ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.5(2017/04/28〜29) A
【乗鞍岳春山バス試運転】
観光センター前に集まる関係者 |
ここからは、乗鞍岳春山バス試運転の模様をお伝えします。春山バスの運行開始の最終決定がこの試運転の結果で下されますが、関係機関、及び、実施主体によって、運行開始の数日前に試運転を行い、その中で道路の安全確認を行い、問題なければ春山バスの運行が最終決定されます。
試運転に使用されるバスは実際に運行される大型観光バス |
10時前に試運転で使用される大型観光バスが到着しました。これは実際の春山バスに利用される車両で全長12メートルにも及ぶ大きさです。
今日の大役を任命された運転手さん | 乗車開始 |
今回初めて試運転の運転手さんに任命されたこちらの方。「路面が所々積雪凍結しています」という情報もあって、少しドキドキ...「もし、凍結していたら、あの急斜面でチェーン巻くのか?」と、少し不安げなご様子...
ただ、これからの時期は日差しさえ差し込めば、アッというかに積雪凍結はなくなります。
位ヶ原山荘に向けて出発 |
「皆様、おはようございます。これからバスに乗っていただいて、これから春山バスの試運転ということで、位ヶ原山荘まで行っていただきます。資料をご用意しておりますので、受け取られたのち、ご乗車ください。それではさっそく乗っていただきて、中のほうでご説明させていただきます。」との説明ののち、試運転バスは9時50分に観光センターを出発します。
なお、この春山バス試運転は一般の方々の乗車を目的としたものではありませんのでご了承ください。
乗鞍岳春山バス事業計画の説明(松本市山岳観光課) |
「おはようございます。今日はお集まりいただきましてありがとうございます。これから位ヶ原山荘に向かって行きますけども、今日の試運転をもって安全確認を行ったうえで、運転開始の判断をしたいと思います。
本日は試運転ということで、当初の予定より、日程が変更となりましたが、安全第一ということでやっておりまして、今年は特に残雪が多く、除雪の皆様にはご尽力いただきました。安全が確認されれば、明日から6月30日まで1日4往復の春山バスの運行を行うことになります。
春山バスは市街地からでも気軽にお越しになれるところにあって、雪の壁や春スキーや雪遊びなども気軽にでき、利用者も年々増加傾向にあります。今年も残雪が多く、雪の壁なども期待ができるわけであります。ぜひ、観光客の方だけでなく、(松本)市民の皆さんにも足を運んでいただきたいと思っております。」
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一昨年の東大ヒュッテ口付近 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.7(2015/04/28〜29) A |
昨年の東大ヒュッテ口付近 2016ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.6(2016/04/20・23) A |
今回の東大ヒュッテ口付近 =一昨年並みかそれ以上= |
さて、雪の壁は休暇村を過ぎるとご覧のように確認できるようになります。昨年はほぼ完全になくなっていましたが、今年は一昨年とほぼ同じ程度かそれ以上の模様...
三本滝ゲート |
そして、観光センターから7km先にある三本滝ゲートに到着。先行して走る松本市の職員の方がゲートを開けます。
冬季閉鎖区間の通行は特別許可の車両のみ =それ以外は自転車を含めて通行不可= |
三本滝ゲートの冬季閉鎖が解除されるのは7月1日から。それまでの期間は春山バスなどの特別な許可を得た車両以外の通行は自転車を含めて認められておりません。それではここからが試運転の本番となります。
【乗鞍岳春山バス試運転−三本滝から冷泉小屋前】
枝が道路に張り出す | カーブミラーはまだ設置されてません =自転車などの通行は絶対に行わないでください= |
除雪が完了した雪壁から横たわっていた木の枝が道路を覆うように張り出します。そして、まだ一般車両が通行することを想定しておりませんので、カーブミラーの設置もまだ行われていません。単に除雪が終わって路面が見える状態になることと、安全に通行できることとは大きな違いがあります。
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例年、大きな枝が張り出して、運行の支障になっている 2013ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6(2013/04/25〜29) A |
例年、かもしかゲレンデを横切る上の段ではご覧のように木の枝が張り出す場所があって、木の枝を抑えながらバスをゆっくり走らせる様子も見られるほど。今年はそこまでひどい状態はありませんでした。おそらく、まだ雪の中に閉ざされているものと思われます。
ただ、今後雪解けが進んで来れば、ちゃんと起き上がって、上に伸びますので、大きな支障にならないものは、そのまま放置していてもよいといえばよいのですが...
