ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.4(2016/06/04〜05) E

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(Update:2016/06/09)

 

【肩の小屋から稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2016/05/28〜29) D
今回の肩の小屋〜山頂の登山道
先週より50メートルほど雪解け

雪解けは先週よりも50メートルほど先に進み、雪解けスピードとはほとんど変わっていません。

 

積雪は登山道上のみ − 昨年より3週間ほど遅い雪解け
=昨年より積雪が多いのはここだけ=

周辺の積雪はほぼなくなり、積雪部分は登山道上に限定され、おそらく、次週末にはほぼ完全に積雪がなくなることと思います。昨年より3週間ほど遅い雪解けです。昨年より積雪の多い箇所はここだけです。

 

蚕玉岳〜朝日岳稜線付近

さて、登山道の青の部分がこれまで登って来たところで、この先の赤線部分がこれから向かう急斜面です。

 

トレースがありますが... すれ違いではトレースから外れる必要も
=アイゼン装着をお勧めします=

ご覧のようにトレースがついていますので、それに沿って登るだけなら、登山靴でも対応可能でしょうが、右の画像のようにすれ違う際にはどちらかがトレースから抜ける必要がありますので、アイゼン装着をお勧めします。

 

夏道つづら折れ箇所 常連テレマーカー、3本目の滑走へ

急斜面トラバースを抜けた後は夏道のつづら折れを抜けて稜線へと向かいます。そして、いつもの常連テレマーカーの方。まだ、時刻はお昼前だというのにすでに3本目の滑走で、この後、お昼休みを取ったのち、さらに2本こなされました。おそらく、たくさん滑走される方でも1日に3本が限界でしょう...

 

滑走できる蚕玉岳へ

こちらでは滑走できませんので、この先の蚕玉岳へと向かいます。

 

×印で雪がなくなり、稜線からの滑走は不能に

さて、画像の×印は大雪渓に滑り降りる部分(大雪渓から登ってくる部分)です。ここが途切れてしまったため、蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑走はできなくなってしまいました。

 

×印箇所

こちらは上から見たところ。何人かのスキーヤーが岩場を歩いて登ってきていますが、高山植物などの植生保護のため、今後は肩の小屋からの夏道を利用していただくようお願いいたします。

 

ライチョウの卵の採卵 − ライチョウ生息域外保全事業

今回登山道にお越しになった方の中には、登山道から遠く離れたハイマツ帯の中を歩く人を目撃されたのではないでしょうか?一般の人が立ち入ることができないエリアですので疑問に思った方もいらっしゃったようですが、これは環境省が行っている「平成28年度 ライチョウ生息域外保全事業」の一環によるライチョウの卵の採卵です。

昨年から環境省では雷鳥保護に向けた人工飼育の取り組みが始まり、今年は先週から採卵作業が始まりました。今回は東京の上野動物園と富山市ファミリーパークに加え、大町市の大町山岳博物館で、孵化・飼育を試みます。これまでに4個の卵を採取し、5日にはさらに2個が確保でき、最終的には12個を予定しているとのことです。今年は各営巣エリアの雪解けに差異があったことから、それぞれのエリアの産卵時期に違いがあって、採卵は昨年よりもやや難航しているとのことでした。

雷鳥は絶滅危惧IB類 (EN)に指定されていて、飼育下繁殖の技術確立が急務の一つとなっています。「トキの二の舞」にならないためにも、絶滅前にこのような取り組みが行われています。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2015/06/06〜07) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2016/05/28〜29) D
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年とほぼ同じ、例年より1週間早い雪解け

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年とほぼ同じ状態で、例年よりも1週間程度遅い雪解けです。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2015/06/06〜07) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2016/05/28〜29) D
今週の権現ヶ池
昨年より1週間早く、例年より2週間雪解け

こちらは御岳の二ノ池に次いで国内2番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。昨年より1週間ほど早い雪解けで、例年より2週間程度早い雪解けです。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2015/06/06〜07) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2016/05/28〜29) D
今週の朝日岳
昨年とほぼ同じ、例年の6月中旬〜下旬並み

朝日岳は昨年とほぼ同じで、例年の6月中旬〜下旬並みの積雪状態です。

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