ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2015/09/05〜06) @
先週は第30回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催されましたが、悪天候のため、三本滝ゴールの短縮開催となりました。本来は全長20.5km・標高差1260メートルのところ、全長7km・標高差360メートルと、1/3〜1/4まで縮小され、こうなるとヒルクライムレースではなく、ほとんどスプリントレースに近い状態。陸上で言えば、マラソンがいきなり400メートル走に変更されたようなもので、各選手は緩急の激しい駆け引き合戦に翻弄され、「本来のフルコース以上に過激」と、青息吐息でゴールする選手が数多くみられました。なお、第30回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 特集は、9月中旬掲載予定ですので、今しばらくお待ちください。
さて、ノリクラシーズンも残すところあと2ヶ月。自転車のハイシーズンが終了し、これから秋の紅葉シーズンが本格的にスタートします。そのため、今回より、紅葉情報(5ページ以降)をお伝えします。なお、昨年以降の紅葉記事や紅葉の概要・地図は、紅葉総合INDEXからご覧ください。
9月5日(土)は、雲一つない快晴。気温は8℃と9月に入って一桁台の気温になり、寒さに起きるのが億劫になります。その後、青空に薄い雲がたなびき、秋らしい雰囲気の空へ。空気感もさわやかさと冷たさ・寒さを同時に感じる状況で、先週までとは全く趣が異なり、「日差しの暑さ」ではなく、「日差しの暖かさ」を感じるという表現がぴったりな一日でした。
9月6日(日)は、曇り空の朝ですが山頂方面まで見通せる状況で天候悪化の兆しはありません。一時、青空と日差しが差し込むタイミングがあったものの、10時から本格的な雨。大雪渓はさらに11時ごろから濃霧に見舞われ、気温6℃の冷たい雨に。そのため、お昼過ぎには全員が大雪渓から撤退。午後から風雨はさらに強くなり、乗鞍スカイラインは13時10分に自転車通行止めになりました。16時頃にはかなり荒れた天候となってしまいましたが、一雨ごとに秋が深まって行きます。
大雪渓は、全体的には雪解けがさらに遅くなって、昨年よりも積雪が多い状況になってきました。
雪渓上部左側が1週間早い雪解けですが、それ以外のところでは昨年と同じか1週間程度遅く、今週は場所によっては2週間ほど遅いところまで見られるようになってきました。滑走可能エリアは雪渓上部左側のみ一ヶ所だけ。この雪渓上部左側は過去最高の長さが続いています。雪渓上部右側は積雪はありますが実質的に滑走困難。雪渓中段と雪渓下部はかなり小さくなって滑走不可になりました。また、雪渓上部左側は急斜面のため上級者・経験者限定で、これからノリクラデビューはお勧めできませんので、ご了承ください。
それでは、5日(土)〜6日(日)の様子をご覧ください。
【観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。
気温8℃ − 快晴の冷え込んだ朝 | 屋根から落ちた夜露 |
雲一つない快晴の朝を迎えています。気温は8℃、9月に入って一桁台まで冷え込んできました。観光センターのテラスが濡れていますが、雨ではなく、屋根から落ちた夜露です。晴れて冷え込んだ日は空気中の水分が飽和して液体の露になります。これが氷点下まで冷えると霜になります。
これからの時期は、露と霜の境目が非常に重要になり、葉物野菜などは霜が降りるとダメージを受けてしまいます。同じことが紅葉にも当てはまり、冷え込むことが紅葉の色づきには重要なんですが、冷えすぎて霜が降りると、一気に枯れてしまい、見るも無残な状態となってしまうからです。ですから、紅葉のきれいな年は、9月中に極端な冷え込みのなかった年といえます。
シャトルバス乗車券販売所 | 「本日の乗鞍山頂」 − 畳平は3℃まで冷え込む |
こちらはシャトルバス乗車券販売所。窓口のホワイトボードには畳平の気温が掲示されています。気温3℃、風速3メートル。霜や露は気温だけでなく風速も重要。冷え込んでいても風が強ければ霜は降りにくく、逆に氷点下にならなくても無風だとかなり危ない状態です。
観光センターの自販機 | ホットは通年あります |
さて、こちらは観光センターに設置されている自動販売機。各地の自販機は9月であればまだクール品ばかりだと思いますが、こちらではホット品が陳列されています。9月に入ったからというわけではなく、1年中、ホット品があります。8月でも朝晩であれば、ホット品のボタンを押してしまうこともしばしばです。
シャトルバス始発便 |
いつものようにシャトルバス始発便が到着。
乗務員は防寒着着用 |
乗務員の方々、全員防寒着着用です。「弁当忘れても防寒着は忘れるな!」が、合言葉になっているかどうか定かでありませんが...(笑)
観光センター売店、営業開始 | スモモジャム(左の大びん) =今年採れたばかりの乗鞍産スモモで= |
そして、観光センター売店も営業開始。こちらはスモモやブルーベリーのジャム。どちらも今年取れた初物。「すももジャムは結構手間がかかるんですよ。虫食いの選別から種の除去など...ちょっと酸っぱいけど私は好みかな...」とのこと。スモモはノリクラのあちこちにある特産品ですので一度ご賞味ください。
