ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2010/06/05〜06) @
【大雪渓】
例年なら、6月上旬には梅雨入りが発表されるため、今週は雨の中のノリクラとなるかと思いますが、梅雨入りが遅れていることから、6月12日(土)は、終日に渡って気持ちのよい天候・気候のもとで一日を過ごすことができました。おそらく、今回のようなコントラストの高い綺麗な青空に巡り会えるのは、梅雨の開ける7月下旬までお預けとなるのではないかと思うほどのビビッドな青空に恵まれました。また、先週と同様、バーンコンディションもかなり柔らかめとなって、夏スキーの時期の中でも、最もハイシーズンを迎えた頃と変わらないほどのコンディションです。ただ、真夏のようなジリジリとした灼熱感とは異なる日差しですから、一年の中で最も過ごし易い一日といっても過言ではないかもしれません。
そして、翌日の6月13日(日)は東海地方に梅雨入りが発表されました。早朝は青空が見られましたが、その後は周期的に濃霧が立ち込める状況となります。正午の畳平の気温は6℃と冷たい空気に包まれ、午後になると霧の立ち込める時間のほうが長くなり、さらに寒さが強まってくる様子となってきます。ただ、幸いにもそれ以上の天候の悪化はなく、梅雨入りしたものの雨に見舞われることなく、梅雨入り前の最後の本当に貴重な一日であったように感じます。
それでは乗鞍スカイラインから大雪渓・稜線方面の状況と岐阜県側スキー滑走指定地の鶴ヶ池雪渓の様子をお届けします。
【6月12日(土)、ほおのき平駐車場】
こちらは岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場のほおのき平駐車場。早朝6時の気温は16℃。若干、雲がかかるものの、しっかりとした朝日の差し込む朝を迎えます。
駐車場には25台ほどの車がお越しなっていて、シャトルバス始発便に乗車しようとされるボーダーの方々が出発の準備をされています。こちらの方々は、鶴ヶ池雪渓で滑走を予定されているとのこと...鶴ヶ池雪渓は夏の大雪渓と同様に同じラインを何度も滑り降りするスタイルであるため、滑走ライン脇に直登するためのハイクアップ用の踏み跡を作るため、ソフトブーツだけでも問題ないことが多いようです。
実際、どの道具でも踏み跡さえしっかりできていれば、直登することは比較的容易ですが、剣ヶ峰など山頂方面に向う場合、急斜面を横にトラバースしなければならず、その場合、ソフトブーツや登山靴では全く太刀打ちできない状況となってしまいます。
これまでにも「アイゼンが必要」と申し上げるのは、横移動のトラバースは直登以上に難易度が高いからです。
始発便の到着する時刻が近づくにつれて、バス乗り場には列が長くなって行きます。
畳平の天候は晴、気温は2℃です。先週に引き続き、今日もほおのき平との気温差は14℃もあります。そして、今日もシャトルバスは通常ダイヤであるAダイヤでの運行です。
先ほどまでの青空に少しばかり雲が広がり、天候はあまり安定していない様子が見られます。今日は梅雨入り前の最後の貴重な一日となる可能性のため、少しばかり気になる雲の動きです。
バス乗り場付近はたくさんの道具が並んでいます。今日はスキーヤー・ボーダーの方々の割合が多いようです。
そしてシャトルバス始発便が到着...
いつものようにスキー・ボードをトランクに搬入してバスに乗り込みます。
トランクにはスキー・ボードのほかブーツやザックなども搬入され、完全に満杯状態に...
トランクに余裕がある場合は問題ありませんが、スキーヤー・ボーダーの方々の人数が多い場合は、全員の道具が積み込めない可能性があるため、スキー板・ボード板など長尺物以外は車内に手持ちされることをお勧めします。
何とかトランクに全ての荷物がおさまり、畳平に向けて出発です。
【乗鞍スカイライン】
それではここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。
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先週の平湯峠付近 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) @ |
今週の平湯峠付近 山肌全体が綺麗な萌黄色に |
こちらはいつもお伝えしている平湯峠付近の様子。先週はようやく新緑の芽吹きを感じられる状態となりましたが、今週は山肌全体が綺麗な萌黄色に輝いてきて、先週との差が一目瞭然です。
昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) @ ↓ |
マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。ヘアピンカーブの奥の法面の積雪がかなり少なくなっていますがまだ一部残っています。また、ヘアピンカーブの残雪を見ても、昨年は完全になくなっていますが、今週の画像にはまだしっかりと残っていて、昨年よりも一週間ほど雪解けが遅い状況となっています。
昨年の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地) 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) @ ↓ |
さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。先週からかなり雪解けが進んでいますが、前述の4kmポスト付近のヘアピンカーブと同じく、昨年よりも一週間ほど雪解けが遅い状況を見せています。
猫の小屋跡地を過ぎてしばらくすると森林限界に到達します。左の画像は8kmポスト付近、正面に猫岳の山裾が映ります。今日はこの付近から濃霧が立ち込めるようになり、山麓の高山市街地の町並みをはっきり望むことができません。
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昨年の烏帽子岳 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @ |
今回の烏帽子岳 ほぼ昨年並み |
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昨年の四ッ岳カーブ 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @ |
今回の四ッ岳カーブ ほぼ昨年並み |
烏帽子岳の山頂付近は濃霧に覆われ正確に比較することが困難ですが、ほぼ昨年並み。そして、乗鞍スカイラインの中でもっとも雪の壁の高い11kmポスト付近の四ッ岳カーブもほぼ昨年並みの積雪を見せています。
ただ、この濃霧も標高2550mの四ッ岳カーブ付近だけで、それよりさらに上部は少しずつ雲が抜けて行きます。左の画像は四ッ岳カーブから土俵ヶ原に続く箇所。そして、右の画像は土俵ヶ原からさらに上部に向かい、桔梗ヶ原の手前付近です。画像に写る山肌は四ッ岳です。
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昨年の鶴ヶ池雪渓 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @ |
今回の鶴ヶ池雪渓 滑走エリアは昨年並み、しかし下部はやや早め |
畳平の手前にある鶴ヶ池雪渓(岐阜県側のスキー滑走指定地)は魔王岳北斜面にあり、滑走エリアは画像を四分割したときの左上部分となります。滑走エリアにおいては昨年とほぼ変わらない状況ですが、画像の下半分では昨年よりもやや雪解けが早めに推移しています。
綺麗な青空が戻る | 畳平に到着 |
鶴ヶ池雪渓を過ぎると、ほぼ完全に青空が戻ってきて、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。(→ Next)
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