ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.13(2014/08/02〜03) F

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(Update:2014/08/07)

 

【畳平、お花畑】

畳平バスターミナル

最後に畳平とお花畑の様子をお伝えします。
今日は観光バスは10台以上も停まっていて、団体ツアーなどはまずまずの来場のようでした。また、シャトルバスは先週のような長蛇の列は見られず、いつもの週末並みの状況でした。

 

乗鞍自然観光案内所 畳平周辺のツキノワグマの目撃情報

畳平バスターミナル内の乗鞍自然観光案内所。こちらには畳平周辺のツキノワグマの目撃情報が掲示されています。7月下旬に入って魔王岳周辺で頻繁に目撃されるようになっています。今年が特別多いというわけではなく、例年7月下旬〜8月下旬までは頻度が高くなる傾向が見られ、場合によっては出没した山域の入山規制が実施されます。

 

畳平お花畑

さて、ここからはいつものように畳平お花畑の様子をお伝えします。

 

入口付近 先週に引き続きハクサンイチゲが見頃

入口付近では先週に引き続きハクサンイチゲの見頃が続いています。昨年よりも若干遅めの状況です。

 

ミヤマクロユリも見頃に

散策する登山客の中には、「このちっちゃい黒いのは...これがミヤマクロユリですか!見逃してしまうところでした。」と、驚く様子もあります。
花の長さは5センチ程度で、一般的に考えられているユリのサイズから比べるとかなり小さく、これほど群生しているにもかかわらず、気付かずに通り過ぎる方もたくさんいらっしゃいます。

 

お花畑遊歩道と不消道の分岐点

しばらく進んで、お花畑の遊歩道(周回コース)は画像を右に進みます。まっすぐ進むと「不消道(きえずどう)」と呼ばれる登山道で、肩の小屋への専用道につながります。

 

コバイケイソウの群生 − 花はない 入口付近に一株だけ咲いていた

この分岐点付近ではコバイケイソウが群生していますが、どれも花をつけていません。右の画像は入口付近にある株で、ご覧の通り一輪だけ見つけることができました。今年はどこを見てもコバイケイソウの花がなく、大雪渓など別のエリアも含めて、この一輪が今年初めてのコバイケイソウの花でした。どうやら「はずれ年」に当たっているようです。

 

周回コース

そして、周回コースをさらに奥へと進みます。

 

周回コースの中間付近 ミヤマキンポウゲ

分岐点から周回コースの中間付近まで近づくと、周囲に黄色い花が群生している様子が見られます。黄色の高山植物も多数ありますが、こちらはミヤマキンポウゲ。葉の切れ込みに特徴があります。ミヤマキンバイも同様に群生していますが、ミヤマキンポウゲよりも若干時期が早く、すでに終了している場所もたくさんあります。

 

ヤマカラシ ミネズオウ

全体的にはハクサンイチゲがかなり多く分布していて、ハクサンイチゲをメインとしたお花畑といっても良いくらい。そんな中でも、ヤマカラシやミネズオウなど他の高山植物も、数は多くないものの見つけることが可能です。

 

周回コースの折り返し地点

そして、周回コースの折り返し地点までやってくると...

 

ハクサンイチゲは大半が終了

ハクサンイチゲは大半が終了しています。

 

ヨツバシオガマ ミヤマアキノキリンソウ

ヨツバシオガマはまだ数は少ないものの見頃を迎え、ミヤマアキノキリンソウが花を咲かせようとしています。そんな様子を見ると、夏のピークが少し過ぎつつあるようにも感じられます。

 

畳平お花畑はハイシーズンを迎える
(8月中旬くらいまで楽しめる)

畳平のお花畑は、高山植物のハイシーズンを迎えています。8月中旬位までは色々な高山植物が楽しめ、それ以降も、まだ数多くの高山植物が見られます。

 

【昨年の今ごろは?】

2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2013/08/03〜04)

取材一日目の8月3日(土)は、山頂にモルゲンロートの輝く朝を迎えます。しかし、その後、乗鞍高原は一時的に雲に覆われます。ただ、大雪渓付近は雲の上で、現地に向かう道中から少しずつ晴れてゆく場面展開が夏のノリクラともいえます。ただ、大雪渓も10時過ぎから、周期的に山麓から雲が沸きあがるようになり、視界が妨げられるときもありました。午後は山麓からの雲の流れ込みはなくなり、さわやかな北風へと空気の流れが変わり、一日を通してみれば、まずまずの安定した状況だったといえます。

取材二日目の8月4日(日)は、早朝は青空がありましたが次第に曇り空となり、午後になって一時的に青空がのぞくものの、ほぼ終日曇でした。それでも、今日の県道乗鞍岳線は、ヒルクライマーに埋め尽くされ、まるで走行会かレースが開催されているような賑わい振りでした。位ヶ原山荘付近までは寒さはなく、大雪渓付近までやってくると気温12℃で肌寒さを感じ、岐阜県側の乗鞍スカイラインは濃霧のため、自転車は通行止めになるほどでした。

 

<編集後記>

「クマ出没...」

2009年9月にクマによる負傷事故が発生して以来、畳平周辺ではクマの監視体制と入山規制強化が実施され、例年、7月下旬から8月にかけて、目撃件数が増える傾向が見られます。

先週は魔王岳周辺を中心にクマの目撃件数が急激に増えています。7月は目撃件数は18件ですが、その3分の2は7月22日以降に集中し、目撃地点が畳平の各施設や登山道に近いところで目撃されれば、入山規制の措置がとられます。目撃件数としては昨年並みで、特に多いというわけではありません。クマは採食のために雪解けと共に高山帯へ登ってくると考えられ、過去の状況から、今後しばらくは高頻度で出没することと思われます。

 

多くの場合は鉢合わせが回避されている
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2011/08/25〜27) A
親子熊には注意!
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2013/07/05〜06) @

多くの場合は、クマのほうが先に気付いて鉢合わせが回避されているものと考えられますが、乗鞍スカイラインを走行中のヒルクライマーが親子熊に遭遇するというアクシデントも発生しています。子連れの親クマは、非常にデリケートになっていますので要注意です。

人間のほうがクマの気配を先に察知して対処することは、一般人には無理だと思いますので、登山者だけでなく、ヒルクライマーも熊鈴を携行して人間の行動をアピールし、単独行動を避けることが、現時点ではできる限りの対処方法でしょう。本来、クマの生息域に人間が侵入しているという感覚をもって行動することも必要でしょう。

 

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