第27回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍
 
(2012/08/25〜26) B

Top-page > Mt.-Cycling& Marathon-Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7

(Update:2012/09/10)

 

【8月26日(日)、レース当日】

早朝5時の位ヶ原 − 重厚な雲海が広がる

レース開始2時間前の早朝5時、標高2500mの位ヶ原からの様子です。ご覧のような重厚な雲海が広がっていて、スタート地点の標高1460mの乗鞍高原は、この雲海の下にあります。気温は8℃、厚手のウェアーが必要なほどの寒さです。

雲海の上は見事な光景が広がっていますが、雲海の下にある乗鞍高原では、どんよりと雲が低く垂れ込めて、今にも泣き出しそうな天候で、これほどきれいな光景が広がっているなどとは想像もできなかったことと思います。

 

5時15分 − 雲海の中から日の出

5時15分、雲海の中から日の出を迎えます。周辺のすべてを茜色に包み込むその太陽は、今日一日の晴天を保障してくれるかのような力強さです。

レースが行われる県道乗鞍岳線は、通常、夜間通行止めで毎朝6時開門となっています(10月は7時開門)。そのため、ご来光に間に合うようにヒルクライムを行うことはできませんが、ご来光時刻にあわせて出発するご来光バスが9月末まで運行されています。

ご来光バスやシャトルバスの詳細については、乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 〜2012シーズン版〜 をご覧ください。また、実際のご来光バスの様子は、先日取材した ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19) G 【8月19日(日)、ご来光バス】 が、参考になると思います。

 

ゴールエリア

こちらはレース開始1時間前、早朝6時の標高2720mのゴール付近。

 

ゴールエリアの設営が始まる 地元の方々 − 選手への朝食提供後、設営に直行

大会関係者がゴールエリアの設営を始めています。こちらの方々はすべて乗鞍高原で旅館・民宿を経営している地元の方々。どの方の宿も選手の宿泊で満室。しかも、朝食はレース開始2〜3時間前には済ませないといけない鉄則ですから、今日の朝食はどこの宿も早朝5時前後に提供しています。

ですから、選手への朝食提供を終えて、すぐにこちらのゴールエリアへ直行されました。

 

計測機器の設置

今年から厳正・正確な計測のため、ネットタイム方式に変更され、測定機材なども変更されています。

 

日の出後も重厚な雲海が続く

いつもなら、日の出とともに雲海は解消傾向を示しますが、今日は6時を過ぎても重厚な雲海はその姿を変化させません。

 

7時のゴール地点 − 気温12度前後、寒さはなくなりました

スタートとゴールでは標高差が1260mもあります。そして、スタートから5km地点にある標高2450mの位ヶ原山荘から先は森林限界となり、天候・気候が急激に変化します。そのため、選手の方は、上部エリアの状況が気になるところで、暑ければボトルなどを余分に持っていかなければいけないし、寒ければアームウォーマーなどを装着したほうが良いだろうと考えます。

レース開始直前のゴール付近の気温は10〜12℃前後で、かなり強い日差しに寒さはもうありませんでした。

<レース当日のスケジュールについて>

競技当日のスケジュールは下表のとおりとなっています。

【8月26日(日) − レース当日のスケジュール】

06:00

● 選手集合・荷物預かり <乗鞍観光センター前駐車場>
    ※ 応援バス 出発<スキー場前 第一駐車場>

06:30

● 開会式(大会宣言・競技説明) <乗鞍観光センター前駐車場>

07:00

● 競技スタート <乗鞍観光センター前> → 下記の カテゴリー別 スタート時刻 参照
    ※ 応援バス 到着<大雪渓駐車場>

11:30 ● 競技終了 
12:30     ※ 応援バス 下山<大雪渓駐車場>
13:00

● 表彰式・抽選会 <乗鞍観光センター前駐車場>

13:30     ※ 応援バス 到着<スキー場前 第一駐車場>

※ ●印 : 選手に直接関連のあるもの   ※印 : 選手に直接関連のないもの
応援バスの詳細については、こちら をご覧ください。

 

応援バスが到着 − 第雪渓駐車場

こちらはゴールの1.4km手前の大雪渓駐車場。6時に乗鞍高原を出発した応援バスが7時前に到着しました。

 

横断幕を持って... パパの応援に

チームのメンバーのために横断幕を持ってこられた方。出場するお父さんの応援のためにご家族でお越しになった方などさまざま...チームの旗を持参されて来た方は「上は寒いから厚手のものを持っていかないといけないよって、メンバーから散々言われましたが、今日は寒いどころか暑すぎます!」と、おっしゃります。

また、応援バスを降りた方の中には、ゴールでの応援のために1.4km先まで歩いて向かわれる方もたくさんいらっしゃいました。しかし、大雪渓駐車場にはトイレ・避難小屋があって、天候が急変したときなどにも、雨風をしのぐことが可能です。また、応援バスも12時30分の発車時刻まで大雪渓駐車場で待機していて、日陰の少ない大雪渓駐車場では、今日のような暑い場合、バスの中で待機される方もいらっしゃいました。

 

ウチのチームメンバーがたくさん来ますので... サプライズな応援を − チームメンバーには内緒で...

