ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2008/05/17〜18) E

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(Update:2008/05/22)

 

【屋根板から位ヶ原へ】

それではきれいに晴れ上がった屋根板を出発します。

 

真っ白な雪肌は見納めの時期 − 小さなダケカンバが所々に

15日(木)に降った新雪で真っ白なバーンと真っ青な青空はこれまでのシーズンではもう何度もご覧になっていることと思いますが、こんなにきれいなコントラストをお届けできるのも今シーズンはそろそろ最後に近づきつつあります。屋根板はまだまだ雪面の面積のほうが多いことは間違いありませんが、所々でダケカンバが顔を出すようになってきています。

 

青空に浮かぶ雲は目を潤わせる

今日は冷たい空気に覆われていることもあって強い日差しが燦々と降り注ぐ状態ではあるものの、モクモクとした雲が湧き上がることはなく、お昼近くになってご覧のようなきれいな雲が上空をゆっくりと流れて行きます。

 

山頂方面 続々と山頂へ

位ヶ原はそんな変幻自在の雲に操られ、光と影のグラデーションがゆっくりと流れて行きます。そして、時折山頂付近にかかる雲間を覗くと、肩の小屋や大雪渓から稜線を目指すスキーヤーやボーダーの方々、そして登山の方々が一斉に登って行く様子を確認することができます。今日は11時の段階で120名以上の方をカウントできました。

 

【雪渓下部】

ここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。

 

今回(5月18日(土))の大雪渓入口 先回(5月11日(日))の大雪渓入口

 こちらは大雪渓入口付近。左は今回(5月18日(日))の画像で、右は先週(5月11日(日))のものです。先週の段階で30〜40センチ程度の積雪量の減少が見られましたが、今週は大きな変化は見られません。

 

登山道の支柱が見え始めます

そして先週は見られなかった登山道を示す標識の支柱の頭が見えるようになって来ました。このことから昨年とほぼ同じ状況を推移していることがわかります。

 

トイレ前

先週は少しだけ見えていたトイレ前の岩はご覧のようにかなりしっかりと確認できるようになり、ほとんど地面の露出していない大雪渓付近では唯一腰を下ろしてゆっくりすることのできるエリアとなっています。昨年の同じ週は降雪でやや埋まっていましたが、その前の週と同じくらいの状況で、ほぼ昨年並みといえるでしょう。

 

今日は乗鞍スカイラインから − これから毎週のように来ます!

こちらの方は今シーズンははじめてのノリクラとのこと。今日はほうのきから乗鞍スカイラインのシャトルバスでお越しなりました。始発の7時のバスは2台で運行され、長野県側の春スキーバスのような混雑はなかったようです。これから毎週のようにお越しになる予定とのことで、またお会いできたら幸いですね。

 

休憩に多くの人が立ち止まるポイント 稜線から滑走 − ここでお昼休み 

トイレ付近は山頂方面から滑り降りて来ると、休憩するにはちょうどよい箇所で一度は立ち止まるポイントとなっています。こちらの方々は剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線から滑り降りてこられましたが、もうすでに多くの方が滑走された後で、荒れたバーンに何度も転倒されたとのこと。それでも楽しそうにその状況を伝えてくださり、まずはここでお昼を取って、ツアーコースで帰るか位ヶ原山荘から春スキーバスに乗って帰るか決めたいとのことでした。

位ヶ原山荘に戻るかツアーコースに向かうかは大雪渓駐車場付近で決断された方がどちらもアクセスし易いと思います。また、少なくとも宝徳霊神バス停のある5号カーブ手前で決めなければ、ツアーコースへは向かうことができませんので注意が必要です。

 

少なくとも30センチの新雪の層
表層がずれ落ちる可能性もあります

雪渓下部にも新雪が積もり、表面の5センチ程度は柔らかい感触があり、少なくとも30センチ程度の新雪の層があります。ただ、シールで登るとスキーの真下ではなく、周辺でググッと割れる感触があり、状況によっては表層がそのままズレ落ちる可能性もありますので注意が必要です。

 

モーグルコースの岩が出始めます − 昨年よりも2週間早い状況

雪渓下部は肩の小屋方面に向かってしばらく中斜面が続き、その後はなだらかな斜面に変化して肩の小屋までつながります。この中斜面から緩斜面へ変化するあたりにモーグルコースの岩があります。(夏スキーのシーズン、この中斜面ではいくつものモーグルのラインができることから、便宜上、呼称させていただいております)

 4月上旬までは岩の頭がのぞいていましたが、それ以降は積雪量の増加とともに、その姿を隠していました。そして、雪解けとともに再び姿を現し始めました。( → ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 Vol.2(2008/04/05〜06)C

このモーグルコースの岩は大雪渓の中で一番最初に姿をあらわす岩で、昨年より2週間、一昨年と比べると3週間早い雪解けで、2005年とほぼ同じ状況です。ただ、雪渓下部全体を見ても例年なら所々で見られるはずのハイマツ帯がほとんどなく、モーグルコースの岩以外では昨年と同様、例年よりも雪解けは遅れているようです。

 

【雪渓上部・肩の小屋】

雪渓上部 雪渓中段

こちらは雪渓上部、左の画像のとおり、蚕玉岳〜朝日岳稜線から大雪渓に滑り降りてきたシュプールがいくつもできています。

肩の小屋方面

雪渓上部からさらに登り、こちらは肩の小屋。

 

肩の小屋付近も昨年並み(例年より多い状況)

肩の小屋付近に関してはほぼ昨年並みの積雪で、例年よりも多い状況です。

 

雪の中からキバナシャクナゲの葉

そして雪解けとともに岩の隙間から、高山植物の姿を見つけることができます。常緑樹のキバナシャクナゲは高山植物の中でもいち早く花をつけます。それでもまだつぼみはなく、透けるような淡いクリーム色の大輪を見せてくれるのはまだまだ先のことだと思います。

 

肩の小屋から稜線へ − 足跡が一直線に

稜線に向かうには大雪渓から蚕玉岳〜朝日岳の稜線に直登するルートがありますが、シールではやや斜度がありすぎるため、肩の小屋を経由し、夏の登山道沿いに進んで行くのがよいかと思います。また、この時期はまだハイマツ帯も出ていないため、肩の小屋から一直線に蚕玉岳〜朝日岳の稜線を目指すことができます。今回もそのルートにたくさんの足跡が稜線に向かっている様子が伺えます。

大雪渓付近では一部昨年よりも少ない状況の箇所もありましたが、肩の小屋から山頂方面については昨年とほぼ同じく、全面真っ白の山肌を見せ、例年よりも多い積雪量を見せています。 Next

 

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