2008年よりも多く、2007年よりもやや少ない状況で、例年よりも多い積雪量とお伝えしました。しかし、今週は2009年・2008年よりも多く、2010年・2007年よりも少ない状況です。また、ここから170メートル下方の雪渓下端の大雪渓入口付近では、2007年・2008年よりも少なくなり、2009年・2010年とほぼ同じ状態です。

下端とこちらの上部エリアとの傾向の違いは、これまでは下端は例年より積雪量が多く、上部エリアは例年並みという状況でしたが、今週の下端部分は過去5年間のなかでほぼ同じか少ない状態となり、上部エリアは例年並みか多い状態を占めていて、先週までの傾向が逆転しています。

 

昨年の石碑の岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) B

今週の石碑の岩
過去5年間で最も積雪量の多い状態を維持

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらも他のエリアと同様に、激しい雪解けで、1メートル以上積雪が少なくなっています。それでも、2007年以降の過去5年間で最も積雪量の多い状態を維持しています。

 

肩の小屋へ向かう登山ルート − 誘導ロープが設置

こちらは肩の小屋へ向かう登山ルート。まだ、登山道が雪の中であるため、誘導ロープが設置されています。

 

、森林管理署のグリーン・サポート・スタッフのメンバー(中信森林管理署)

この誘導ロープを設置するのは、森林管理署のグリーン・サポート・スタッフのメンバー。ノリクラは長野県と岐阜県の両県にまたがっているため、中部森林管理局の管内であっても、中信森林管理署と飛騨森林管理署にエリアが分割されています。

今年初めて再会したこちらの方々は長野県側の中信森林管理署のグリーン・サポート・スタッフの方々。昨年とメンバーは変わらず、今シーズンも10月中下旬までの業務が始まりました。

 

誘導ロープの近くにはスキーヤーが...

誘導ロープの近くにはスキーヤーの方々がコブを作って滑走されています。

 

誘導ロープ脇を登ってくるスキーヤーの姿を見ると...

 

7月になると足しげく通い始める夏スキーの常連の方々

7月になると足しげく通い始める夏スキーの常連の方々...稜線からの大滑走を楽しむ春スキーから、何度も何度も繰り返しコブを練習する夏スキーへと季節へシフトし始めています。

これから、こちらの方々とは、毎週のようにお会いするようなるはずです。

 

【肩の小屋、今シーズンの営業開始に向けて】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋周辺(同時期の一週間前)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) B
今週の肩の小屋周辺
例年並みの積雪量へ減少
昨年の肩の小屋東側
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2011/06/25〜26) A
今週の肩の小屋東側
例年並みの積雪量へ減少

肩の小屋周辺は2011年・2010年・2009年よりも多く、2008年・2007年よりも少ない状況で、例年並みの積雪量です。先週は過去5年間でもっとも多かった2007年並みの積雪量でしたが、やや雪解けが早くなっています。

 

B 2012/06/22 13:05
=大雪渓から肩の小屋経由のルート=
登山道入口直下には雪がないため、赤線は立ち入らないようお願いいたします。
すぐ隣に登山道がありますので、青線を進んで登山道へ向かってください
(高山植物保護と雷鳥保護のため)

大雪渓から肩の小屋を経由して登山道に向かう場面ですが、左の画像のとおり、登山道入口直下には雪がありません、そのため、右の画像のように、すぐ隣にある肩の小屋への登山道を進むようお願いいたします。

 

雪解けとともに高山植物の芽吹きが始まります。

 

キバナシャクナゲ − そろそろ開花

こちらはキバナシャクナゲ。常緑矮性低木の高山植物です。ノリクラでの高山植物の開花は、キバナシャクナゲから始まります。先週の段階では、この付近のキバナシャクナゲの芽吹きは、ほぼ例年並みとお伝えしました。そして、今週のキバナシャクナゲのつぼみは、左の画像のとおり、先週よりも明らかに大きくなってきています。

右の画像は、早期に雪解けが進んだ箇所のキバナシャクナゲ。開花を始めたつぼみが見られ、おそらく、来週には完全に開花したキバナシャクナゲを楽しむことができるのではないかと思います。

肩の小屋 − 小屋開け準備

7月になると県道乗鞍岳線も冬季閉鎖が解除され、本格的な夏山シーズンを迎えます。そして、こちらの肩の小屋も今シーズンの営業再開に向けての準備が始まろうとしています。

 

肩の小屋 管理人

テレビ用のアンテナを設置するのは肩の小屋の管理人。

 

雪解け水をポンプアップ

標高2780メートルにある肩の小屋では水道も電気もすべて自前。まだ、本来の水源地からの引水ができないため、宇宙線観測所脇からの雪解け水を小型ポンプでタンクに揚水します。

 

厨房 今年のスタッフ

そして、管理人と一緒に準備に取り組んでいるのは右の画像の二人。

 

50年前に肩の小屋でバイトしていました 若いスタッフばかりでなく、年配スタッフも必要

50年前、学生時代に肩の小屋でバイトした経験があり、定年退職後、各種のボランティア活動をされてきましたが、今年は再び肩の小屋で夏シーズンを過ごします。

「最近の中高年登山の増加で、若いスタッフばかりでなく、登山者と年齢の近いスタッフの必要性を感じていた」という管理人は、「種々の業務はこれから一つ一つ覚えていただくものの、それ以外は、むしろ私のほうが教えてもらう立場...」と、おっしゃっていました。

 

初めての山小屋生活

そして、若いこちらの方は山が好きで、富士山でよい山小屋にめぐり合う経験から、今年はここで生活しようと決意されたそうです。

 

電化製品などは一つ一つ動作チェック

一年の半分以上が雪に閉ざされている肩の小屋では湿気が多く、電化製品の自然故障が多発します。そのため、機械モノはすべて営業前に動作チェックが必要で、今回もテレビがちゃんと映って一安心。情報源の全くない山小屋では、テレビ・ラジオは欠かせないアイテムです。

 

営業開始は6月30日(土)から

今シーズンの肩の小屋の営業は6月30日(土)から。営業は10月の三連休まで連日続けられ、どっぷりと山の中に漬かった生活が否応なく毎日続きます。 Next

 

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