「WebSite、いつも見てますよ!」と、おっしゃってくださった左の画像の方。「今日はチャンピオンクラスをはじめ、うちのチームのメンバーがたくさん来ますので、しっかり応援します!」と、おっしゃり、「クマは出ますか?」と、ご質問されました。2008年に畳平で観光客や関係者がクマに襲われる事故が発生しまし、毎年のようにクマの目撃情報があります。乗鞍一帯は本来クマの生息地で、この時期は高山植物の実を目当てに森林限界を超えてやってきます。偶然、人と鉢合わせしてしまいクマがパニックを起こすと襲われますが、通常はクマのほうから遠ざかって行きます。クマ鈴などで人の存在をアピールするようにしてください。最近はヒルクライムの方でもクマ鈴を鳴らしながら登ってくる様子もあります。

そして、右のお揃いのサイクルジャージで決めていらっしゃるこちらの方々。実はチームのメンバーには内緒で応援にやってきています。おそらく、訪れたメンバーには大きなサプライズプレゼントとなるはずでしょう...

 

大雪渓周辺は一番のビューポイント 「今年の大雪渓は雪が多いよ〜」

この大会に参加される選手の中には、雪渓の雪を見ることを楽しみにやってこれる方もいらっしゃいます。地元の方も「今年は雪が多いねぇ〜」とおっしゃっています。大会コースの中でも、この大雪渓周辺は一番のビューポイントで、実際、多くのカメラマンがこの付近で陣取っていらっしゃいます。

 

ベストポジションを確保「

時刻は7時20分。ここをトップの選手が通過するまで、あと30分もありません...

 

、「いや〜、間に合った!...」 − 田近 郁美さん

そこへ、「いや〜、間に合った!...」と、飛び込んできたのは、田近 郁美さん。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍ではMTB女子のクラスで連覇を重ね、常に二位以下とは大きなタイム差をもって余裕の優勝を果たす姿は印象的でした。昨年同様、今回も応援でこの大会に参加されます。

さて、どうやってここにお越しになったのか...気になるところですが、岐阜県側の乗鞍スカイラインを愛車(MTB)でお越しになったとのこと。田近さんにとって、乗鞍スカイラインは散歩コースのようなものですから、これくらいのことは朝飯前といったところでしょうか??

 

【大雪渓 − トップの選手を待ちます】

天空のヒルクライム(南アルプス)

時刻は7時40分。上空を旋回する取材ヘリコプターも徐々にこちらに近づいてきて、トップの選手の到来を教えてくれます。

 

<クラス別スタート時刻、出場選手構成>

昨年よりスタート開始時間が30分繰り上がって、チャンピオンクラスが7時スタートとなっています。同一時間にスタートする選手数はおよそ300名ほどです。スタート間隔は昨年よりもさらに余裕を持たせた時間配分となり、最終のMTB男子は昨年よりも8分遅いスタートとなっています。

また、出場人数の多いクラスについては、ゼッケン番号順に数組に分けて出走し、男子ロードC(31〜36歳)・男子ロードD(36〜40歳)・ロード男子F(51〜60歳)はそれぞれ2組、ロード男子Eクラス(41〜50歳)は昨年の4組から5組となり、同じクラスでも出走時間が異なっていますので注意が必要です。

【8月26日(日) − クラス別 スタート時刻】
スタート時刻 カテゴリ 参考
昨年のスタート時刻
7:00 チャンピオン  <321名> (7:00)
7:03 ロード女子A  (16〜35歳)  <50名> (7:03)
ロード女子B  (36歳以上)  <133名>
MTB女子  <18名>
7:09 ロード男子A  (16〜25歳)  <141名> (7:08)
ロード男子G  (61〜70歳)  <158名>
ロード男子H  (71歳以上)  <21名>
7:15 ロード男子B  (26〜30歳)  <265名> (7:13)
7:20 ロード男子F  @(51〜60歳)  <319名> (7:18)
7:25 ロード男子F  A(51〜60歳)  <300名> (7:23)
7:31 ロード男子E  @(41〜50歳)  <300名> (7:28)
7:37 ロード男子E  A(41〜50歳)  <300名> (7:35)
7:43 ロード男子E  B(41〜50歳)  <300名> (7:42)
7:49 ロード男子E  C(41〜50歳)  <300名> (7:49)
7:55 ロード男子E  D(41〜50歳)  <327名> (7:49)
8:01 ロード男子D  @(36〜40歳)  <350名> (7:55)
8:07 ロード男子D  A(36〜40歳)  <326名> (8:02)
8:13 ロード男子C  @(31〜35歳)  <200名> (8:07)
8:19 ロード男子C  A(31〜35歳)  <189名> (8:12)
8:25 MTB男子  <152名> (8:17)
8:27 ショートビギナー  <36名> (8:22)
8:29 ショートジュニア  <25名> (8:24)
総エントリー数   4531名

