ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.9(2012/07/06〜07) C

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(Update:2012/07/12)

 

【雪渓上部 T、ポールトレーニング】

雪渓上段全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。

 

7月以降は雨水・再氷結などでバーンが荒れる − 縦溝(左)、たけのこ状の円錐柱(右)

今回はほとんど視界の効かない中での取材で、状況を詳細にお伝えすることができません。バーン表面を見ると、左の画像のような縦溝、そして、右の画像のようなたけのこ状の円錐柱ができています。

縦溝は雪解け水や雨水の流れによって生じ、たけのこ状の円錐柱は夜間の再氷結によって発生します。いずれも、かなり硬いもので、もっと大きくなると、まともに滑走することが困難になります。今年はこれらの現象が発生するのは、今週が初めてで、例年6月下旬には発生することを考えると、雪解けが遅いことに加えて、夏の雪渓特有のこれらの現象も発生が遅れています。

 

先週の雪渓上部右側上端
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2012/06/30〜07/01) D
今週の雪渓上部右側上端
上端は先週より7メートル下がる

雪渓上部では今後雪解けが進んでくると、中央から尾根が出始めて、バーンが左右に分かれてきます。少しずつその兆候がみえてきました。こちらは右側の最上部。雪渓の上端部分は先週から7メートルほど下がっています。

 

雪渓上部右側上端 − 昨年より1.5メートル多い積雪量

こちらは雪渓上部右側の上端部分。先週と同様に、昨年よりも1.5メートルほど積雪量が多い状態が見られます。

 

2011年の雪渓上部右側上端
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2011/07/07〜09) F
2010年の雪渓上部右側上端
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2010/07/10〜11) D
2009年の雪渓上部右側上端
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2009/07/11) D
2008年の雪渓上部右側上端
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2008/07/12〜13) C
2007年の雪渓上部右側上端
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2007/07/07〜08) D
=今週も過去5年間で最も積雪量=

こちらは2011年〜2007年までの雪渓右側上端部分の様子です。他のエリアと同様、こちらも過去5年間で最も積雪量の多い状態が続いています。

 

雪渓上部を左右に分ける中央の尾根部分
岩の頭が見え始める − 例年並みの推移

こちらは雪渓上部を左右に分ける中央の尾根部分。ご覧のように岩の頭が見え始めました。画像上部にうっすらと見える岩が中央の尾根の上部付近ですが、今後、雪解けが進むと手前の岩と一緒になってゆき、雪渓上部を左右に分割します。

例年この時期、このように岩の頭が見られるようになりますが、2010年と2007年では、まだ、この岩は確認できませんでした。他のエリアが例年以上の積雪量に対して、中央尾根部分では、例年並みの状態といえます。

 

上端から − 雪渓下端まで517メートル(推定)

ご覧のような濃霧で上端から大雪渓全体を見渡すことができません。そのため、雪渓下端までの距離を計測することができませんが、下端部分・上端部をあわせて、先週よりも10メートルほど後退していますので、先週の527メートルから517メートルに減少したと推定されます。

ポールトレーニング

こんな天候ですが、夏スキーの本格的なシーズンを迎え、ポールトレーニングが繰り広げられるようになって来ました。

 

気温8℃ − 雪面が緩まず、バーンの荒れが少ない

今日の気温は8℃。低めの気温に加えて、濃霧で全く日差しがありませんので、バーンが緩みきる要素がありません。そのため、たくさんの人数でコースを滑走してもバーンがえぐれて荒れる心配もなく、快適に滑走できます。

 

「マイカー規制になって天候が急変したときが心配」 → 2008年10月末に避難小屋ができました!

こちらは、先ほど大雪渓入口で紹介した マイカー規制以前はよくお越しになっていたノリクラの常連の方。「マイカーで来ることができなくなって困ることは、天候が急変したときに逃げ込むところ...」と、おっしゃります。マイカー規制が始まって、多くの方がその懸念を抱いていました。

しかし、2008年10月末、松本市によるトイレの水洗化工事と避難小屋新設工事が完了し、2009シーズンから利用可能となりました。そのため、悪天候時の雨風をしのぐ場所の心配もなくなりました。

 

濃霧の中の練習が続く

モーグルバーンでも基礎スキーでも、ご覧のアルペンレーサーの方も、たくさんの方が集まって整備すれば、あっという間に滑走可能な状態にコースが仕上がります。

 

いつもはモーグルバーンの常連の方も果敢にアタック

いつもはモーグルラインで姿をお見かけするこちらの方。「朝の乗鞍高原では天候状況が不安定で、大雪渓に出向こうか思案している状況でしたが、偶然、ポールレッスンの誘いを受けて、今日はレース板とモーグル板の両方をシャトルバスに乗せてやって来ました。」とのこと...「夏のノリクラではモーグルばかりですが、ウインターシーズンはレーサーなんですよ〜」

今日は乗鞍スカイラインが通行止めということもあり、モーグルラインにお越しのスキーヤーはほとんどいません。さらに昨晩の大雨でモーグルラインはかなり消滅し、整備の手を加えないと滑走できない状況でした。

ポール滑走にしても、モーグルにしても、コース整備することを前提に、ある程度の人数が集まらないと成り立ってゆきません。 Next

 

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