ノリクラ 雪渓カレンダー<最終号>
Vol.25(2015/10/24〜25) @
2015シーズン最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。9月上旬に初霜・初氷が観測され、9月下旬には紅葉が始まり、10月13日には初雪・初冠雪...秋から冬へのステップが順調に進み、いよいよ、グリーンシーズン終了を迎えました。当Websiteのグリーンシーズンの連載は10月末をもって終了しますが、詳細は2015シーズン終了に伴う 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定をご覧下さい。
24日(土)は、穏やかな気候の一日でした。早朝の気温は4℃とこの時期らしいものですが、体感的には寒さはなく、山麓の乗鞍高原では日中は長袖だと暑さを感じる状態。しかし、位ヶ原から先は急激に冷たい風が吹き一気に冷え込む状態に。それでも日差しがあって、風が弱くなると暖かく感じ、常連スキーヤーはお昼休みは恒例のビールタイムに。しかし、午後になると、山頂から濃霧が激しく下降し気温も4℃まで低下します。天候悪化の様相を見せるようになりますが、それ以上の変化はなく、まずまずの一日でした。
25日(日)は、終日快晴の一日。降雪が昨晩あって、山頂方面はうっすらと雪景色。しかし、上部エリアは冷たい強風が終日続き、県道乗鞍岳線は大雪渓〜県境が積雪のため大雪渓までの通行。乗鞍スカイラインも凍結通行止めでしたが10時30分に解除。いつもなら、県道乗鞍岳線もそれと同時に全線開通となりますが、今回は県境直下の積雪が快晴にも関わらずマイナス3℃と氷点下のため、なかなか解消せず、乗鞍スカイラインよりも遅れて12時になって全線開通。山頂方面の登山道は肩の小屋から先は全面真っ白で、山頂はマイナス6℃の寒さと猛烈な突風が吹き抜ける状態。山頂周辺は雲一つない見事な快晴ですが、その風景を楽しむことすらできないほどの激しい状況でした。
●
紅葉の概況 ● (紅葉情報は7ページ目からご覧ください)
乗鞍高原周辺の紅葉もそろそろ終盤に。先週ピークを迎えた一の瀬大カエデの紅葉は完全に落葉しました。休暇村〜三本滝間のカラマツがゴールデンオレンジの見事な紅葉となっていますが、それも落葉が激しく始まりました。
●
大雪渓の概況 ●
大雪渓は、全体的には雪解けがさらに遅くなって、過去最高の積雪量となっています。
現在積雪が残っているのは滑走可能な雪渓上部左側と、雪渓上部右側にごくわずか残っている程度です。雪渓上部左側の上端は昨年より2週間遅く、それ以外の箇所では昨年より6週間遅い状態で、過去最高の積雪量です。また、雪渓上部左側は急斜面のため上級者・経験者限定で、これからノリクラデビューはお勧めできませんので、ご了承ください。
それでは、24日(土)〜25日(日)の様子をご覧ください。
【10月24日(土)、観光センター前駐車場 − 今日も様々な方と。アルプス山岳郷周遊バス】
観光センター前駐車場 |
早朝7時前の観光センター前駐車場。ご覧のように、きれいに晴れ渡った青空の朝を迎えます。気温は4℃と決して高くはありませんが、体感的に寒さはなく、乗鞍スカイラインは予定通り7時に開門されます。
今日は始発便から順調に運行 | まだまだ滑りますよ(常連ボーダー) |
こちらはシャトルバス乗場。岐阜県側の乗鞍スカイラインが通行止めの場合、終点の畳平に進入することができないため、長野県側のシャトルバスも運休となる場合が多いようです。今日は予定通り乗鞍スカイラインが開通しましたので、7時の始発便から運行されます。常連のボーダーの方も始発便に乗り込みます。
改札 | 大ベテランの乗務員の方 |
乗鞍岳シャトルバスに乗務されて何年になるのでしょうか?大ベテランの乗務員の方。今シーズンはあと1週間。来年も大ベテラン記録更新を楽しみにしていますから...
19日から晩秋ダイヤ |
乗車券販売所のホワイトボードに、「7:00 9:00 10:0012:00 14:00 15:30」と記入されています。これまでの晴天時Aダイヤ・雨天時Bダイヤにかわって、10月19日(月)から晩秋ダイヤが適用されました。ほぼ2時間おきでBダイヤに近いものですが、運行時間が異なっていますのでご注意ください。なお、始発便と最終便は上り・下りともにこれまでと変わりません。(上り 観光センター始発7時、下り 畳平最終16時30分)
乗鞍岳線の要所を把握して安全運行に |
乗鞍岳春山バスでは崩れた雪壁を運行前に撤去したり、また、どこが凍りやすいとか、そろそろ雪壁が崩れやすくなってきたので、事前に除雪したほうがよいとか、すべて頭の中にインプットされていて、こちらのような方がいないと、山岳路線で大型バスを安全に運行させることはできません。また、来シーズンもよろしくお願いいたします。
常連のタクシー運転手 |
忍耐強く待つことを強いられるのがタクシーの運転手さん。でも、お客様がお越しになったからといって「待ってました!」なんて顔はできない...お客様と最も近くて、最も長時間接する職種でもあり、最後に「タクシー乗ってよかった」と、思ってもらえることが最大の目的...
