ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.3(2013/05/24〜26) F

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6  7

(Update:2013/05/30)

 

【ツアーコース】

ツアーコース位ヶ原急斜面
=終盤の雪解けのため、下山滑走困難です=

ここからはツアーコースの残雪状況をお伝えします。

尚、ツアーコースは一部滑走可能ではありますが、ツアーコース終盤にあたる入口急斜面では、雪解けに伴いブッシュが多数林立している状態で、立ち入り困難なため下山できません。必ず、乗鞍岳春山バス下り便を利用して下山してください。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) F
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) F

今週の位ヶ原急斜面
先週より50センチ減少、昨年より50センチ多い

通常、下部から上部への順番でツアーコースの状況をお伝えしていますが、今回は逆の順番でお伝えします。こちらはツアーコース最上部の位ヶ原急斜面。先週と比べて50センチ減少して、昨年よりも50センチ多い積雪量です。

 

ツアーコース上部 − ブッシュはない

ツアーコース上部はご覧のようにブッシュなどほとんどなく、問題なく滑走できる状態です。

 

昨年の6番標識付近
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) F
今週の6番標識付近
先週より50センチ以上雪解け
昨年の6番標識手前の谷
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) F
今週の6番標識手前の谷
先週より50センチ以上雪解

さらに下って6番標識付近と6番標識手前(滑走時には6番標識の先)のウェーブ部分は、先週より50センチ以上雪解けが進んで、ほぼ昨年と同じ積雪量を示しています。

 

バーン表面はひどく波打つ − 滑走困難

滑走する方がほとんどいなくなったこともあって、バーン表面はご覧のようにひどく波打っています。まともにターンすることができない箇所も多くあり、積雪のあっても下山に時間がかかる状況です。

 

昨年の5番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2012/05/26〜27) F
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2013/05/15・18・19) F

今週の5番標識
先週より60センチ減少
昨年とほぼ同じ

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。先週より60センチ減少して、昨年とほぼ同じ状況です。

 

昨年の3番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2012/05/26〜27) F
先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2013/05/15・18・19) F

今週の3番標識
先週より30〜50センチ減少
昨年より30〜50センチ少ない
=3番標識より山麓は雪解けが目立つ=

さらに下って、こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。先週よりも30〜50センチ減少し、昨年より30〜50センチ少ない積雪量です。標識周辺はかなり広範囲に雪解けが進んできました。

3番標識より上部はあまり目立たなかったブッシュも、3番標識を境に山麓側では目立つようになってきます。

 

2番標識手前 − 何とか積雪が残る 2番標識の下の斜面 − 滑走できる積雪量がある

左の画像は2番標識手前(2番標識の上部)の状況。例年ならほとんど雪解けが終わっていますが、今週はかろうじて積雪が残っています。右の画像は2番標識の下の斜面で、こちらもターンするだけのスペースがあります。

 

1番標識付近 この付近までは何とか滑走可能

こちらは1番標識付近。2番標識付近と同様に、ブッシュが目立つものの、滑走可能なスペースが残っています。最上部の位ヶ原急斜面からここまでの滑走は、問題となるような箇所はさほどありません。しかし、問題はこの先です...

 

入口急斜面 − ブッシュがひどく下山滑走困難

ここから入口急斜面です。積雪は残るものの、ほとんどターンをするスペースはなく、下山滑走困難な状況です。画像ではブッシュはまだ背が低いものの、雪解けが進むとさらに大きなブッシュが起き上がってきますので、歩いて下山することも困難な状況となってきます。

 

昨年の入口急斜面
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) F
先週の入口急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) F
今週の入口急斜面
昨年より積雪量がやや多いがほとんど変わりはない

入口急斜面全景では昨年よりも若干積雪が残っている状況が見られますが、これも数日程度の違いで、状況としてはほとんど変わりなく、入口急斜面の下山滑走はほぼ不可能な状況といえます。

 

