ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2015/08/28〜29) D
【雪渓上部T】
雪渓上部全景 − 全体的に昨年より1〜2週間遅い雪解け |
それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪渓上部は全体的には昨年より1〜2週間遅い雪解け状況です。
昨年の雪渓上部右側 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.17(2014/08/30〜31) D ↓ |
先週の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2015/08/22〜23) D ↓ |
今週の雪渓上部右側 −
昨年より1週間以上遅い雪解け 過去10年間で2007・06年に次ぐ積雪量 |
雪渓上部は中央部分で上部から尾根が延びてきて、バーンは左右に分離してくるようになります。こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。先週よりもさらに雪解けが遅くなり、昨年よりも1週間以上遅い雪解けです。おそらく、過去10年間をさかのぼってみても、2007年・2006年に次ぐ積雪量となっています。
昨年同時期の1週間前の鉄塔土台 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2014/08/23〜24) D ↓ |
先週の鉄塔土台 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2015/08/22〜23) D ↓ |
今週の鉄塔土台 − 昨年より1週間遅い雪解け |
雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。雪渓から土台まで29メートル。昨年同時期は38メートルで、その1週間前(左上画像)が27メートルでしたから、昨年より1週間遅い雪解けです。
雪渓上部右側上端 | 上端から−雪渓下端まで195メートル 過去最長 |
こちらは上端部分。上端から下端までの距離は195メートルです。昨年同時期は155メートル、その1週間前が175メートル、2週間前が258メートルでしたので、昨年より1週間以上遅い雪解けです。
過去にさかのぼって見ると、2014年は155メートル、2013年は230メートル、2012年は110メートル、2011年は測定不能、2010年は118メートル、2009年は81メートル、2008年は160メートルで、過去最長の記録となりました。
ショートポールをセットして |
今日もショートポールをセットしてアルペンボード。
きょうも『劇団ふたり』 |
最近は参加者が少なく、大体2名のことが多く、「きょうも『劇団ふたり』ですか?」と、お聴きすると苦笑い...
明日はもう少し集まると思います。 |
「でも明日はもう少し集まると思います。」とのことで、今日はバーン整備が目的だった模様。
「もっとリズミカルに」 − 座ってないで立って立って! |
そして、先週に引き続き、ジュニアの練習。
片手ストック − ストックを持っていない手のほうもストックをイメージして |
例年だと、そろそろ、雪渓上部右側での滑走は不可能になる時期ですが、今年は積雪量が多く、あと1〜2週間程度は練習ができそうです。
コブボード |
その隣にはコブボードのキャンプ。
滑り込んでコブを作る |
ポールをセットして滑り出したばかりですから、コブづくりはまだこれから...
「ノリクラでのキャンプはあと1〜2回は開催予定」とのこと。人数が集まればコブ作りも効率が上がりますね。
【雪渓上部U】
雪渓上部左側 − 上級者限定 |
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
岩の帯が出現 −昨年より2週間遅い雪解け | 中央部分に岩の頭 − 昨年より2週間遅い雪解け |
左の画像で、下の部分に岩の帯が出てきました。昨年は2週間前に出現しましたので、下端部分は昨年よりも2週間遅い雪解け。そして、右の画像は雪渓上部左側と右側との間にある尾根部分。こちらも岩の頭が出始めて、こちらも昨年より2週間程度遅い状況です。
残っているのは左側(北側)のラインだけ |
モーグルコースは左側(北側)のラインが残っているものの、右側(南側)のラインは雪解けでかなり消えてしまった状況。
自転車大会につき、常連モーグラー一斉休業 |
今週は自転車大会のため、日曜日は長野県側のシャトルバスが運休...そのため常連のモーグラーが全員お休み...年に一度の「休日らしい休日」を送っていることと思います。
上端部分 |
上端部分の雪解け状況を確認します。