出場選手は大分県を除く全都道府県からお越しになっていて、最多は東京都(882名)で、以下、神奈川県(540名)、長野県(488名)、埼玉県(382名)、愛知県(371名)の順となっています。

年齢構成は11歳から86歳と幅広く、10歳代(53名)、20歳代(385名)、30歳代(1247名)、40歳代(1867名)、50歳代(764名)、60歳代(188名)、70歳代(26名)、80歳代(1名)でした。また、男女比は男性4303名、女性228名でした。

 

トップは2人
位ヶ原6号カーブ付近(残り3km付近)
第2集団は4名
位ヶ原6号カーブ付近(残り3km付近)

そして、7時47分。位ヶ原6号カーブ付近(残り3km付近)をトップの選手がやってきました。トップは2人で、その20秒後に3名の第2集団が続きます。その第2集団から飛び出してきた選手の姿が確認できます。

 

後ろを振り向く森本 誠選手 後続の乾 友行選手、田崎 友康選手が追う展開

そして、7時51分、大雪渓に姿を見せたのは森本 誠選手。それに続くのは乾 友行選手と田崎 友康選手です。2位集団から飛び出した田崎選手が先行する2人に追いて来ました。

 

大雪渓前は3名混戦
優勝は森本誠選手 − 見事復活

大雪渓前では3名が混戦状態。この後、ゴール手前数百メートルで乾選手が遅れを取り、田崎選手・森本選手の2人の争いとなり、最後の50メートルで一気にスパートをかけた森本選手が田崎選手を追い抜いて優勝を果たしました。森本選手は一昨年の第25回大会で三連覇を果たしていて、見事な復活劇を見せてくださいました。

タイムは56分16秒859で、森本選手ご自身が保持する大会レコード(55分08秒)には及びませんでしたが歴代6位の記録となりました。(田崎選手 56分123921、乾選手 56分36秒580)

また、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は、日本サイクリング協会(JCA)が主催する全日本ヒルクライムシリーズ戦の最終戦(第4戦)でもあり、本大会の結果を持ってシリーズ戦の順位が確定し、本大会3位となった乾選手がシリーズ戦優勝を果たしました。

4位 森 正選手(右)、5位 矢部 周作選手(左)

4位でやってきたのは森 正選手(56分44秒437)。

全日本ヒルクライムシリーズ第1戦の「日本の蔵王 ヒルクライム・エコ2012(2012/05/19〜20)」では、1位:森 正、2位:乾 友行。
全日本ヒルクライムシリーズ第2戦の「ツール・ド・美ヶ原高原 自転車レース2012(2012/06/30〜07/01)」では、1位:乾 友行、2位:森 正。
全日本ヒルクライムシリーズ第3戦の「第26回矢島カップ Mt.鳥海バイシクルクラシック(2012/07/28〜29)」では、1位:森 正。

と、各シリーズ戦では森選手と乾選手が拮抗する状況が続きました。今回4位となった森選手は、乾選手に続いてシリーズ戦2位となりました。

そして、5位でやってきたのは矢部 周作選手(56分50秒446)。7月に岐阜県側で開催された第9回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム(2012/07/07〜08)では2位の成績を記録しています。

 

6位 足立 智弘選手(左)、7位 宮崎 新一選手(右)−着順と順位が異なる、ネットタイム方式のため

6位 足立 智弘選手(57分12秒547)と7位 宮崎 新一選手(57分15秒057)の二人は、大雪渓での着順と最終的な順位が異なっています。両者はこのままの着順でゴールしたようですが、1ページ目 でご説明したとおり、今回よりネットタイム方式による計測方法を導入したことにより、各個人のタイムトライアルとなっていて、スタート順(スタート位置)によって、スタート時間が数秒異なるため、ご覧のような現象となっています。

 

8位 村山 利男選手(左)、9位 高岡 亮寛(右) − こちらも着順と順位が異なる

8位 村山 利男選手(57分27秒399)と9位 高岡 亮寛(57分28秒653)も、大雪渓での着順と最終的な順位が異なっています。こちらもネットタイム方式による計測により、実際の順位が確定しています。

 

村山選手、復活入賞 10位 本柳 隆志選手

村山選手が保持している全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の6連覇という記録は、まだ誰にも破られていません。そして、10位までの入賞者の中でただ一人の50歳代。長きに渡って活動し続ける体力・気力は、多くの選手の鏡となっています。そして、10位は本柳 隆志選手(57分52秒942)です。

 

藤田 晃三選手

小山田 智也選手 小山内 健太選手

 さらに小山田 智也選手(12位 58分11秒290)、藤田 晃三選手(14位 58分18秒425)、小山内 健太選手(15位 58分26秒009)も続いて行きます。昨年・一昨年のペースなら入賞タイムですが、今年は入賞者のタイムが例年よりも1分以上早く、スピードのある選手が多くなってきている様子が見られます。

 

なおっき選手もがんばる!

「60分切り」を目標に365日をトレーニングに費やしてきたなおっき選手。さて、今年はその大きな壁を乗り越えさせてくれるのでしょうか...Next

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  7  Next>>