ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.3(2013/05/24〜26) C

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(Update:2013/05/30)

 

【畳平に到着、畳平周辺】

畳平 − 気温8℃、快晴無風

シャトルバス始発便が到着した8時前の畳平の気温は8℃。快晴無風が続きます。

 

乗鞍環境パトロール − 啓蒙活動中! 出発の準備

シャトルバスが到着すると、乗鞍環境パトロールの方々が、登山やスキーなどでお越しの乗客に自然環境の啓蒙活動を開始します。今年はパトロール活動などの巡回業務のほかに、啓蒙・案内業務にも重点を置いて実施して行くとのことでした。

そして、スキーヤー・ボーダーの方々は、すぐに出発の準備に入ります。

 

今日は乗鞍スカイラインで − 運行本数が多いので...

今日は長野県側の乗鞍高原から位ヶ原山荘に向かう乗鞍岳春山バスを利用するつもりでしたが、雪解けによりツアーコースでの下山滑走が困難な状況から、急遽、岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバスに変更されたとのことです。「こちらのほうが運行本数が多いので、帰りには便利だと思いまして...」

 

山頂目指して...

乗鞍スカイラインのシャトルバスは、土日祝日は30分に1便の頻度で運行されます。全線2車線の乗鞍スカイラインは上り便・下り便の対向場所などを考慮する必要がないため、運行本数を増やしても問題がなく、その利便性には大きなメリットがあるものと考えられます。

 

不動岳 −昨年より2週間早い雪解け 鶴ヶ池 −昨年より2週間早い雪解け

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は、畳平の東にある鶴ヶ池。不動岳・鶴ヶ池ともに昨年より2週間早い雪解けで、例年と比べても1〜2週間早い雪解けです。

 

肩の小屋への専用道 − 雪解けが進む

畳平から大雪渓・剣ヶ峰には、肩の小屋への専用道を歩いて行きます。正式には肩の小屋の奥にある東京大学宇宙線研究所附属乗鞍観測所に向かう専用道です。

今年は積雪量が少なく、ご覧のとおり路面が現れていますので、ほとんど雪の上を歩く必要がありません。この先の肩の小屋・コロナ観測所分岐点までの間で雪の上を歩く区間は100メートルにも満たない状況です。

 

お花畑 − 昨年より1〜2週間早い

こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。二つの山肌の谷底がお花畑で、谷底部分にはすでに岩の頭が見えていて、昨年より1〜2週間早い雪解けを見せています。

 

2012年のお花畑
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
2010年のお花畑
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) A
2009年のお花畑
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) A
2008年のお花畑
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2008/06/07〜08) A
=例年と比べても1〜2週間早い雪解け=

2012年から2008年までの同一時期のお花畑の状況を見ても、今年の雪解けの早さがわかるかと思います。例年と比べても、今週は1〜2週間早い雪解け状況です。

 

不消ヶ池 − 昨年より2週間ほど早い雪解け

摩利支天岳の北斜面にある不消ヶ池(きえずがいけ)も、昨年より2週間ほど早い雪解けです。

 

不消ヶ池取水口 −飲用水取水のため一帯は立ち入りはできない状態

不消ヶ池には畳平の各施設に供給する取水口があります。しかし、今年は雪解け水が少なく、まだ水を供給することができないとのことで、バスターミナルの売店などは、給水車を使って水を山麓から運び上げてているとのことでした。

なお、不消ヶ池は畳平の水源となっていますので、周辺の立ち入りはできない状態です。

 

富士見岳 − 昨年より1週間ほど早い雪解け

、富士見岳は昨年より1週間ほど早い雪解けで、例年と比べても1週間ほど早い雪解けを見せています。

 

【肩の小屋へ】

肩の小屋・コロナ観測所 分岐点
昨年より3週間早い雪解け

畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。

昨年より3週間早い雪解けで、2011年とほぼ同じ状況です。また、例年と比べても3週間ほど早い雪解けを見せています。

 

