ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2010/06/05〜06) B
【春山バス、大雪渓に到着】
春山バスは6月5日より大雪渓まで延長運行 |
岐阜県側の乗鞍スカイラインは毎年5月15日に全面開通し、同時にシャトルバスの運行も開始されます。そのため、山頂・稜線方面に出向くには乗鞍スカイラインのシャトルバスを利用したほうがアクセスが容易です。
また、長野県側は、5月1日より乗鞍高原と位ヶ原山荘を結ぶ春山バスが1日3便運行され、6月5日からは肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで延長運行されるようになりました。
そのため、乗鞍スカイラインのシャトルバスに加えて、春山バスを利用して山頂・稜線方面に向かうことも容易になりました。
4台が運行 − 大雪渓駐車場は大勢のスキーヤー・ボーダーで賑わう |
今日運行された春山バス始発便は4台。大半がスキーヤー・ボーダーの方々で、トランクからスキー用具などを搬出する作業が続きます。
春山バスが到着した9時前の大雪渓付近は雲ひとつない快晴。この時期とは思えないほどの深い青空はまるで真冬の頃の透明感溢れるビビッドな色合いを見せています。
こちらの常連の方々はウインターシーズンのツアーコースを毎週のように登り、見飽きているはずのノリクラの青空ですが、やはりこの青と白のコントラストは目を奪われてしまうもの...
大雪渓入口から望む3つのピークは、左からノリクラの主峰である剣ヶ峰(標高3026m)、蚕玉岳(標高2979m)、朝日岳(標高2975m)です。ここから稜線を目指すには、中央の蚕玉岳と右の朝日岳の間を登って行きます。
蚕玉岳と朝日岳の間を登って行くと、大雪渓エリアの上部付近に大きなクレパスが見られ、さらにその先は急斜面をほぼ直登する状態となります。そのため、もう少し右寄りの肩の小屋付近へ斜めにルートを取るとアクセスが容易ですが、今週は雪解けのため、直登するルートしかありません。
準備が整った方から順次出発...
今日もメンバー揃って... | 今年もやってきました! |
左の方々は先週に引き続き、今日もお越しになりました。稜線目指す方、そして、大雪渓エリアでのんびり楽しむ方など、さまざまです。
そして、右の親子のお二人は、毎年、春山バスが肩の小屋口まで延長運行されるタイミングを見計らってお越しになります。昨年まではお父さんに持ってもらっていたボードを今日は自分で背負って山頂目指して出発です。
「自分でボードを背負って登るのは今回が初めてですから、目標3時間でしょうか...」と、おっしゃりながら、一歩一歩、スノーシューを踏み出します。
【雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) B ↓ |
こちらは大雪渓入口付近。左上の画像は昨年同時期の様子、右上の画像は先週の様子です。先週から30センチ程度の雪解けが見られ、先週と同様、ほぼ昨年並みの状況です。
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昨年の大雪渓入口 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) B |
今回の大雪渓入口 ほぼ昨年並み |
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昨年の大雪渓入口 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) B |
今回の大雪渓入口 ほぼ昨年並み |
こちらの二組の画像に関しても、ほぼ昨年並みの状況であることが分かります。先週は雪渓の雪面と道路がほぼ同じ高さでしたが、雪面のほうが低くなっています。こちらからもこの一週間の雪解けが20〜30センチ程度であったことが分かります。
こちらは大雪渓エリアで最初に頭を出すモーグルコースの岩。先週からその姿が見られるようになりました。
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昨年のモーグルコースの岩 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) B |
今年のモーグルコースの岩 昨年より3週間以上遅い雪解け |
高さは約40センチほどになっています。昨年はすでに1.5メートルほどの高さとなっていて、その差が歴然としています。前ページの【畳平周辺】のコーナーでは、鶴ヶ池の中心に残る積雪について、今年は2007〜2009年とほぼ同様に積雪が多いことを申し上げましたが、モーグルコースの岩に関しては、今年は2007年とほぼ同様の傾向で積雪量の多い状態を示していますが、2008年と2009年に関しては、雪解けが早い傾向(積雪量の少ない傾向)を見せています。
このようにエリアによって、そのシーズンの積雪傾向が若干異なることが分かります。
石碑の岩 昨年より一週間遅い雪解け |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらの石碑の岩は今週になってようやく確認できました。
石碑の岩の積雪は、2008・2009年では今年よりも一週間早い雪解けを見せ、2007年ではほぼ同様の状況であり、モーグルコースの岩と同じような推移を見せています。
【ジュニアレーシング】
稜線目指して大半のスキーヤー・ボーダーの方々が過ぎ去った後の大雪渓エリアでは、地道に練習を繰り返す姿があります。
いいか〜、「スキーの捉え(とらえ)」って分かるか! | 分かるんだけど、言葉だと説明できなくて...(苦笑) |
スキーの操作は内面的な力の働かせ方が重要になるもの...
板をこーやって角付けしたときに... |
競技スキーはダイナミックに滑走するために果敢に挑むことはもちろん必要ですが、スタティックな力のベクトルに気付かなければ、上達には結びついて行かないものです。そんな難しいところがスキーの面白いところなんです。
上達すればさらに楽しい世界が広がります。上達すればするほど技術のゴール地点はさらに上昇し、その到達地点に向かって、常にスタートを切り続けます。
まずは外脚をしっかり捉えて! |
頭で理解ができればすぐに実行できるものではないことは、どのスキーヤーも周知のこと...それをクリアするには何度も練習を重ねるしか方法はありません。
そんな辛い練習の繰り返しから得られた感覚が、青と白のコントラストの冴え渡るノリクラの風景と一緒に、体に刷り込まれて行くことでしょう。(→ Next)
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