ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2015/08/13〜15) D
【雪渓上部 T】
雪渓上部全景 |
それでは雪渓上部の様子をお伝えします。
昨年の雪渓上部右側 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2014/08/13〜16) D ↓ |
先週の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) D ↓ |
今週の雪渓上部右側−全体的には昨年より遅い雪解け 上端は雪解けが早く、下部は遅い |
雪渓上部は中央部分で上部から尾根が延びてきて、バーンは左右に分離してくるようになります。こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。左上は昨年同時期の画像です。上端付近に関しては、昨年よりも若干雪解けが進んでいますが、下部になると雪解けが少なく、特に画像の手前部分の雪解け状況は明らかに今年のほうが遅いことが分かります。
昨年同時期の1週間前の鉄塔土台 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2014/08/09〜10) C ↓ |
先週の鉄塔土台 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) D ↓ |
雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。左上は昨年同時期の1週間前の画像で、右上は先週の画像で、この1週間で1メートル以上の雪解けが見られます。下の今週と左上の昨年同時期1週間後の画像を比べると、明らかに今週のほうが積雪量が多いことが分かり、先週は昨年よりも1週間ほど遅い雪解けでしたが、さらに遅くなり、1週間以上遅い状況が見られます。
こちらは上端部分。
雪渓上部右側上端−昨年よりやや早い雪解け |
上端の位置は、先週よりも32メートル下がっています。先週の段階では昨年より1〜2週間早い雪解けを見せていましたが、今週は昨年よりやや早い程度に落ち着いています。
上端から−雪渓下端まで250メートル 昨年並み、例年より長い |
上端から雪渓下端までの距離は250メートルです。2014年は258メートル、2013年は282メートル、2012年は245メートル、2011年は200メートル、2010年は233メートル、2009年は185メートル、2008年は237メートルでした。昨年より若干短いものの、例年と比べると長いことが分かります。
フラットバーンに仕上げて練習 |
バーンをフラットに仕上げて練習を行うこちらのグループ。「今年はバーンが柔らかくてすぐにフラットにすることができて助かります」と、おっしゃっていました。多少のスプーンカットはあっても、尖って氷柱はなく、スキーでデラがけを何回か行えば、簡単にフラットにすることができるほどです。
滑り終えたら... | そのまま登る − ステップソールならでは... |
滑って登る...当たり前の動作ですが、それを何の切り替えもなく、そのまま登ってこられるのがステップソール(鱗板)の大きな特徴。しかし、「動作を切り替えるタイミングがないので、休む暇がなく滑りすぎちゃうんですよね」と、おっしゃっていました。
何度も繰り返して練習 |
片足でスムーズに切り替える練習を繰り返している模様...どうやら朝から同じ練習の繰り返しのようですが、主旨に沿った動作ができない様子。でも、練習を繰り返していると、ある日突然できるようになるのがスキーの面白さかもしれませんね。
【雪渓上部 U、モーグルコース】
雪渓上部左側 − 上級者限定 |
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
今年の雪渓上部左側のバーンは上端付近の積雪が少なく、下端付近の積雪が多い状態で、隣の雪渓上部右側と似た傾向が見られます。また、例年だと下部に向かうにつれて斜度が落ち込む状況が見られますが、今年は下部の積雪が多いことから、上端から下端までほぼ一定した斜度が保たれています。
今日も数多くのモーグラーがお越しになっています。
コブ管理人を師匠と仰ぐモーグラーがコブ整備 |
ただ、今回はコブ管理人が不在のため、コブ管理人を師匠と仰ぐモーグラーがコブ整備を...ただ、角を削りすぎてオーバースピードのモーグラーが続出...コブ管理の腕前はまだまだ...
今日から家族総出で山籠もり合宿 |
今日から畳平の銀嶺荘に家族総出の山籠もり合宿...昨年のお盆も山籠もりを計画されましたが、悪天候続きで断念。標高2702メートルもの高所での宿泊は初めてで、夜間の冷え込みがちょっと心配とのこと。
朝の速報や朝のツイッターで、早朝の畳平の天候を掲載しておりますが、この時期はおおむね一桁台の気温です。でも、宿の人が暖房器具を用意してくれているようでちょっと安心。
ハイクアップが辛い! | 登坂車線は大渋滞 − お盆の高速道路並み? |
雪渓下部のモーグルコースと比べると、一段と勾配がきつく、ハイクアップも次の一歩がなかなか出ません...そして、後ろを見ると数珠つなぎ状態。お盆の高速道路と同じですね(笑)。
長さ64メートル×17コブ(ピッチ3.8メートル) 隣りに岩が迫る − 次週は上端数コブが滑走不能に |
それでも滑りのほうが妥協なく、果敢に攻めます。ラインの長さは 64メートル×17コブ(ピッチ3.8メートル)ただ、ご覧のとおり、すぐ隣に岩が迫ってきている状態で、早ければ次週末には上端の数コブが滑走不能になります。ただ、下部にはまだ余裕があるため、ラインを付け足すことは可能です。
その隣には超ロングコースが完成 |
そして、その右隣(下からみて左)には、超ロングコースが完成しました。
長さ128m×39コブ(ピッチ:3.3m)と過酷なライン − 動けなくなったモーグラーを高みの見物 |
長さは128メートル×39コブ(ピッチ:3.3メートル)。距離測定のため、最後まで滑り切っていただきましたが、ゴール後、すぐに動けないほどの過酷なラインの模様...コブ作成者のこちらの方、予定通りのピッチに仕上がり、また、完走して疲れ切って動けなくなったモーグラーの様子を高みの見物と決め込んでいます。
なお、冒頭でもお伝えしたように、今年は下部の積雪が多いことから、例年の斜度の落ち込みがなく、上から下までほぼ一定した斜度になっています。
昨年同時期の2週間後の上端部分 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.17(2014/08/30〜31) D ↓ |
先週の上端部分 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) D ↓ |
今週の上端部分 昨年より2週間早い雪解け |
こちらは上端部分。左上は昨年同時期の2週間後のもので、手前の赤茶けた岩を見ると、今週はそれよりもさらに雪解けが進んでいますので、昨年よりも2週間以上早い雪解けです。大雪渓全体的に下部よりも上部の雪解けが早い傾向が見られます。
上端から−雪渓下端まで215メートル、過去最長 |
雪渓上部左側下端までの距離は215メートル。2014年は170メートル、2013年は160メートル。2012年と2011年は147メートル、2010年は125メートル、2009年は125メートル、2008年は151メートル、2007年は150メートルでしたので、過去最高の長さとなっています。
大きなエア台を飛ぶ |
16日(日)にはモーグルコースに接続するように大きなエア台が作成されました。
次第に調子を上げて行く選手 |
最初はビビりながらも飛んでいた選手も、次第に普段の調子を取り戻してきます。
余裕の笑顔 |
「超〜コワイ!」を連発しながら、次第に「平気、平気!」と余裕の笑顔...
デカいエア台 |
昨日よりもさらに一段積み増し、ほとんど人の背丈に近いほど。
水を得た魚のごとく − 空に吸い込まれる |
でも、最初の数本、棒ジャンを飛んだ後、水を得た魚のごとく、空に吸い込まれるように舞い上がります。
自分の体重プラス、うまく力を加えることが大事なんですよ =滑走本数は他の選手の倍以上= |
「自分の体重だけで飛ぶんじゃなくて、そこにうまく力を加えさせることが大事なんですよ。」
登って滑る・飛ぶ本数は、他の選手の倍以上。国内で雪上練習できるのはノリクラだけ。海外での練習に負けない努力・気構えがその一本一本に込められています。
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