昨年同時期の1週間後の上端部分 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.18(2014/09/05〜06) C ↓ |
先週の上端部分 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2015/08/22〜23) D ↓ |
今週の上端部分 昨年より1週間早い雪解け |
左上は昨年同時期の1週間後、右上は先週です。先週より高さ1メートル程度雪解けが進み、左上とほぼ同じ状況が見られます。そのため、先週と同じく、昨年より1週間早い雪解けです。
大雪渓全エリアの中で、昨年より雪解けが進んでいるのはこの箇所だけです。
上端から−雪渓下端まで171メートル、過去最長 |
雪渓上部左側の上端から下端までの距離は171メートル。2014年は125メートル。2013年は130〜120メートル程度、2012は108メートル、2011年は濃霧で測定不能、2010年は102メートル、2009年は105メートル、2008年は125メートル、2007年は120メートルでした。昨年より2週間遅い雪解けで、過去最長の長さとなっています。
春先は激しい雪解けにより、積雪量が例年より1ヶ月早く減少してしまいましたが、その後は雪解けスピードが徐々に遅くなり、8月上旬頃から逆転して昨年よりも多い状態になってきました。
【昨年の今ごろは?】
まだ8月だというのに、すっかり秋らしい気候になってしまい、今年は夏らしい天候の日にほとんどめぐり合えずに季節が過ぎようとしています。
8月30日(土)は、昨晩の雨が収まって曇り空の朝を迎えます。気温は14℃、観光センター前駐車場では半袖姿の方を見つけるほうが難しいほど。乗鞍スカイラインは上部曇で、濃霧・風がさほどでもなかったことから、早朝から自転車も通行可能。シャトルバスは両県ともAダイヤ運行です。終日に渡ってひんやりとした空気が流れ、大雪渓ではひんやりを通り越して、冷たい空気が流れているといっても良いほど。周期的に濃霧が立ち込めて安定しないこともあって、ヒルクライマーはいつも以上に少ない状況。このまま、濃霧と曇り空のまま 一日が終わるかと思いましたが、15時ごろからややまとまった雨が降り、天気予報どおりの一日となりました。
8月31日(日)は、昨日同様に曇り空の朝を迎えます。気温は13℃と昨日とほとんど変わりませんが、体感的にかなり寒く、厚手の長袖が必要なほど。空気感は完全に秋そのものです。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まで残り1週間となって最後の日曜日を迎えました。大会コースとなる県道乗鞍岳線はいつも以上の速さで疾走するヒルクライマーが多く、最後の追い込み調整を行う様子が幾度となく見られます。午前中は濃霧が立ち込めるものの、午後になるときれいな青空が広がり、夏を惜しむような入道雲が広がりますが、日中になっても低めの気温。そんな中、ホシガラスが忙しそうにハイマツ帯を飛び回る様子があって、鳥たちも季節の移り変わりを感じているようでした。
<編集後記>
シルバーウィークはノリクラの紅葉散策に...
今年の敬老の日・秋分の日のシルバーウィークは、9月19日(土)から23日(水)までの5連休で、2009年以来6年ぶりに大型連休となります。、高速道路の混雑状況はゴールデンウィーク並みと予測され、遅めの夏休みという方もいらっしゃるようです。また、楽天トラベルの調査ではシルバーウィークの国内旅行は前年比+200.8%と予測されていています。
9月中旬のノリクラは、紅葉が見頃の時期に入りかけたころで、紅葉見物にお越しになる方も多いのではないかと思います。ノリクラの紅葉のピークは、ポスターなどでよく見られる大雪渓・位ヶ原周辺では9月下旬です。そのため、シルバーウィークの9月中旬は、花で例えれば「5分咲き前後」といえる状態です。また、本当のピークと呼べる期間はかなり短く、昨年の場合は3〜4日程度しかありませんでした(2014年9月27〜29日あたり)。ピーク前はきれいな色合いが徐々に色濃くなって行く様子が楽しめるものの、ピークが過ぎると一気に枯れてしまうため、お越しになるなら、ピーク前のほうが安全です。
こちらは昨年のシルバーウィークの時の紅葉の模様。全体的にはピーク前の状況ですが、ご覧のとおりピークに近い色合いの箇所も見られます。
遠方の方がピークにぴったり合わせてお越しになるのは難しく、また、ピークが過ぎると一気に終了してしまうことから、シルバーウィークにはちょっと早いかもしれませんが、早めの紅葉散策もよいのではないかと考えられます。
本コーナーのノリクラ雪渓カレンダーでは、毎年9月から紅葉情報を掲載しておりますので、そちらをチェックしたうえで、お越しいただければ幸いです。また、ノリクラの紅葉がどのようなものか把握されたい方は、乗鞍紅葉情報 をご覧ください。
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