大雪渓 −昨年より3週間早い雪解け 位ヶ原 −昨年より1〜2週間早い雪解け

分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。分岐点付近から望む大雪渓・稜線方面(画像左)は昨年より3週間早い雪解け、位ヶ原方面(画像右)は先週の段階では昨年より3週間早い雪解けでしたが今週はあまり雪解けが進まず、昨年より1〜2週間早い雪解けにとどまっています。

 

2012年の大雪渓
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
2011年の大雪渓
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) A
2010年の大雪渓
2010ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.3(2010/05/29〜30) A
2009年の大雪渓
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) A
=過去4年間で、今年は2011年とほぼ同じで、1〜2週間早い雪解け=

過去4年間(2009〜2012年)の大雪渓方面の様子と比べると、2011年とほぼ同じで、1〜2週間早い雪解けです。

 

分岐点から肩の小屋方面 − 雪に閉ざされアイゼン必要

分岐点から肩の小屋方面は、大半が雪に閉ざされています。急斜面をトラバースする必要がありますので、この先はアイゼンが必要です。

 

昨年の肩の小屋への専用道(フェンス)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
今週の肩の小屋への専用道(フェンス)

専用道にある落石防止のフェンスが見られます。他の場所では昨年よりも大幅に積雪量の少ない様子がありますが、この箇所に関しては、昨年とそれほど積雪量が変わらない状態です。

 

昨年の肩の小屋への専用道
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
今週の肩の小屋への専用道
積雪量は昨年と変わらない

フェンスの先も部分的に専用道が確認できますが、昨年と変わりありません。ただ、画像の奥の稜線付近は昨年と大きな違いがあることが一目瞭然です。

稜線付近の様子については、次のページの 【稜線へ】【稜線】 の各コーナーで詳しくお伝えします。

 

アイゼンの装着

ボーダーの方々が一斉にはじめているのは、アイゼンの装着。「確か去年もここで履いたよね〜。」

 

メンバー同士でちゃんとチェック 全員揃って出発

メンバー同士でちゃんと装着できているかどうかチェック...今回は初めてノリクラにお越しになった方もいて、全員装着できたのを確認して出発です。

 

雪渓下部へ続く急斜面 −落石多発地帯(立ち入り注意)

ここから大雪渓駐車場方面へは、フォールラインがストレートな急斜面が広がっています。スキーヤー・ボーダーの方々には楽しいバーンであると考えられます。ご覧のように雪解けとともに岩場が広がり始め、この付近からの落石は雪解けが落ち着く6月下旬頃まで毎年多発しています。

そのため、この付近への立ち入りは注意が必要で、不必要に岩場に進入することは避けなければなりません。

 

【肩の小屋】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋周辺
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
今週の肩の小屋周辺
昨年よりやや早い雪解け
昨年の肩の小屋東側
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
今週の肩の小屋東側
昨年より1週間早い雪解け

 上段では昨年よりやや雪解けが早く、下段では昨年より1週間ほど早い雪解けで、例年と比べてほぼ同じか1週間ほど早い雪解けです。

 

昨年の肩の小屋西側
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) B
今週の肩の小屋西側
昨年より2週間早い雪解け

西側の屋根周辺の積雪は、昨年より2週間早い雪解け、例年と比べてほぼ同じか1週間早い雪解けです。

 

雪解け箇所 キバナシャクナゲ

雪解けの進んだ部分を見ると、ハイマツやキバナシャクナゲなどの緑を目にすることができます。

 

花芽(左)と昨年の花(右) 昨年咲いた部分には花芽はない

キバナシャクナゲは他の高山植物に先駆けて大輪の花を咲かせてくれます。肩の小屋周辺では6月中旬〜下旬頃に開花を迎えるはずです。

左の画像では、今年咲く花芽(画像左部分)と、昨年咲いたもの(画像右部分)が見られます。
右の画像は昨年咲いた部分を拡大したもの、こちらには今年の花芽はありません。どうやら毎年同じ部分が咲くわけではなく、さらに新芽には花芽と葉芽の2種類がありますので、実際に咲く箇所はかなり少ないということがわかります。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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