ご来光バスが帰ってきた − 9月より上り4時10分、下り5時50分に変更 |
7時前にご来光バスが戻ってきました。日の出が遅くなってきましたので、9月からダイヤが変更されています。出発は30分遅くなって4時10分。下山は40分遅くなって5時50分です。ご来光バスは今月で終了しますので、まだ、一度も体験されたことのない方はお早目にどうぞ。ただし、寒さが厳しくなってきましたので、防寒着はもちろんのこと、帽子・手袋・ネックウォーマーを用意されたほうがよいと思います。
7時くらいになると、日差しもしっかり差し込み、青空もくっきりとしてきました。これまでだと、日差しに暑さを感じるところですが、今日は「日差しの暖かさ」という表現がぴったりな状況です。
【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
鈴蘭バス停のカエデ |
それでは、大雪渓までの沿道の様子をご覧ください。こちらは観光センターを出てすぐのところにある、鈴蘭バス停付近のカエデ。
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昨年の鈴蘭バス停のカエデ 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2014/09/05〜06) @ |
今週の鈴蘭バス停のカエデ 部分的な違いがあるがほぼ同じ状況 |
昨年と比べると全体的に赤みが広がっている様子が見られます。部分的な違いがあっても、ほぼ同じ状況といえるでしょうか。
道路には落ちたスモモの実 | 枝先の実は数少なくなる |
さて、道路に落ちているのは、先ほどジャムになったスモモ。枝に残っているものはかなり少なくなってきました。
秋のヒルクライムはカメラ持参で − 各駅停車・途中下車の旅 |
今日もたくさんのヒルクライマーがお越しになっています。ただ、先月までのように大会に向けたトレーニングという方々よりも、カメラを持参して、ビューポイントで撮影を楽しみながらのヒルクライムといった様子が多くみられました。秋のヒルクライムは各駅停車・途中下車の気ままな旅です。
紅葉前から葉の色合いは変化を始める |
本格的な紅葉まであと2〜3週間はかかるかと思いますが、それより前から木々は色合いを変化させています。
ミズナラの実(どんぐり) − 例年より2〜3週間早い |
こちらは先週もお伝えしたミズナラの実、いわゆる「どんぐり」ですが、実が落ち始めています。この付近のミズナラに関しては、例年よりも2〜3週間早く、数も多い様子が見られます。
ヤブデマリ |
高さ3メートルほどのところに赤い実の中に黒い実が混ざっているのはヤブデマリ(藪手毬、スイカズラ科ガマズミ属)。同じ仲間(スイカズラ科ガマズミ属)でカンボク(肝木)があり、どちらも白いアジサイのような花をつけますが、カンボクは葉が3裂になっている点と、実が黒くならない点に違いが見られます。
ネジバナ | これは右巻き(左巻きもあります) |
その足元には、一輪だけ野生のラン、ネジバナ(ラン科ネジバナ属)が咲いています。茎を根元までたどっていくと細長い葉が一枚だけありましたが、ネジバナは花が咲くと葉がなくなってしまいます。また、画像のネジバナは右巻き(根元方向から見て時計回り)ですが、左巻きのものもあるようです。花期は6〜9月ですのでそろそろ終わりの時期です。
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今週の鈴蘭橋 | 紅葉を迎えた鈴蘭橋(昨年10月中旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2014/10/18〜19) D |
ノリクラの紅葉エリアは標高2700メートルの大雪渓から標高1500〜1400メートルの乗鞍高原まで広がり、9月中旬の大雪渓から、10月末の乗鞍高原まで、1ヶ月半もの長期間楽しむことができます。しかし、各エリアの紅葉は長くて2週間、本当に良い状態のピーク期間は1週間もない状態。そのため、事前にいつが良いのかどこが良いのか下調べしておく必要があります。
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今週の休暇村〜三本滝間(カラマツ) | 紅葉を迎えた休暇村〜三本滝間(カラマツ、昨年10月下旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.25(2014/10/25〜26) D |
乗鞍の紅葉情報をまとめた 紅葉情報INDEX から当WebSiteのすべての紅葉情報へアクセスでき、その中に、乗鞍の紅葉を大まかに把握するには、乗鞍紅葉情報 は初めての方にお勧めです。
また、撮影ポイントについては、ノリクラガイドマップ(紅葉 上部エリア版)、ノリクラガイドマップ(紅葉 下部エリア) は改訂作業が終わり、公開いたしました。県道乗鞍岳線沿線のビュースポットが地図上で把握できるようになっております。また、撮影当時のノリクラ雪渓カレンダーにもリンクされていますので詳細な状況の把握も可能です。紅葉撮影にお越しの際には一度ご確認ください。
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