いつも朝一番で皆勤賞の運転手さん |
いつも朝一番。そして、皆勤賞。とにかく、どの運転手よりも早く到着していました。常ににこやかで常に平常心であるご様子は見習わないと...
観光センター売店は10月30日(金)まで |
「今日、こんなに作っちゃったけど、売れるかなぁ〜〜」、常に在庫の品切れ・余剰が気になります。コンビニのような朝早くからオープンしている店が全くない乗鞍高原では貴重な存在。お客様の中には「途中のコンビニで買いそびれちゃったので...」と、おにぎりを買い求める登山者が朝一番に飛び込む様子も一度や二度ではありませんでした。
2015シーズン終了に伴う 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定にて、営業終了日を10月31日(土)と申し上げましたが、10月30日(金)とのことですので、訂正いたします。したがって、次週末にお越しの際は営業しておりませんのでご注意ください。
今日で27回目のヒルクライム | 明日も来ますよ! |
「今年は27回もノリクラ登っちゃいました。」と、おっしゃるこちらのヒルクライマーの方。紅葉が終わって落葉した後の見通しの良い風景がお気に入りとのこと。「明日も来る予定なんですよ。そして、状況が良ければ31日(土)も...」
県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインは、例年、10月31日を待たずに冬季閉鎖が宣言されていましたが、昨年・一昨年は10月31日まで道路が開通していましたので、大きな天候の崩れがなければ、31日のヒルクライム実現の可能性もあるかもしれません。
そして、翌日の10月25日(日)もお越しになり、「28回目のヒルクライムですか?」とお聴きすると、「実は昨日2回登っていて、今日は29回目...」とのこと。ただ、その後、県道乗鞍岳線は強風のため自転車通行止めになってしまいましたので、実現されたかどうか不明ですが、それは最終日の31日(土)にお聴きすることにしましょうか...
息子さんはフランスへスキー合宿に − ノリクラでのトレーニングが精神的にも肉体的にも強くなりました |
「数年前まで、息子が毎週ジュニアレーシングでノリクラに通っていたんですよ。」と、声をかけてくださったこちらのお二人。もちろん、覚えていますよ。その後も、年に一度はお父様と一緒に夏スキーにお越しになっていましたから...(その当時の様子は何年にもわたって取材させていただきましたが、おそらくこちらが最後の記事でしょうか→ 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2011/08/11〜13) D【雪渓上部 U − ジュニアレーシング】)
...で、息子さんは?
「実は、フランスにスキー合宿に行っているんです。これもノリクラでのトレーニングがあったからこそ...ノリクラで精神的にも肉体的にも強くなったと本人も言っていました。ノリクラがなかったら、今のスキーレベルには達することはできず、とても海外合宿なんて雲の上でした。」
最近は辛いこと・危険が伴うことをすぐに敬遠する風潮があります。
それが時代の流れなのかもしれませんが、辛いことを乗り越えたところに楽しみや喜びがあるかもしれない。自分の(親の)知らない世界に到達するまで努力してみるといった遠回りを排除する傾向があります。
ノリクラでのトレーニングは全く効率的ではありません。一回滑ると登ってくるまでの間は滑ることはできません。しかし、登ってくる間にいろいろ考えを巡らせることができ、次はどこに集中して滑ればよいかと組み立てることが可能です。それがリフトの上ではなかなかできなんです。あえて遠回りしてみませんか〜〜
行列(観光センター前の路線バス停) |
こちらは観光センター前の路線バス停前。いつもはこんなに行列ができることはありません。
今から上高地行ってきます | アルプス山岳郷周遊バス試験運行 (10月23〜25日) |
23日(金)〜25日(日)の三日間。「アルプス山岳郷周遊バス」の試験運行が実施されます。「アルプス山岳郷周遊バス」は、上高地・乗鞍の二つのエリアをスムーズに観光するために、乗鞍高原と上高地の玄関口を結ぶ目的で運行され、乗鞍高原・白骨温泉、沢渡を周回運行します。
試験運行ということで無料で乗車できるため、多くの方が集まっています。
今回の試験運行では、上高地シャトルバス引き換えチケットが配布(無料) |
さらに、沢渡から上高地へ向かうシャトルバスまで無料ということが大きな魅力。
キャリーバックの海外観光客の姿も |
中には大きなキャリーバックを持った海外観光客の方も見えました。予想以上の人気だったようで、始発便は観光センターで満車となり、乗車できない方もいらっしゃったようです。
■ 次のページは >> Page2 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】 ■
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|