かもしかゲレンデ − この先は積雪は全くありません

積雪が残るのはかもしかペアリフトから200メートルほど登った付近までで、この点は先週と変わりありません。この先はかもしかゲレンデ内を歩いて下山します。

今シーズンのツアーコースは降雪が早めにみられたことから、11月下旬からアクセス可能となり、12月からは何とか下山滑走することができる状態となりました。そのため、厳冬期から3月までは、昨年よりも積雪量の多い状態が続きました。そのため、位ヶ原急斜面などでは現時点でも昨年よりも積雪量の多い箇所も存在するほどでした。

昨年11月末から6ヶ月にも及んだツアーコース通いも今回で終了です。これから訪れるヒルクライムの期間は4ヶ月しかなく、ツアーコースを往来した期間のほうがはるかに長く、少しばかり名残惜しい気分にもなります。また、次のシーズンが訪れて再びツアーコースを登ることができるのを楽しみにしたいと思います。

なお、今シーズンのツアーコースは、救助要請を必要とした事案がありましたが大きな事故はなく、無事に往来できたことに感謝したいと思います。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27)

今回は取材初日はしっかりと晴れた天候とはならなかったものの、取材二日目は快晴無風の朝から始まり、まずまずの春スキー日和を送ることができました。そして、取材日の天候が良く似ている点だけでなく、その前に降雪に見舞われた点も良く似ていて、天候が不順が様子がつづいています。

5月26日(土)は、高曇りの朝を迎えます。昨日の畳平は路面がシャーベット状になるほどの降雪に見舞われましたが、乗鞍スカイラインは問題なく通常開門され、シャトルバスも始発便から運行が始まりました。そして、長野県側の乗鞍岳春山バスは、本日より大雪渓・肩の小屋口バス停(旧 肩の小屋口バス停)まで延長運行される予定でしたが、路面凍結のため、始発便は位ヶ原山荘止まりとなり、第二便からは大雪渓・肩の小屋口バス停まで運行されました。
今日の天候は終始高曇り、しかし、厚くもなく寒くもなく、山頂目指して登って行くには程よい気候。そして、昨日降った新雪は、先週のものとは大きく異なり、かなり滑りやすい状況で、稜線付近は、ほぼ全面新雪に覆われたため、プチパウダーを味わうことができました。

5月27日(日)は、快晴無風の朝を迎えます。気温が4℃と冷え込んだため、乗鞍岳春山バスは路面凍結のため、昨日と同様、始発便は位ヶ原山荘止まりとなりました。9時前に位ヶ原山荘に到着した春山バス始発便4台からは、いつものようにたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々が、屋根板から位ヶ原、そして、山頂方面へと目指します。少しばかりひんやりとしたそよ風に吹かれる感覚が心地よく、真っ青な空に真っ白な山肌のコントラストが美しく、それに加えて、雪解けで少しずつはっきりとしてきたハイマツの緑がアクセントを加える様子は、この時期しか見られない旬の光景で、午後になると少し曇ってきたものの、今日も穏やかな一日となりました。

 

<編集後記>

「5月下旬は春スキーに適した季節...」

ゴールデンウィークあたりに天気が荒れていわゆる「メイストーム」は5月の気象現象として良く知られています。それでも、今回のように5月後半は比較的晴れた日が多く、一年の中で最も過ごし易い時期でもあります。

天候が安定していて、しかも、稜線からの大滑降が楽しめるこの時期こそ、春スキーには最も適しているのではないかと思います。稜線までのハイクアップはなかなか辛いものがありますが、苦労して登り上げたときに広がる大パノラマを実際にご覧いただくと、感動もヒトシオだと思います。

ノリクラのビックスケールを楽しめるのはこの時期しかありません。雪質も柔らかく、天候さえ良ければ過ごし易い条件が整う確率が高いと言えます。

乗鞍一帯が含まれる東海地方や関東甲信地方の梅雨入りは平年6月8日となっています。しかし、九州・四国・中国地方では5月27日に、そして、近畿・東海地方は5月28日に梅雨入りしてしまい、この記事を書く現在(5月28日)時点で、乗鞍地域も西側半分が梅雨入りしてしまいました。

今後は梅雨の晴れ間を有効に生かして春スキーを楽しみたいものですが、来年はぜひとも5月下旬に照準を合わせてノリクラでの春スキーを楽しんでいただけたらと思います。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  7  -  Next-Page (Vol.4) >>