ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) A
【ツアーコース入口】
リフト運行状況によっては歩いてくる必要があります。 |
リフト営業開始は8時30分ですから、何も問題なければツアーコース入口には9時ごろには到着できます。しかし、厳冬期はリフト乗降口付近の除雪やゲレンデ内の安全確認などで運行開始が遅延するケースがあり、場合によって、上部リフトの運行休止という状況もあり、その場合は、すべて歩いて登ることになります。
リフトの運行状況に左右されないよう、スケジュールには余裕を持って行動されることをおすすめします。
救助要請のために山岳保険を |
この先からツアーコースが始まり、スキー場の管理区域外となります。そのため、安全管理も各自の責任において実施することとなります。ゲレンデ内での怪我などによる救助要請はスキー場パトロールに依頼しますが、この先は山岳地域となりますので、救助要請は山岳遭難と同様に警察(110番)へ連絡します。
山岳救助ではヘリコプターを利用した救助が多く、実際にツアーコースでも負傷者が県警ヘリコプターや防災ヘリコプターで救助・搬送された事例があります。また、悪天候・日没でヘリコプター救助が実施できない場合は、県警山岳遭難救助隊や民間救助隊員(遭対協)による人海救助となり、いずれの場合も多額の費用が掛かることが考えられます。
ツアーコースへ入山される方は、山岳保険への加入をオススメします。
シールやスノーシューを用意 |
ツアーコースを登るためには、スキーヤーの場合はシール(クライミングスキン)をスキー滑走面にに装着して登る方が多く、ボードや登山の方は、スノーシューを用いるケースが一般的なようです。
スプリットボードで! |
こちらの方々は全員ボーダーですが、左右に分割できるボードにシールを貼って、スキーと同じように登ることができるスプリットボード。スキーとまったく同じ歩き方で登って行くことができます。
今日はたくさんの方がツアーコースへ |
リフト営業開始から30分ほどの間に40名以上の方がツアーコースへと出発して行きます。このあとも入山する方が続々とお越しになり、午前中だけで90名ほどの入山があり、夕方までに110名程度の入山者があったものと見込まれます。現時点では今季最高の人出ですが、本格的には春山シーズンとなれば、さらにたくさんの方がお越しになることでしょう。
【ツアーコース T】
ツアーコースは標高2000メートルの入口から、標高2500メートルの位ヶ原までの約2kmの樹林帯を切りとおして作られたバックカントリーコースです。ツアーコースの全容については、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 をご覧ください。
この先、ツアーコースの各所についてお伝えいたしますが、ツアーコースの全容が把握できていないと理解できないと思いますので、山麓のスキー場と上部の位ヶ原、大雪渓、山頂方面などの位置的関係をノリクラガイドマップで確認して下さい。
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今週の入口急斜面 | 昨年同時期の入口急斜面 −
ブッシュが目立つ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1(2012/03/24) A |
ツアーコースはバックカントリーでありオフピステと呼ばれるエリアでもあります。バックカントリーに興味を持ってパウダースノーをイメージされる方々には、大変申し訳ありませんが、バックカントリーにいつでもパウダーが存在するわけではありません。
ゲレンデ内でもパウダーを楽しめるときがありますが、それは降雪直後に限られます。その条件はツアーコースでも同じで、ゲレンデ内よりも幾分降雪量が多かったり低温のため、よいコンディションが温存される割合が高いと考えたほうが良いでしょう。
また、ゲレンデのように毎日整備するわけではないため、一旦溶け掛かったバーンが再氷結した場合は、次の降雪に見舞われるまでは、「パック、クラスト」と呼ばれるひどい状況がいつまでも続くことにもなります。
また、降雪量もシーズンによって大きくばらつきがあって、左の画像は今回のツアーコース入口の状況ですが、昨年同時期は右の画像のようにブッシュが見え隠れしています。昨年は比較的積雪量の少ないシーズンだったこともあり、今年は例年になく積雪量の多い状況ですから、場所によっては昨年よりも2メートル近く積雪量が多いところもあります。
今週の入口急斜面 |
もう少し過去にさかのぼって見てみましょう。こちらは入口急斜面の今回の画像。前述のようなブッシュは全く見られません。
2年前のツアーコース入口急斜面
−若干ブッシュがある 2011ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1(2011/03/26) A |
3年前のツアーコース入口急斜面
−完全にブッシュがない 2010ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1(2010/03/27) A |
2年前(左画像 2011年)はブッシュが見え隠れしています。また3年前(右画像 2010年)とほぼ同じ状況であることがわかります。ただ、さらに上部では明らかに今年の積雪量が多い状況となっています。
硬いバーンにシールのグリップが効かない |
2月までは全く雨に見舞われることなく、また、晴れた日も冷たい日が続いて雪面が日差しで緩むことがなかったため、柔らかい雪質が温存されました。しかし、3月に入って気温が高くなり、再氷結によってバーンは硬くなってしまいました。そのため、シールがグリップしにくいコンディションとなり、多くのスキーヤーが足をとられないように慎重に登って行く様子が見られました。
スノーシューでも足をとられる |
このような条件では、スノーシューのほうがグリップがよい場合があります。しかし、スノーシューの方も足をとられる様子があったほどです。
例年、ツアーコースは3月下旬〜4月上旬に積雪量が最大になりますが、今年は3月上旬にピークを迎えその後は積雪量が減少に転じています。それでも、現段階ではまだ例年の最大量に近い状態を維持しています。
また、昨年は4月上旬に大雪に見舞われましたので、今年も同じように4月もまとまった降雪に見舞われれば、さらに積雪量が多くなることが考えられます。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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