ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.3(2013/05/24〜26) D

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(Update:2013/05/30)

 

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

肩の小屋より稜線方面の概要・滑走箇所は、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。

 

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面 稜線への登行ルートについて】


別角度

@ 2013/05/26 10:10
=大雪渓から稜線方面=
赤線のは斜度が緩く登りやすいが、先が見えない
緑線の滑走ルートは斜度がきつく登りにくい

A 2013/05/24 11:10
=別角度で見る=
赤線は途中でルートが閉ざされる
緑線のルートで登るようにしてください
(高山植物保護と雷鳥保護のため)

今年は稜線付近の雪解けが早く、例年6月以降から登るルートが制限されるようになってきますが、今年はすでにその状態になってきました。
【画像@】 大雪渓方面から稜線の様子です。今週は大半の方が緑線で登っていますが、ど先の見えない赤線ルートを行こうとされる様子もみられました。
【画像A】別角度で見た画像です。ご覧のように赤線はハイマツ・岩場がすでに現れていて、ルートが閉ざされています。必ず緑線ルートでお願いいたします。

一人でも取り付きやすいルートを登ると、それに続くほかの方も同じルートを登ることになり、積雪のない地面を硬いブーツ底で何度も踏みつけられると、高山植物の植生に影響を与え、また、繁殖期を迎えた雷鳥への影響も懸念されます。

一人一人の行動が大きく影響を与えますので、ぜひとも、ご協力ください。

 

肩の小屋〜山頂の登山道入口
昨年より3週間早い雪解け

こちらが肩の小屋から山頂方面に向かう登山道の入口部分。昨年よりも3週間ほど早い雪解けで、この先の稜線までの区間の中間地点くらいまでは雪解けが完了しています。

 

凍結が見られる − 夜間は氷点下

岩の一部が凍っています、どうやら昨晩は夜間凍結した模様です。標高2800メートル付近では、この時期になっても夜間は氷点下に気温が下がっていることを物語っています。

標高2702メートルの畳平でも、早朝6時の気温が氷点下になっていることも珍しくなく、5月下旬〜6月上旬までは、乗鞍スカイラインが路面凍結で早朝の1〜2時間通行止めになることもあります。

 

昨年同時期より3週間遅い肩の小屋〜山頂の登山道
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) C
先週の肩の小屋〜山頂の登山道
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道
昨年より3週間早い雪解け

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり。昨年より3週間早い雪解けで、例年より2週間ほど早い雪解けです。

 

昨年同時期より3週間遅い肩の小屋〜山頂の登山道
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道
昨年より3週間早い雪解け

こちらは肩の小屋から稜線までのちょうど中間付近。今週になって岩が見られるようになって来ました。昨年より3週間早い雪解けで、例年より2週間ほど早い雪解けです。

 

この先、積雪が残るのは登山道上のみ

これより先は積雪があります。しかし、先週からさらに雪解け進んでいて、積雪が残っているのは登山道部分だけという状況になり、おそらく次週末には登山道部分積雪もかなり少なくなると考えられます。

 

アイゼン着用でもスリップ注意

登山者の多くがアイゼンを装着して下山される様子が見られました。それでもスリップして転倒される方もいらっしゃり、足元には十分注意して下さい。また、スリップして転倒するケースだけでなく、アイゼンの歯を靴やパンツの裾に引っ掛けて転倒することもしばしばありますので、歩幅の取り方やパンツ裾の処理(スパッツ着用)には注意を払って下さい。

 

腰掛けたらもう動けない! − 「もうここで止める!!」 何とか再び出発

さて、先ほどのボーダーの御一行...再びアイゼンを装着して出発しようとしていますが、初めてノリクラにお越しになった方は、腰掛けたらもう足が動きません...「もうここで止める!!」と、弱気になってしまうものの、メンバーの後押しもあって、何とか再び出発します。

春スキーの時期とは言えども、夏の登山とは異なって、冬山に近い装備が必要で、さらにはザクザクの雪は予想以上に歩きにくく、思った以上に体力を消耗してしまいます。ムリをせず、呼吸が落ち着いたら再び歩き始める程度のペースで行きましょう...

 

摩利支天岳 −昨年とほぼ同じ積雪量

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。昨年とほぼ同じ積雪量で、例年と比べてもほぼ同じ積雪量です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。

ご覧のように岩の頭が見られるようになってきて、昨年より2週間早い雪解けで、例年と比べても1〜2週間早い状態です。

 

大雪渓方面への滑走エリア −例年6月中下旬まで滑走可能 蚕玉岳方面の尾根−昨年より3週間早い雪解け

左の画像は大雪渓方面へ滑り込む箇所。今後、雪解けが進み、大雪渓上端に接続する部分に岩場が出てバーンが途切れてくると、滑走できなくなります(途切れる箇所は画像の左下付近です)。例年、6月中旬〜下旬まで滑走可能です。

右の画像の蚕玉岳方面の尾根、地面の露出部分は先週よりもさらに拡大しています。昨年より3週間早い雪解けです。

 

バーン表面にはクラックが走る

雪解けが進んで、バーン表面にはクラックが走るようになってきました。周辺は積雪量がかなり少なく、このクラックが大きな雪崩につながると考えにくい状態ですが、念のため、付近には立ち入らないほうがよいと考えられます。

 

5月24日(金)の模様 − 今シーズン一番の快晴と爽快な風

こちらの画像は取材一日目の5月24日(金)の様子。5月24日の速報 でもお伝えしましたが、この日は今シーズン一番といっても過言ではないほどの真っ青な空が突き抜けていて、さらに爽やかな風が終日にわたって吹き抜けていました。

「風に吹かれている心地よさ」を十二分に味わうことができました。5月下旬のこの時期は、このような絶好の条件にめぐり合える確率がかなり高いものですが、今回ほどの好条件はなかなか遭遇できないと思われます。

 

5月25日(土)の様子 − たくさんの方が稜線目指して

こちらの画像は取材二日目の5月25日(土)の様子。週末ということもあって、たくさんの方が稜線目指して登って来ます。そして、昨日の画像と比べると空の青さに違いがあることが一目瞭然です。その後、午後になって天候は崩れはじめましたので空気中の水蒸気の量など、その兆候が午前中から空の青さにも影響を与えていたのかもしれません。

 

「もうダメだ...」

そんな中、膝をガクッと落として座り込むこちらの方...「もうダメだ...」の連呼が聞こえます。

 

後ろの絶景を振り向く ちょっと元気を取り戻して、あと一息...

「後ろの光景を見てご覧なさい...」。そんなことを聞かされるまでは、この絶景に気付く余裕など全くありません。後ろの絶景に元気を少し取り戻して、稜線までのあと一息をがんばります。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) C
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年よりやや早い雪解け

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年よりやや早い雪解けで、例年とほぼ同じ状況です。

 

昨年の権現ヶ池
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
今週の権現ヶ池
昨年より2週間早い雪解け
昨年の朝日岳
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
今週の朝日岳
昨年とほぼ同じかやや多い

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、昨年より2週間早い雪解けで、ほぼ例年並みの状況です。朝日岳は昨年とほぼ同じかやや多く、ほぼ例年並みの状況です。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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