ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2008/09/06〜07) @
【大雪渓】
8月が終わると気分的にも夏よりも秋のウエイトが大きくなってきます。平地よりも秋の訪れの早いノリクラではより一層そんな感覚にさせられるのかもしれません。このところ、はっきりしない天候が続きましたが、この週末も同様で、特に7日(日)は夏の夕立に見舞われて、まだ、少しばかり夏が残っている雰囲気も感じさせました。
夏休みが終わり、本格的な紅葉が訪れる9月下旬頃までのこの時期は、観光客や登山客の方がやや少なめになる傾向が毎年あり、今回の週末の人出はかなり少ないものとなりました。8月のシャトルバスは早朝の便を除くと、どの便も複数台のバスが列を連ねて畳平まで登って行くものの、この週末は9時便以外は、ほとんど1台構成で運行されたほどです。
また、本格的な紅葉まではまだ時間がかかりますが、それでも部分的に色づく木々も見られ、これからは刻々と変化する様子に目が離せない状況となってきまました。
大雪渓の雪解けはまだまだ進んで、先週まで残っていた雪渓下部と雪渓中段は完全に雪解けが終了し、雪渓上部右側もかなり小さくなって、現在、滑走できるのは急斜面の雪渓上部左側のみとなり、全体的には昨年より1週間遅い状況を見せています。
それではこの二日間の様子をお伝えします。
【9月6日(土)、観光センター】
早朝6時の乗鞍高原はご覧のように上空を雲に覆われどんよりとした天候から始まります。気温は17℃、観光センター駐車場にお越しになった車は25台ほど。先月と比べるとひっそりとした朝を迎えています。
雲は低く山麓の山肌も覆われるほど |
上空の雲はかなり低く垂れ込め、乗鞍高原周辺の低い山並みまで雲に包まれるほどで、ノリクラの山頂方面は全く確認することはできません。
観光センター売店営業開始時間は9月より5時30分から8時に変更 |
先週までは早朝5時30分から営業していた観光センターの売店も9月からの営業開始時間は8時になっています。ここでおにぎりなどを用立てて、シャトルバスの早朝便に乗車しようとされる方は買い求めることができませんのでご注意ください。
駐車場では山頂に向かう準備 |
ひっそりとした観光センター駐車場ですが、それでもいつものようにシャトルバスに乗車しようとされる登山の方々などが準備を始める様子があります。
今回で今年のノリクラ滑り納め |
7時便に向けて準備を始めるスキーヤーはこちらの方だけ。今年は今日で7回目のノリクラ。おそらく、今回で今年のノリクラの滑り納めになるとのこと。9月から速報やノリクラ雪渓カレンダーの末尾に初心者の方とソフトブーツのボードの方への注意喚起を掲載しておりますが、これからの時期は雪面が非常に硬くなる日が多くなります。そのため、ソフトブーツでは硬い雪面を登ることができず、仮に登ることができても一旦滑落を始めると制動することができず、大きな事故につながる結果となります。
「自己責任」という言葉がありますが、事故が起きれば周囲の人の手助けが必要になることは間違いなく、登山靴よりもブロックのないソフトブーツで登ることはスニーカーでアイスバーンを登ることとほぼ同じことと認識してください。10月になれば、つま先の固いスキーブーツですら登れない日があります。
ご家族で畳平のお花畑へ − これからは草紅葉のシーズン |
こちらのご家族の方々は今日は畳平のお花畑へ散策。畳平のお花畑も初夏のハクサンイチゲが終わると徐々に咲く花が少なくなってきますが、それらの花が終わって、これからの時期は、高山植物の葉が黄色く色づいてきます。いわゆる「草紅葉」と称しますが、中には普通の紅葉以上に真紅に色づくものもあり、そんな小さな変化を見つけるのもノリクラでの楽しみといえるでしょう。
そして、7時便が到着して改札が行われます。
シャトルバス券売所 − 早朝の畳平は晴 |
シャトルバスの券売所ではいつものように、早朝の畳平の様子がホワイトボードに掲示されます。天候は晴と表示されていて、乗鞍高原から望む様子からはそんな状態をうかがい知ることはできません。
今日のご来光は雲海をきれいに染めて − この様子は現地に行って見ないとわかりません |
しかし、今日のご来光バスを担当された車掌さんが撮影した今日の日の出の風景を見るとご覧のようにきれいな朝日が雲海の中から浮かんでくる様子を確認することができます。雲が広がる状況でもご来光バスで現地まで出向いてみないとわからない状況がお分かりになるかと思います。
それでは大雪渓に向けて出発です。
【シャトルバス、車窓から】
かもしかゲレンデ − ヤナギラン、ヤマハハコが生い茂る |
三本滝ゲートを過ぎてかもしかゲレンデ付近には霧が立ち込めます。かもしかゲレンデはもうそろそろピークを終えようとするヤナギランやヤマハハコがかなり生い茂っています。ヤマハハコもそれまでの白(黄色)一色でしたが、白のものと赤のものの二つに分けられるようになって来ました。オンタデなど雌雄異株の植物は花が終わって実ができる頃になるとその違いがはっきりしてきます。
沿道では部分的に紅葉が始まる |
そして、冒頭でもお伝えしたように県道乗鞍岳線の沿道ではご覧のように部分的に紅葉を始める木々が目立つようになって来ました。9月からは各週のノリクラ雪渓カレンダーの最後のページで 【紅葉情報】 としてお伝えいたしますので、そちらのほうもご参照ください。
かもしかゲレンデを過ぎると霧はなく、視界が確保されます |
霧はかもしかゲレンデ付近だけで、それより上部ではご覧のようにしっかりと視界が確保されています。
きれいな雲海が広がり、山頂もはっきりと |
前述の日の出の画像のように、位ヶ原より上部では雲海がきれいに広がり、また、上空にも薄い雲が立ち込め、その間から朝日が昇って周囲の雲を赤く染めたことが想像できます。
早朝の晴れ間はもうなくなっていますが、視界のよい大雪渓に到着です。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンにしてください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |