ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2009/05/30〜31) E
【ツアーコース U】
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先週の急斜面を登りきった先のツアーコース ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) E |
先週の急斜面を登りきった先のツアーコース ほぼ完全に雪解け |
急斜面を登りきった先のツアーコースは、先週の段階では何とか部分的にも積雪がありましたが、ご覧のようにほぼ完全になくなり、ブッシュの世界が広がっています。
そんなブッシュをよく見ると、色々な変化を見出すことができます。(↓)
ショウジョウバカマ | クロウスゴ |
左の画像に咲く花はショウジョウバカマ。高山植物の一つですが、比較的、標高の低いエリアでも分布します。今回は雪解けとともに春の訪れを喜ぶかのように可憐な花が笑顔を放ちます。
そして、右の画像はクロウスゴ。こちらも高山植物の一つです。赤い今年枝にすずなりの花が開花しようとしています。そんな花から花へ急がしそうにマルハナバチが飛び回る光景を観察するのも楽しいものです。
@番標識上 − この付近から断続的に積雪 |
こちらは@番標識を過ぎた当たりで、この付近から断続的に雪が残るようになってきます。
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先週のB番標識 |
こちらはツアーコース中間付近のB番標識付近。先週の画像と比較していますが、周囲は完全に積雪がなくなりました。
D番標識の下 − 滑走できるのはここまで |
こちらはD番標識の下。滑走できるのはここまでです。ツアーコース全体を見ても位ヶ原から3分の1も滑走できない状況です。
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今週のD番標識 30〜50センチの雪解け |
こちらはツアーコース上部付近のD標識。雪解けは30〜50センチ程度と先週よりもやや遅くなっています。
D番標識より先はほぼ全面積雪 |
D番標識付近は左の画像のように部分的にブッシュが出ていますが、その先は右の画像のようにほぼ全面積雪に覆われ、見慣れたこの光景が広がり始めると、ホッとした気分にさせられます。
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先週のE番標識手前のウェーブ |
今週のE番標識手前のウェーブ |
D番標識を進んでE番標識手前にウェーブ状の箇所があります。先週以上にV字が緩やかになっています。
さらに高さを増した周囲の木々に囲まれ、ツアーコース上部もブッシュが点在するようになって来ました。
こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。
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先週の位ヶ原急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) E |
今週の位ヶ原急斜面 |
先週から30〜50センチ程度の雪解けであまり進んでないように感じます。
大きな岩が出て、上部のブッシュが増える |
それでも全体を見回すとご覧のように大きな岩が頭を出し、上部付近では先週まではさほど多くなかったブッシュが増え始めています。
午後になって雲間から太陽が... |
午後になっても周期的な雨の降り方が続くものの、時折、雲間から太陽が覗くになってきます。
綺麗な青空にお天気雨 |
そして、下山途中も雨は降り続くものの綺麗な青空が広がり、「お天気雨」の天候が続きます。
最後に虹のアーチが帰りを出迎えてくれます |
そして、最後のかもしかゲレンデでは、大きな虹のアーチが帰りを出迎えてくれます。こんな光景にめぐり合えると、今日一日の辛い行動のことをすっかり忘れ、次回も同じように現地に出向いてしまうものです。
【昨年の今ごろは?】
5月31日(土)は朝から夕方までほぼ一日中雨が降り続き、外に出ることすらためらうほどの天候でした。長野県側の春スキーバスは通常運行されましたが、岐阜県側の乗鞍スカイラインは四ッ岳付近で落石が発生し、その撤去作業と二次災害防止の工事のため28日(水)から通行止めが続き、31日(土)11:15から通行が再開されました。そのため、大雪渓エリアは訪れる人は誰一人もいません。また、肩の小屋付近では14時で4℃と冷え込んで来たものの、雪や霙にはならず横殴りの雨が降り続いていました。
一夜明けた6月1日(日)は朝から快晴となり、夜間、冷え込んだ県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインなどでは一部凍結があり、大雪渓まで区間延長される予定の春スキーバスも、位ヶ原山荘までの運行ですら一時は運休が検討され、乗鞍スカイラインでも開門時間が1時間延期されました。終日に渡って冷たい空気に包まれ、強い日差しと程よく調和して暑くもなく寒くもない穏やかな一日を送ることができました。また、6月1日(日)は第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催されました。
<編集後記>
二日間とも雨に見舞われる生憎の週末となりました。厳冬期の極寒の厳しさとは異なり、この時期は雪質も悪く、滑走エリアも位ヶ原より上部だけに限定されるため、天候の悪いときはモチベーション的にも辛いものがあります。ある意味、冬場の厳しさに耐える辛さこととは別の感覚かもしれません。モチベーションを下げない努力をすることよりも、色々な楽しみ方を見つけ出すことで、新たな発見を楽しむという方向性を見出すもの一つの手かもしれません。
ノリクラはこれからさらに季節が移り変わって、色々な表情を見せてくれます。スキーをすること。雪の少なくなったツアーコースや登山道を歩くこと。そして、自転車でヒルクライムすること。その時々で一番旬な楽しみ方ができるよう幅を広げることも、また、新たな発見があって楽しいと感じるものです。
これからも「新たな発見」を求めながら、足元にある小さな変化なども見過ごすことなく楽しめるように心がけたいと思います。
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