のりくら観光協会会長の挨拶 | 宣伝部長の挨拶 |
−のりくら観光協会会長の挨拶−
「先日位ヶ原山荘まで行ってまいりましたが、30センチほどのでした。今、ノリクラが一番白い時なんです。山頂の直下ににも雷鳥の雪型が見え始めるころですが、今年は出てきたり消えたりを繰り返しております。今年は黄砂が少なくて雪の壁なんかを見ても、まだらの筋がほとんどなくきれいですので、そんなところもご覧いただければと思います。」
−春の高原について宣伝部長の挨拶−
「平素より乗鞍高原・乗鞍岳にご協力いただきましてありがとうございます。今まで、美しい景色を中心に行って来ましたが、最近はよりディープな体験を求めるニーズがあり、そんなことを踏まえて、水芭蕉についてもガイドを積極的に案内し、夏はスターライトツアーという見ていただくだけでなく、撮影会や撮影テクニックを教えるなどの取り組み、また、夏場になると高原野菜の番所きゅうり、花豆をPRし、5月21日には開山祭としてすもも祭りもあります。地元の若手・女将さんを中心に、人との触れ合いを大切に行っておりますので、よろしくお願いいたします。」
一昨年の29号カーブ上の直線区間 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.7(2015/04/28〜29) A ↓ |
昨年の29号カーブ上の直線区間 2016ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.6(2016/04/20・23) A ↓ |
今回の29号カーブ上の直線区間 一昨年よりもさらに積雪が多い |
試運転バスは時速25km程度とゆっくりとしたスピードで走ります。こちらは標高2000メートル付近の29号カーブ上の直線箇所。昨年はもとより、一昨年よりもさらに積雪の多い様子がみられます。バスはゆっくりと位ヶ原山荘まで進むため、通常の所要時間の倍以上の時間をかけてこの先進んで行きます。
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新緑のダケカンバ(29号カーブ上、6月中旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2014/06/14〜15) @ |
紅葉のダケカンバ(29号カーブ上、9月下旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.21(2014/09/27〜28) F |
さて、これから季節が進むと、新緑の季節を迎えます。左の画像はちょうど若い緑が綺麗な6月中旬の様子。そして、右の画像はさらに季節が進んで、9月下旬の紅葉シーズン。どちらも甲乙つけがたい見事な景色・色彩が広がっています」。正面に見られる山もはいずれの時期においても、きれいなパッチバークを見せてくれ、自然の織りなす造形には感心せざるを得ないと思います。
雪解け水が夜間凍結する可能性あり − 始発便運休の原因に |
乗鞍岳春山バスは運行当初の始発便は路面凍結で運休になる日が多々あります。特に雲一つなく晴れた日は放射冷却で冷え込んで、その傾向が強い状況で、利用客の方の中には、「こんなに天気が良いのに凍結運休とはどうしてだ!」と、不思議に思われる方もいらっしゃいます。
県道乗鞍岳線は、国立公園内のため、融雪剤などが利用できないため、広範囲にわたって凍結した場合は、自然融雪を待つしかありません。また、今回の試運転とは別に、始発便の運行前に、バス会社または地元の方による道路パトロールを行い、路面凍結・雪壁法面崩落・倒木などの安全運行に支障となる状況の発生がないかどうかをチェックしたうえで、その日の運行可否の判断がなされます。
そのため、本日の試運転で運行決定がなされても、明日の運行初日の道路パトロールで、路面凍結が見られれば運行中止となります。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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