ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.13(2014/08/02〜03) @

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(Update:2014/08/07)

 

8月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
夏真っ只中を迎えて、何をやっても動きやすいシーズンを迎えました。半年前の厳冬期のノリクラとは想像もできないほど動きやすい...「動きやすい」とお聞きになると違和感があるかもしれませんが、冬は何をするにしても本当に活動が制限されるものです。四季にこれだけ違いが見られるから、その移り変わりに一喜一憂するものです。

8月2日(土)は、朝一番は青空が広がっていたものの、次第に雲に覆われて、9時過ぎにはほとんど日差しがなくなります。おそらく台風12号の影響で湿った空気が流れ込み、終日に渡って蒸し暑い一日でした。午後になって、一時的に雨に見舞われるタイミングがありましたが、思ったほどの天候の崩れはなく、蒸し暑ささえなければ、快適なコンディションだったと思います。

8月3日(日)も、昨日と同じような天候の推移でした。早朝の晴れ間からすぐに曇り空に覆われ、午前中は小雨と霧が周期的に流れます。そして、午後からはザーッと降っては止むのを繰り返す状況でした。この天候ですが、昨日よりも人出は多く、特にヒルクライマーは午前中だけで201名も駆け上がり、観光センター前駐車場は8時前にはもう満車になりました。

<乗鞍岳登山道(大雪渓・稜線付近)の積雪量>
大雪渓〜肩の小屋の登山道で、約20メートルほどの区間で積雪が残っていますが、最も急勾配な箇所は雪解けが完了し、ほぼ問題なく登山・下山が可能な状況となっています。ただ、天候状況によっては、滑りやすい状況も考えられますのでご注意ください。この区間の積雪は、例年7月下旬〜8月上旬まで残っていて、おそらく、次週末には積雪はほぼなくなることが予測されます。そのほか、肩の小屋近くで一部積雪がありますが、こちらは数日以内には完全に雪解けが完了するはずです。、

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月2日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 T】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 U】       【大雪渓に到着、林間学校で剣ヶ峰登山に】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U、モーグルコース@】       【雪渓下部 V、モーグルコースA、超ロングコースに必死に挑む】
Page-4 : 【雪渓中段】       【雪渓上部】
Page-5 : 【大雪渓から肩の小屋へ】       【山頂への登山道】
Page-6 : 【8月3日(日)の様子、ヒルクライマーは今期一番の人出】
Page-7 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

【乗鞍岳登山道、大雪渓から肩の小屋への登山道の積雪状況(8月2日現在)】   (Page-3)

●参考資料●
(大雪渓夏スキー 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー山頂版)

 

【8月2日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

早朝6時の観光センター前駐車場。

 

雲量の多い晴天 畳平も気温は高め
(シャトルバス乗車券販売所)

上空には鰯雲が広がり、雲量の多い晴天です。気温は18℃でほぼ例年並かやや高めといったところです。沖縄地方に接近している台風12号からの湿った空気が入り込んで来ている影響からか、気温以上に蒸し暑さを感じ、朝一番のひんやりした感覚は全くありません。

シャトルバス乗車券販売所のカウンターには、早朝の畳平(乗鞍山頂)の天候が掲示されていますが、気温は10℃と高めの状態。風は4メートルと比較的穏やかで、強風で自転車のみ通行止めとなる乗鞍スカイラインは、今日は問題ありません。もちろんシャトルバスはAダイヤでの運行が始発便から始まる予定です。

 

シャトルバス始発便を待つ − 「今週は滑り過ぎないようにちょっと抑え気味に..」

そして、シャトルバス始発便は、ご覧のように乗客の方の列ができています。ただ、先週ほどの長さはなく、混雑はありません。通常のアルペンスキーでは、ストックとスキー板のほか、重たいブーツも持参されますが、こちらの方はスキー板とストックしかありません。

滑走面に鱗状の切り込みがあって、滑るだけでなく、登ることも可能なステップソールの板には、革のブーツがお似合い...このまま街中を歩いていても一向に違和感がないでしょう。ステップソールでの行動では登高と滑走に境目がなく、登ったらすぐに滑走し、再び登り返すというパターンのため、休憩を取るタイミングがありません。

「先週は滑りすぎたので、今週はちょっと押さえ気味にしておきます。」と、おっしゃっていましたが、始発便で大雪渓入りすると、かなりの長時間を滑走&登高を繰り返すことになるはず...おそらく滑りすぎてしまうことでしょう。

 

シャトルバス始発便到着

そして、いつものようにシャトルバス始発便が到着。8月になってもご覧の通り長袖の方ばかりです。先ほどから今日は蒸し暑いと申し上げていますが、それでもこの状態ですから、長袖を忘れてしまったら、終日寒い思いをする場合もあるということです。

