ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2006/07/08) E

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7  8  9 

(Update:2006/07/13)

 

【高山植物】

登山者でにぎわう(肩の小屋前)

今回の二日間はあまり天候に恵まれたとはいえませんが、それでも7月8日(土)のお昼頃は、2〜3時間ほど晴れ間が見えて、夏山シーズンがやって来たかなぁ〜、と感じさせてくれました。

 

ハクサンイチゲ(花)

こちらは先ほども紹介したハクサンイチゲの群生。初夏の時期の、定番中の定番とも言える高山植物です。

 

カメラに収めて...

ちょうど、肩の小屋から剣ヶ峰に向かう登山道脇に咲いていますので、ここで足を止めて、カメラに収める登山客もたくさんいらっしゃいます。

 

コイワカガミ(花)

ハクサンイチゲのような大きな群生は見られませんが、これまで点々と咲いていたコイワカガミは、今週に入って、50センチ四方くらいのコロニー(集落)を至る所で形成しています。コイワカガミは大雪渓入口付近の県道脇でもコロニーが見られますので、シャトルバスの車窓から、ぜひ、確認してみてください。

こちらは、先週、つぼみの状態をお伝えしたベニバナイチゴ。

 

ベニバナイチゴ(花)

先週、申し上げたとおり、今週は、うつむきぎみの真紅の花が一斉に咲いています。ただ、ベニバナイチゴの花は長持ちせず、来週には大半のものが枯れているかと思います。ただ、枯れた後も、すぐに実をつけ、その様子もまた楽しいものです。

イワツメグサ(花)

7月に入り、少しずつ目立ち始めてきたのがイワツメグサ。北アルプス・中央アルプスなどの高山帯の砂礫地や岩場に自生する多年草。

 

5枚の花弁が2つに裂けて10枚

大抵、イワツメグサを図鑑などで見ると、「花弁(はなびら)は5枚で、根元で2つに裂けているため、10枚に見えます」という解説が載っています。ひょろひょろした雰囲気から、単子葉植物(たんしようしょくぶつ)のイネ科のように見えますが、花の枚数からしても、双子葉植物(そうしようしょくぶつ)であることがわかります。

開花している花の周りには、まだ、たくさんのつぼみが見られます。先ほどのベニバナイチゴを含め、他の高山植物が1〜2週間程度で開花の時期を終わらせてしまうのに対し、イワツメグサはこれらのつぼみが順番に開花していきますので、長い間、楽しむことができます。


【用語メモ】

※単子葉植物(たんしようしょくぶつ)と双子葉植物(そうしようしょくぶつ) :  

種子から最初に出る葉(子葉)が一枚であるか(単子葉)、二枚(双子葉)であるかの違いをさす。単子葉植物は、大部分が草で樹木になるものは少なく、葉は細長く葉脈が縦に走るのが特徴。そして、花弁や萼(がく)の枚数が3の倍数で、代表的な植物はランやイネがある。

双子葉植物は、子葉が二枚であることと、葉脈が網状であること以外は、その特徴は多岐にわたっている。また、花弁などの花の器官の個数(枚数)は、2または5の倍数を取っている。

 

 

<<Back | Next>>

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会