 

今日は2台運行

今日の始発便は2台運行です。これから、しばらくの間は週末を中心に2台以上の運行となる日が多くなるかと思います。

 

ヒルクライマーが出発の準備

シャトルバスの運行が始まり、県道乗鞍岳線の三本滝ゲートも6時からオープンします。今日も駐車場のあちこちでヒルクライマー方々が出発の準備に取り掛かっています。

 

朝一番で出発するヒルクライマーも

梅雨明け後、天候が安定した日が続くようになると、畳平までのヒルクライムを2セット以上もトライされる方や、畳平から乗鞍スカイラインを平湯峠へ下りて、そこから再び登り返して戻ってくる方も見られるようになります。さらには、平湯峠からさらに下って安房峠を経由して国道158号線を回り、乗鞍高原まで戻ってくるという周回ロングランに挑む方も見られます。

 

【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 T】

ここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

休暇村 正面にはヤマボウシ

こちらは休暇村。正面にはヤマボウシがあります。

 

1ヶ月前のヤマボウシ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) @
今週のやまぼうし − 先週までは花弁(総苞片)があった

左の画像は1ヶ月前のヤマボウシの様子。4枚の総苞片(そうほうへん)が中心の坊主頭に白い頭巾をかぶせたように見えるところから「山法師(やまぼうし)」と呼ばれていますが、右の今週の画像では総苞片が落ちました。

先週までは残っていましたので、実に1ヶ月近くにわたって「開花」していたことになります。

 

3週間前のツルアジサイ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) @
今週のツルアジサイ
本物の花は終わっても装飾花は残る

こちらはツルアジサイ。左の画像は3週間前の様子で、右の今週の画像でもまだ装飾花が残っています。しかし、中心に密集している本物の花は終わって実ができつつあります。つまり、前述のヤマボウシもこちらのツルアジサイも、実際の花よりも長く楽しめることを示しています。

 

今週見頃の装飾花の仲間 − ノリウツギ

こちらはツルアジサイに良く似ていますが、中心部分に密集する本物の花が咲いていないものもまだ見られます。実はこれは種類が異なり、ノリウツギとよばれる植物。7月下旬から8月上旬にかけて見頃を迎えます

 

3週間前のツルアジサイ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) @
今週のノリウツギ

ツルアジサイとノリウツギは、花(装飾花)は良く似てますが、ご覧のように植生が異なります。ツルアジサイは別の樹木に絡み付いて、花はかなり密集していますが、ノリウツギは人の背丈かそれ以上の高さで、花はそれほど密集していませんので、その違いさえわかれば一目瞭然でしょう。

また、乗鞍高原では、カンボク・ヤマボウシ→ツルアジサイ→ノリウツギの順番で咲きますので、その時期も判別の大きな要素となります。

三本滝ゲート − この先、マイカー規制

観光センターから7km先にある三本滝ゲート。この先はマイカー規制となり、警備員の方が通過車両のチェックを行います。

 

三本滝レストハウス前駐車場 ここからヒルクライムに出発する様子も

三本滝ゲートの隣にある三本滝レストハウス前駐車場。こちらがシャトルバス乗り換えの最終駐車場です。こちらの駐車場でもヒルクライムの準備を始める様子が見られます。ノリクラでのヒルクライムが今回初めてで、足慣らしに今回は三本滝レストハウス前駐車場から出発されるとのこと...

観光センター、及び、三本滝ゲートから終点の畳平までの標高差・距離は、観光センター〜畳平は、標高差約1200メートル、距離約20kmですが、三本滝ゲート〜畳平は、標高差約900メートル、距離13kmに短縮されます。また、観光センターから三本滝まではマイカーの通行も多いため。一般の自動車の往来を気にされる場合は三本滝から出発するのも良いかもしれません。

 

朝の涼しいうちに出発

日差しが強くなるまでに出発しようというヒルクライマーは、朝一番から出発されるケースも多いようで、ひんやりとした空気感を味わいながらのヒルクライムは、この時期としてはかなり贅沢な楽しみといえます。

 

かもしかゲレンデのヤナギラン − 開花をはじめたものが多くなる

さて、かもしかゲレンデのヤナギランですが、先週よりも開花しているものが多くなってきました。ほぼ、昨年と同じ推移を見せています。

 

道路脇の大きな葉

そして、道路脇には、フキのようなひときわ目立つ大きな葉が見られます。

 

マルバタケブキ

その名もマルバタケブキ(丸葉岳蕗)。葉が丸く、高山(岳)に自生する蕗という意味ですが、花は蕗とはまるで違います。葉と同様に花そのものも大きく目立ちますから、シャトルバスの車窓からでも十分楽しむことができます。

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